けもの道の狩猟ノート

狩猟の道を切り開くハンター必読の専門誌『けもの道』のnote版! 猟犬、猟銃、罠、危険…

けもの道の狩猟ノート

狩猟の道を切り開くハンター必読の専門誌『けもの道』のnote版! 猟犬、猟銃、罠、危険、知恵にジビエに獣害問題まで……未知すぎる狩猟の世界をリアル狩猟人たちの取材を通じて真剣にお届けしています!(運営会社:三才ブックス)

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  • 日本クマ事件簿

    『日本クマ事件簿』は日本社会を震撼させた熊害事件の記録集です。明治から令和にかけて発生したクマによる死亡事故のうち、記録が残るものはほぼ全て網羅。当時の報道や、関係者の証言から浮かび上がる事実、熊撃ち猟師の経験談、専門家の研究成果も参考に、「森の王者」クマの実態に迫ります。

最近の記事

【猪犬閑話】姿芸両全を考える

文・写真八木進 猟師が追求する姿芸両全とは|猪犬を使っての猪猟師にとって「姿芸両全」は魅力ある言葉である。日本犬の愛好家にとっては特に「姿」に固執する猟人が多く、「姿芸両全」は究極の目標とも言える。 日本犬を例にとると「姿」が良い犬とは一般的には日本犬保存会(以下、日保)の日本犬標準が基になっているようである。日本各地の地犬を日本土着の「日本犬」として保存が開始されたころ、当然として体型の基準が必要となり、当時の状況を詳細に調査した理想の体型を標準とし、昔も今も不変とな

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    • 優れた猟犬の血を次世代につなぐ 猟能研究会の重要性と意義

      文・網地貫 写真提供中島猪犬訓練所 日本犬保存会とは平成30年5月27日、三重県にある中島猪犬訓練所にて公益社団法人日本犬保存会(以下、日保)主催の猟能研究会が催された。 日保とは、明治から大正にかけて大量に輸入された洋犬種との交雑によって絶滅の危機に瀕した日本犬の純血を守るべく、昭和3年に発足された日本最古の畜犬団体である。 以降約90年間の地道な努力が実を結び、今では不動の人気を誇る柴犬を始めとして、大型の秋田犬、中型の北海道犬、紀州犬、甲斐犬、四国犬の計6犬種が

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      • 開拓期の原野でヒグマが民家侵入、3人死傷の悲劇|北海道・弁辺村|明治8年

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        • 全国から猪犬猟師が集まる「熊野山本猪犬訓練所」の1日に密着してきた|2018年

          全国から猪犬猟師たちが集まった平成30年度が始まって間もない4月15日、和歌山県・熊野山本猪犬訓練所には地元関西からだけでなく遠く北関東からも猪犬猟師たちが集まった。 春の恒例、猪犬猟師たちにとってはいわば新年度の風物詩のようなもの。「けもの道」の取材でも毎年のようにお世話になっていて、各地の猟師と顔を合わせるのが楽しみでもあり、1年ぶりに会って元気な姿を見るとこちらが安心する参加者もいる(高齢化が進む猟師の世界では冗談抜きのけっこう真面目な話だったりする)。 この訓練

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        【猪犬閑話】姿芸両全を考える

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          クマ襲撃に町騒然、日課の犬散歩中に住宅街で襲われ男性死亡|富山県・入善町|平成18年

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          深いブッシュに若犬も恐怖!? 中島猪犬訓練所所長に “初心者限定” 訓練会の狙いを聞いた

          文・写真|網地貫 3条件を掲げた訓練会平成30年4月22日、数日前までの涼しさから一転、初夏を思わせる強い日差しが照りつける中、三重県・中島猪犬訓練所で訓練会が催された。 中島猪犬訓練所で公的な競技会や訓練会の開催は多くはない。依頼があれば場所の提供はするが、主催することはない。もちろん方針に口出しすることもなかった。 ところが今回の訓練会は珍しく中島猪犬訓練所代表の中島毅所長の意向で3つの条件がつけられた。 初心者であること 少数制・参加犬数10頭未満 単犬単

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          サケ密猟で捕食中ヒグマとはちあわせ|北海道・標津町|平成20年

          はじめに本稿では、明治から令和にいたるまで、クマによって起こされた死亡事故のうち、新聞など当時の文献によって一定の記録が残っている事件を取り上げている。 内容が内容ゆえに、文中には目を背けたくなるような凄惨な描写もある。それらは全て、事実をなるべく、ありのままに伝えるよう努めたためだ。そのことが読者にとって、クマに対する正しい知識を得ることにつながることを期待する。万一、山でクマに遭遇した際にも、冷静に対処するための一助となることを企図している。 本稿で触れる熊害事件は

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          サケ密猟で捕食中ヒグマとはちあわせ|北海道・標津町|平…

          マタカリプか? 冬眠前のクマに男性ハンターが襲われ死亡|北海道・夕張市|令和3年

          はじめに本稿では、明治から令和にいたるまで、クマによって起こされた死亡事故のうち、新聞など当時の文献によって一定の記録が残っている事件を取り上げている。 内容が内容ゆえに、文中には目を背けたくなるような凄惨な描写もある。それらは全て、事実をなるべく、ありのままに伝えるよう努めたためだ。そのことが読者にとって、クマに対する正しい知識を得ることにつながることを期待する。万一、山でクマに遭遇した際にも、冷静に対処するための一助となることを企図している。 本稿で触れる熊害事件は

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          猪猟における止め場の対処 〜 鳴き止め編

          はじめに犬を引いて山に入り始めたころ、大雨の直後には普段見ることができない滝や流れが出現することがあるので、犬たちを連れ目的の山々へ分け入ったものです。 あるとき、上流から濁流とともに子猪が流されて来たことがありました。その光景を目の当たりにしたとき、山を根城とし我々人間より山の生活に適応しているはずの猪でさえもこのような目に遭うことがあるのかと、自然に対しあらためて畏怖や畏敬の念を抱いたことは、その光景とともに今でもはっきりと記憶しています。 今年も様々な自然災害が発

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          猪猟における止め場の対処 〜 鳴き止め編

          【狩猟DIY】スラッグ手詰め生活のススメ 〜 自分だけのスラッグ弾の作り方

          文・写真|小堀ダイスケ コストダウンと命中精度大物猟になくてはならないスラッグ弾。だが、弾頭から鋳造して手詰めをしているというハンターというのは、そう多くないのではないだろうか。 宮野さん(東京都)は、そんな数少ない「スラッグハンドローダー」のひとりだ。ライフルも所持しているが、狩猟をはじめてからずっと、手詰めスラッグの奥深さにハマっている。 ライフル実包は、「薬莢」「雷管」「火薬」「弾頭」という4つからなる集合体だが、スラッグの場合、そこに「ワッズ」や「コロス」とい

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          【狩猟DIY】小型鉄板の自作にチャレンジ! 〜 アウトドアでジビエをおいしく焼ける

          ライター、アングラーで有名なヨコザワテッペイ氏が発案した「ヨコザワテッパン」が静かなブームです。 特にソロや少人数で活躍するキャンパーやバイクツーリストに受けています。手軽に鉄板焼きが楽しめるのと、鉄板であるが故の遠赤外線の発生により美味しく焼けます。 今回はこの「ヨコザワテッパン」をベースにしたオリジナル小型鉄板の自作とその活用をレポートします。 文・写真|大橋オサム ヨコザワテッパンとは?「ヨコザワテッパン」とは 210×150mm の小型鉄板です。切り出した鉄

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          クマに襲われて生き延びた人々 〜 九死に一生の理由はどこに?

          (編集部注:本稿は『日本クマ事件簿』に収録された、死傷者をともなう熊害事件エピソードに対し、生存者に関するエピソードをまとめたものとなります) 本稿では『人身事故情報のとりまとめに関する報告書』(日本クマネットワーク)より、2000(平成12)~2010(平成22)年にかけて国内で起きた人身事故から、タイプの異なる事例をピックアップしている。 被害者はいかにして助かったのか。リアルな状況報告は、事故に遭わないためのケーススタディとして参考となるはずだ。 ケース1|朝の

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          屋久島犬シノ、モンキードッグとして活躍中

          文・写真佐茂規彦 篠山にやって来た屋久島犬シノ屋久島犬の「シノ」(約7歳・メス)は、屋久島から遠く離れた兵庫県|篠山市(当時、2019年5月より「丹波篠山市」)でサルを追い払うモンキードッグとして地域に貢献している。飼い主の清野未恵子さんはサルによる獣害対策の第一人者であり、神戸大学で教鞭を執りながら篠山市の獣害対策に携わっている。 屋久島犬との出会いは、島でヤクシマザルの調査研究をしていた学生時代までさかのぼり、現地で出会った屋久島犬の愛好家からシノを譲り受けた。

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          屋久島犬シノ、モンキードッグとして活躍中

          幻の屋久島犬が魅せる残すべき姿芸

          文|佐藤未歩 写真|いなたまきこ 屋久島のヤクシカ猟朝から雨だ。 猟期終了間際の3月4日、屋久島の南部、世界遺産登録地域を横目に山へ入る。勢子の屋久島犬保存会会長、若松さんが犬を入れ、しばらくすると甲高い声が響く。剣(雄4歳)と妹のビビ、甥っ子のバルが鹿の匂いをとり、追い出した。 犬の声が近づく。待ちの江口さんにとっては狩り慣れた山で、鹿が逃げてくるルートを全て予測していた。 犬の声が止まった。どうやら鹿は畑の網の破れたところから逃げたようだと、江口さんが迎えにきて

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          幻の屋久島犬が魅せる残すべき姿芸

          ジビエ信仰に業界人が警鐘「ジビエ販売の成功のカギは営業力にある」

          狩猟歴なし、食品販売歴なし、営業経験だけはあったジビエ卸売り業者のK氏。足掛け6年に渡る全国行脚で地方から都市部へのジビエ販売網を構築した業界人は、現在の “ジビエ信仰” をどう見ているのか。けもの道編集部がコソッとお話を聞いてきました! 取材日|平成30年7月 「ジビエ」と呼べば “売れる” わけではない。ーー「ジビエ信仰」と揶揄されるほど近年はジビエに注目が集まっていますが、ジビエ業界に入った当時の状況はいかがでしたか? 私が「ジビエ」というものに商品として興味を

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          ジビエ信仰に業界人が警鐘「ジビエ販売の成功のカギは営業…

          ラブラドール・レトリーバーにカモ回収を任せるひと 〜 愛玩犬を狩猟に連れ出す意味とは

          ラブラドール・レトリーバー2頭と猟へ行くひと「実猟におけるレトリーバーの主な任務は “retrieve” (=レトリーブ、回収する)だ」と説明したところで、現在、日本におけるレトリーバーは一般の家庭犬であるほか、盲導犬などサービスドッグとしての活躍が中心であり、狩猟犬として紹介することはナンセンスと感じる人が大半だろう。 しかし、それは杞憂に過ぎないと言える。今回ご紹介する大分県大分市在住の広畑美加さんは、愛犬のラブラドール・レトリーバー2頭とともに出猟し、実際に獲物の回

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          ラブラドール・レトリーバーにカモ回収を任せるひと 〜 愛…