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失言から反省し、時代を変える人物に成長したリーダー

6月11日(火)に『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)を出版いたしますが、出版までに本書で取り上げている歴史上の人物について、なぜ取り上げたのかを簡単にご紹介していきます。
 
第6回目は、西郷隆盛(1827年~1877年)です。言わずとしれた、幕末、明治維新を代表する人物の一人であり、薩摩藩(現在の鹿児島県)をリードし、江戸城無血開城により江戸幕府を終わらせました。晩年は西南戦争を起こして明治政府と戦いますが、敗れたことにより亡くなります。
 
私が本書で西郷隆盛を取り上げた理由は、若い時の失言から西郷が厳しい状況に追い込まれたことが、西郷を人格者として成長させ、時代を変えるリーダーとなったと考えているからです。
 
西郷隆盛というと、一般的には、度量が大変大きく、懐が深い人格者、というイメージがあると感じます。京セラ創業者の稲盛和夫さんが西郷隆盛を尊敬されていたように、政界、財界にも西郷を尊敬する人も多くいます。
 
しかし、若い頃の西郷隆盛というのは、実は「上から目線」で、「傲慢」な一面ももっていたのです。
この傲慢さが一因となり、あることについて自分が正しいと考えることをそのまま発言したのですが、その発言が大変な失言だったのです。そのことにより、西郷は生死をさまようほどの状況に追い込まれました。
 
そして、西郷は、そのような状況のなかから、自分のあり方について深く反省したのです。そこから、現代の私たちがイメージする人格者の「西郷どん」が誕生したのです。
ここからは、目指すべき目標はしっかり見据えつつ、思ったことをすぐに口にせず、相手の気持ちなども配慮しながら物事を進めるようになりました。その結果、江戸幕府を倒し、時代を大きく変えたのです。
 
現代に生きる私たちも、思ったことをそのまま言葉にし、そのことにより相手を傷つけることがあります。特に自分が正しい、と強く思っている時ほど、その思いがあふれてしまって、言葉や行動に現れてしまうものです。しかし、本当に大きな目標を実現したいとき、思ったことをそのまま言ったり、相手を傷つけることがやりたいことなのでしょうか。そうした言動には、実は自己を正当化したい欲求が隠れているものです。
 
本当に大きな目標を実現したいと思うならば、できるだけ多くの人を味方にし、物事が進めやすいようにするものです。そこに自己正当化の欲求なんかはありません。だからこそ、西郷は後年、「命もいらぬ、名誉もいらぬ、官位や肩書きも、金もいらぬ、という人は、始末に困るものである。だが、このような始末に困る人物でなければ、困難を共にして国家の命運を分けるような大きな仕事を、一緒に成し遂げることはできない。」と言ったのです。
 
そんなことを伝えたくて、本書では西郷隆盛を取り上げてみました。

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西郷隆盛

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