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創業期や変革期は外部から積極的に学ぶのに、なぜそれが続かないのか

私は企業様をコンサルティングさせて頂く時に、始めに企業様の歴史をできるだけ丁寧にお聞きするようにしています。そのなかで、特に創業時や変革期に共通するストーリーがあります。
それは、創業時、変革期においては、外部からの支援やアドバイスを受けることで、新商品を開発したり、新事業を立ち上げることです。
例えば、新規商品に関わる知見や技術をもっている外部の人から指導を受けることです。そこから生み出された新規商品が、「現在の自社の主力商品です」となっています。また、「新規のビジネスモデルを紹介してもらったことがきっかけとなり、新規事業を立ち上げました。今ではそれが自社の主力事業になっています。」ということもあります。
 
少し残念なのは、創業時や変革期には外部からの支援やアドバイスを受けて成長しているのですが、その後はこのストーリーが途切れていることが少なくないのです。つまり、継続的に外部からの支援やアドバイスを受けながら商品や事業の見直しをしているかというと、そのようには思えないのです。
立ち上げてから安定期に入ると、自社のなかで全て対応する慣性が働いているように感じます。
 
事業が確立してからは、そんなに外部からの声に耳を傾けている余裕はない、という面もあると思います。それはよく理解できます。
しかし、それだけなのでしょうか。創業期は言うに及ばず、変革期も現状では行き詰まっていることが多いため、藁をもつかむ心境となっているはずです。その為、少しでも状況を変えるような声は耳に届くのです。いえ、耳に届くなんてものではなくて、自分からつかみに行くのです。
 
ただ、状況がよくなり、安定期に入ると、まずはこの状況を維持しようとします。状況維持が目的となると、その状況を変えるような声は、場合によってはノイズにしかならないのです。気づいたら外部からの声に耳を傾けることもなくなり、自社のなかで全て対応しようとするのです。状況を維持するためには、経営者にとって自社のなかでの対応は予測可能だからです。
そのうち、環境が変化するなかで、自社の事業が行き詰まることもあります。その時、外部の声に再度耳を傾けるかどうかは、正直、経営者の方次第かもしれません。
 
どのようにすれば、このような状況を回避できるのでしょうか。正直、特効薬のようなものはありません。
陳腐からもしれませんが、経営者の方が「現状に満足せず高い志をもつ」、「学ぶ姿勢を持ち続ける」気持ちを持ち続けることが基本ではないかと考えます。
「現状に満足せず高い志をもつ」とは、お客さまにもっとよい商品・サービスを提供したり、働く社員がもっと幸せになって欲しい、と真剣に考えるならば、現状を維持するという解には至らないはずです。もっとよい商品・サービスを提供しよう、もっとよい事業を展開しようとなるはずです。
また、「学ぶ姿勢を持ち続ける」とは、文字通りではあるのですが、自分が全て知っている、自分が正しいという立ち位置を取らず、もっと外部によいものがあるのではないか、それを取り入れようという気持ちをもつことです。

長文となったため、詳細は割愛しますが、歴史を振り返っても、外部から積極的に学んだ国は栄え、外部からの学びを拒絶した国は衰退しています。それは国に限らず、企業などの組織にも言えることです。

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