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歴史の中の人物達から学ぶ

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歴史好きが高じて40年。歴史番組、歴史ドラマ、歴史書、歴史小説、とにかく歴史に関わることにいつも興味をもって接してきました。そこで感じたことをご紹介させて頂きます。少しでも歴史に… もっと読む
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あきらめないことがイノベーションにつながったリーダー

6月11日(火)に『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)を出版いたしますが、出版までに本書で取り上げている歴史上の人物について、なぜ取り上げたのかを簡単にご紹介しています。 第8回目は、織田信長(1534年~1582年)です。多くの人にとっても言わずと知れた人物で、日本史上の好きな人物アンケートでもよく1位にランキングされたりします。本書では、34のストーリーのうち、3つのストーリーで織田信長を取り上げています。そのテーマは、パワハラ、イノベーション、ビジョンについ

リーダーはメンバーの声は進むべき方向の鏡と思い、耳を傾けるべき

6月11日(火)に『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)を出版いたしますが、出版までに本書で取り上げている歴史上の人物について、なぜ取り上げたのかを簡単にご紹介していきます。 第7回目は、松平容保(かたもり、1835年~1893年)です。幕末の会津藩の藩主であり、幕府の求めに応じて京都の治安を維持する京都守護職を務めました。長州藩から京都を守った時は、当時の孝明天皇からも感謝されます。しかし、時を経て長州・薩摩藩により幕府が倒れると会津藩はスケープゴートとされ、会津

失言から反省し、時代を変える人物に成長したリーダー

6月11日(火)に『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)を出版いたしますが、出版までに本書で取り上げている歴史上の人物について、なぜ取り上げたのかを簡単にご紹介していきます。 第6回目は、西郷隆盛(1827年~1877年)です。言わずとしれた、幕末、明治維新を代表する人物の一人であり、薩摩藩(現在の鹿児島県)をリードし、江戸城無血開城により江戸幕府を終わらせました。晩年は西南戦争を起こして明治政府と戦いますが、敗れたことにより亡くなります。 私が本書で西郷隆盛を

元祖「高度専門人材」を活かしきったリーダー

6月11日(火)に『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)を出版いたしますが、出版までに本書で取り上げている歴史上の人物について、なぜ取り上げたのかを簡単にご紹介していきます。 第5回目は、桂小五郎(明治維新後は木戸孝允(たかよし)1833年~1877年)です。幕末、幕府と対立し、最終的には勝利した長州藩をリードしたことから、「明治維新の三傑」の一人と評価されています。 私が本書で桂小五郎を取り上げた理由は、桂小五郎は、元祖「高度専門人材」を活かしたことにより、幕

上に気をつかいつつも、野心を持ち続けたリーダー

6月11日(火)に『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)を出版いたしますが、出版までに本書で取り上げている歴史上の人物について、なぜ取り上げたのかを簡単にご紹介していきます。 第4回目は、伊達政宗(1567年~1636年)です。現代に続く東北の中心、仙台を築いた武将として知られています。私のような世代には、1987年の大河ドラマ「独眼竜政宗」が印象的でしょうか。渡辺謙さんの出世作でした。 私が本書で伊達政宗を取り上げた理由は、かつて自由奔放であった若者・政宗が歳

最後に成功する人間の器をもっていたかっこいいリーダー

6月11日(火)に『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)を出版いたしますが、出版までに本書で取り上げている歴史上の人物について、なぜこの人物を取り上げたのかを簡単にご紹介していきます。 第3回目は、前田利家(1538年~1599年)です。江戸時代の加賀100万石の祖として知られた人物です。私のなかでは、2002年の大河ドラマ『利家とまつ~加賀百万石物語~』で唐沢寿明さんが演じた前田利家のイメージがあります。唐沢さん演じる利家はとにかくかっこよかった。 今回、私が本書

戦国時代のマネジメントチームを作ったリーダー

6月11日(火)に『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)を出版いたしますが、出版までに本書で取り上げている歴史上の人物について、なぜこの人物を取り上げたのかを簡単にご紹介していきます。 第2回目は、毛利元就(1497年~1571年)です。安芸国(現在の広島県西部)の小領主から中国地方を支配する大大名となった武将として知られています。私は広島出身のため、小学校の時には元就が居城としていた吉田郡山城の跡で林間学校をした記憶もあるところです。 この元就については、2つのスト

戦国時代のドラッカー先生だったリーダー

6月11日に『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)を出版いたします。ちょうど出版1ヵ月前となったこと、また取り上げる歴史上の人物が26人ということもあり、出版まで(できるだけ)毎日、各歴史上の人物をなぜ取り上げたのかを簡単にご紹介していきます。 第1回目は、北条氏綱(1487年~1541年)です。戦国時代の武将で、小田原を拠点とした北条氏の2代目です。創業者である北条早雲と比べると知名度が低いですが、早雲の時代から確実に領地を拡大しており、名君と評価されている人になり

古今東西、「正しい」ことが正解とはいえない

先日、同僚からこんな話しを聞きました。すでに経営から引退された方と食事に行ったとき、なにか大事なパンフレットを挟みながら話しをしていたところ、同僚の不注意でそのパンフレットにウィスキーがかかったそうなのです。しかし、その方は慌てることもなく、お店の方にパンフレットを乾かして頂くことをお願いしながら、「いや、ウィスキーがかかったパンフレットというのもいいですね」と笑われていたというのです。 明らかに同僚を気遣ったお振舞い、お言葉で、この話を聞いた私は、なんて相手の気持ちを考えら

26年大河ドラマの主人公は、現代にも通じる最強のNo2

少し先のことではあるのですが、2026年の大河ドラマは「豊臣兄弟!」というタイトルで、豊臣秀吉(1537年~1598年)の弟、豊臣秀長(1540年~1591年)が主人公となります。 「豊臣秀吉は知っているけど、弟?秀長?って誰?」という人も多いかもしれません。日本史の教科書でもほとんど取り上げられていないので、それも仕方ないところです。もし扱われていても、1591年に亡くなり、豊臣政権の先行きに影を落としたくらいの記述しかないと思います。 しかし、私はこの26年大河の発表

親鸞の親子対立から考えるリーダーと迎合者の違い

日本で最大規模の宗教団体の一つである浄土真宗。この浄土真宗を創設したのは親鸞(1173年~1263年)ですが、この親鸞、浄土真宗を創設しながらも、その運営のなかで親子が対立し、とうとう晩年には長男と絶縁しているのです。 その経緯は次のようなものです。親鸞は京都を拠点として浄土真宗を広めていたのですが、そのなかで関東では、悪いことをしても念仏さえ唱えておけば救われるのだ、という悪行集団が生まれてきたのです。このような事態を望んでいなかった親鸞は、長男(次男という説も)であっ

リーダーは「憐れみ」の心を持つべきでは

戦国時代に関東を支配した北条家の2代目に北条氏綱(1487年~1541年)という人がいます。この人は初代、北条早雲から北条家の勢力を更に拡大した人として名前を残しているのですが、特に後継者(北条氏康)に残した「五か条の遺訓」は戦国大名の遺訓のなかでも有名です。 この遺訓の第二条には、家臣の使い方、特にその強みの活かし方について書かれているのですが、そのなかに、「どんな者にも憐みをかけなさい。役に立つか立たないかは、すべて大将の心にあるものだ。」という一節があるのです。私は

「追いつめているかな」と思ったときは、「逃げ道を残す」を思い出してほしい

先日、当社のなかでも大変な歴史好きで、いつも歴史談義で盛り上がる同僚とランチに行ったときのことです。話しをしているなかで、私が最近ナチス・ヒトラーが政権獲得した本(「ドイツ人はなぜヒトラーを選んだのか-民主主義が死ぬ日」)を読んだ話しをしたところ、この同僚は、 「やはり何ごとも追いつめ過ぎてはいけないのですよね。ドイツも第一次大戦後に追いつめられ過ぎたことがナチス・ヒトラーにつながったのですよ。ロシアのプーチンも同じです。」と話していたのです。 私はそれを聞いて、「もっと

著作『リーダーは日本史に学べ』と司馬遼太郎先生、松平容保、徳川慶喜

昨日、京都に日帰りで行ってきました。一番の目的は、中学生の頃から大きな影響を受けてきた司馬遼太郎先生のお墓にお参りすることでした。 6月に『リーダーは日本史に学べ』を出版させて頂きますが、司馬遼太郎先生との出会いがなければ、現在に至るまで歴史に親しんでいませんでした。そのお礼と感謝の気持ちを伝えたかったからです。 京都駅からバスで移動し、清水寺の近くにある大谷本廟の先生のお墓にお伺いしました。先生のお墓を訪れる方も多いのか、受付にお聞きしたら丁寧に教えて頂けました。 先生