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リーダーは踏み込み、一人で逃げ出さない

執筆活動のなかで、江戸幕府の最後の将軍、徳川慶喜のことを書かさせて頂きました。
私は徳川慶喜の評価は難しいと感じています。幕末の最終局面で新政府との泥沼の内戦を回避し、比較的円滑に幕府から新政府に政権移行した功績は大きいと思います。もし泥沼の内戦となっていたら、欧米諸国が日本を侵略していた可能性がゼロとは言えませんでした。徳川慶喜の大局観があったからこそでした。
 
しかし、鳥羽伏見の戦いで情勢が不利ななか、1万人以上の家臣を置いて大阪城を脱出し、海上で江戸に逃亡したことは、やはりリーダー失格と考えざるをえません。そもそも、新政府側は西郷隆盛は前線に立つなどのリーダーシップを発揮していますが、慶喜は大阪城から動いてもいません。新政府軍の最新式武器、士気の高さ、親幕府藩の裏切り、そして極めつけは官軍を表わす錦旗の出現もあり、慶喜は勝てないと判断したのでしょう。それでも、繰り返しですが、1万人以上の家臣を置いての脱出、逃亡はありえません。
 
現代のビジネスでも、新しいプロジェクトや事業を取り組む時、経営者が人任せにして、自分は踏み込まず、失敗したら担当者・責任者の責めにすることがあります。新しいプロジェクトや事業ほど、経営者が一歩踏み込み、前線指揮しないとうまくいきません。ましてや単身脱出などありえません。リーダーは踏み込み、かつ逃げてはいけないのです。

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