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元祖「高度専門人材」を活かしきったリーダー

6月11日(火)に『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)を出版いたしますが、出版までに本書で取り上げている歴史上の人物について、なぜ取り上げたのかを簡単にご紹介していきます。
 
第5回目は、桂小五郎(明治維新後は木戸孝允(たかよし)1833年~1877年)です。幕末、幕府と対立し、最終的には勝利した長州藩をリードしたことから、「明治維新の三傑」の一人と評価されています。
 
私が本書で桂小五郎を取り上げた理由は、桂小五郎は、元祖「高度専門人材」を活かしたことにより、幕府に勝利することができたリーダーだと考えているからです。
 
ここで言う、元祖「高度専門人材」とは、大村益次郎(1825年~1869年)のことになります。大村益次郎は武士でないものの、医学のために西洋の学問を学んだこともあり、西洋の軍事学にも詳しくなり、軍事技術の専門家として日本でもトップクラスでした。まさに今風に言うところの高度専門人材だったのです。
 
桂小五郎は、この大村益次郎を長州藩の軍事責任者として抜てきしました。これは幕府に勝つためには大変大事な人事でした。実際、大村益次郎が策定し、繰り出した作戦、戦術の前に幕府軍は破れ去っていったのです。
 
しかし、大村益次郎を軍事責任者に抜てきし、活躍してもらうことは、決して容易なことではありませんでした。大村益次郎は武士でもなく、また高度専門人材にはしばしば見られることですが、コミュニケーションが少々苦手な点がありました。
それに対して桂小五郎は大村益次郎を武士にとり立てるとともに、大村と周囲との関係に気を配るなど、終始サポートし続けたのです。
このことにより、大村は思う存分に力を発揮することができ、幕府と戦うことができたのです。
 
現代に生きる私たちも、AIやデータサイエンスなどの発展により高度専門人材が必要とされています。しかし、高度専門人材は、その単独では成果を生み出すことができないのです。桂小五郎のように、大きな方向性を示すとともに、高度専門人材を抜てきし、フォロー、サポートし続けるリーダーがいてこそ、高度専門人材を活かすことができるのです。
 
そんなことを伝えたくて、桂小五郎を本書では取り上げてみました。

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桂小五郎(木戸孝允)

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