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見た目はマンボウ、色はリュウグウノツカイ、味はマグロのマンダイをパスタに

マンダイというちょっとマイナーなお魚をマグレブ風?に少し辛いパスタにしてみました。


マンダイについて

マンダイとはどんな魚?

マンダイはアカマンボウとも呼ばれています。ただし、マンボウ(フグ目)とは違い、リュウグウノツカイと同じアカマンボウ目に入ります。
日本海、太平洋、大西洋、地中海等、世界中の暖かい海域に生息。

フェロー諸島の切手デザインに
記されているマンダイ
リュウグウノツカイを思わせる色味
(Public domain)

写真で見る通り、結構丸い魚です。実際はもっと円に近いかも。
英語圏だとopahmoonfish、たまにsunfishとも呼ばれます。moonfishはその丸い形や体の斑点から、sunfishも形からですね。

マンボウと似たような名前がついているだけあって非常に大きな魚で、体長は1m-2m、重量も大きなものだと300kg近くになります。

このマンダイ、実は科学史上初めて発見された温血魚でもあります。
マンダイは、胸ビレを絶えず動かして俊敏に動くことで熱を発生させ、この熱を使ってエラで酸素交換した後の冷たい血液を温めるようになっています。この結果、筋肉温度を高く保つことができ、新陳代謝や運動能力を高めることが可能。
魚類で言うとマグロやサメも一部温血性を持つのでちょっと似ていますが、マンダイはそれよりも優れた保温システムと熱交換システムを持つということで、"完成された温血魚"とアメリカ海洋大気庁(NOAA)の記事内で呼称されています。

In 2015, researchers with the NOAA Southwest Fisheries Science Center revealed the opah, or moonfish, as the first fully warm-blooded fish.

https://oceanservice.noaa.gov/facts/cold-blooded.html

食用としてのマンダイ

このマンダイ、大味かと思いきや、実はマグロのような美味しい赤身を持っています。見た目だけでなく味も似ているという噂。

マグロのようなマンダイの赤身
マグロのサクのように身が大きく、また骨もない

ということで、軽く焼いて塩を振ってみたら、確かにマグロのよう。
それどころか、マグロよりも酸味がおだやかに感じられ、知らずに焼いたものを食べたら「このマグロ食べやすいね!」とまで言ってしまいそうです。

そもそも温血で素早く泳ぐという特徴が結構マグロのようですし、なんならマグロに混ざって泳ぎ、食べ物も近いことから、赤身でマグロのような味わいというのも、何となく頷けますね。

マンダイは、沖縄では"お手頃価格の万能魚"として知られていますが、それ以外の地域ではややマイナーな存在。狙って獲るということはなく、何の因果か、延縄でたまにマグロと一緒にかかってくるそうです。

マイナーすぎるが故のお手頃価格
50%引きで149円/100gは絶対買う
カジキの2倍買う

身が大きい、骨がない、美味しいと三拍子揃った上にお手頃価格という、かなりのポテンシャルを秘めているので、ムニエル、フライ、唐揚げ…など、なんでも作れそう。
でも、見たことが無い魚はまずパスタにして食べるという個人的信念なぞのこだわりにより、ここはパスタのソースとして使いました。

材料【2人前】

メッツエマニケ 160g ※ または好きなパスタで
マンダイ 140g前後
ハリッサ 大2
パッサータ 300g ※ トマト缶や生トマトでも
オリーブ 10粒
玉ねぎ 1/4個
甘長唐辛子 1-2本
タイム(あれば)

パセリ、黒コショウ、塩、エキストラバージンオリーブオイル

メモ:
カルディのハリッサを使っていますが、メーカーによって味も辛さも違うので、量は適宜調整をしてください。
生トマトを利用するときは、水分が多くなりがちなので煮詰める時間を長めに。


パスタはメッツエマニケやパッケリのような筒状のものや、中くらいからやや太目くらいのスパゲティ等が合いそうです。
マグレブに寄ってクスクスで作って、紫玉ねぎや豆を加えても良いですね。

それでは、マンダイのパスタの作り方を見ていきましょう。

作り方

事前準備

  • マンダイは水気をふきとって、一口大に切る。

  • 鍋に塩分1%のお湯を沸かす。

  • 玉ねぎはみじん切りに。

  • 甘長唐辛子は薄く輪切りに。

  • オリーブはスライスする。

  • パセリは好みの大きさに刻む。

手順

1.
フライパンにオリーブオイルと玉ねぎ、一つまみの塩を入れて火にかけ、玉ねぎに軽く火を通す。

2.
マンダイを加え、軽く両面に焼き色をつける。

マンダイを追加。
玉ねぎは少し多めになってしまったかも。

3.
オリーブ、ハリッサの半量とパッサータ(もしくはつぶしたトマト缶等)を加え、タイムを加えて軽く煮詰める。
パセリの茎が余ったら加えて途中で取り出す。

今回はトマト缶ではなく、パッサータを利用

4.
パスタを茹でる。メッツェマニケは表示時間通りくらい。ロングパスタの場合はアルデンテか、それより1分くらい早めでも。
この間にソースを味見して、辛すぎなければ残りのハリッサを加える。また、煮詰まりそうになったらパスタ湯を加える。

5.
パスタが茹であがったらフライパンに入れ、パスタにソースを吸わせるように軽く煮る。この時点で味見をして、塩またはパスタ湯を加えながら塩味を調整。
塩味が整ったら甘長唐辛子を加えて、温めるくらいの感覚で混ぜる。

6.
お皿に盛り、パセリと黒コショウを振って完成。

一口サイズのメッツェマニケと

ハリッサに含まれるパプリカやコリアンダーの風味、唐辛子の辛味がパスタに複雑でエスニックな味わいを与えて、飽きの来ない味に。

マンダイ自体は癖がない魚なので、マグロを使うパスタ料理と同様に、シンプルにトマト、ニンニク、唐辛子のソースにしても良いし、塩、レモンと合わせても美味しそうです。

以前マグロと合わせたパスタはこちら:

マグロのほほ肉のトマトソースパスタ
ニンニク、唐辛子、
トマトソースと合わせたもの
マグロのカマのレモンパスタ
ニンニク、レモン、
バルサミコ酢と合わせたもの

参考資料


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