倉本圭造

原生林のような豊かで生命力に満ちた経済の実現を目指す、経営コンサルタント・経済思想家。…

倉本圭造

原生林のような豊かで生命力に満ちた経済の実現を目指す、経営コンサルタント・経済思想家。著書に『日本人のための議論と対話の教科書』『みんなで豊かになる社会はどうすれば実現するのか?』『日本がアメリカに勝つ方法』『21世紀の薩長同盟を結べ』。

最近の記事

「復活する円安傾向」に関する月末グダグダ雑談

「日銀がマイナス金利解除したら円高になるんじゃなかったの?」って話ですが、むしろ円安方向にかなり振れはじめています。 この記事のトップ画像にしているチャートのように、年始の142円台から今や”150円の壁”を超えて151円台にまでなっています。 …って感じになってる人もいますが、まあそういう感じでなくても多少は心配になっている人も多いと思います。 ちょっと今回はこの問題について考えてみたいなと。 ・ この現象に関する単純によくある説明は… …というのが最大のものと

    • SNSで紛糾する川口市のクルド人問題を、日本における「外国人との共生」のモデルケースにするために

      私が先月末に書いた川口市のクルド人問題に関する記事が、要約版のxポストが290万ビューを超えるほどバズっていたので、川口市議とその支援者の皆さんの集まりみたいなのにお呼ばれしてお話を聞いてきたんですが…(トップ写真はその時のもの) 実際にお話した川口市民の皆さんの声として、 …といった話があったのが非常に印象的でした。 こういう「自分たちの話を聞いてもらえていない」という感覚を放置しておくのはそれ自体大変まずいことだろう、という感じがしますよね。 なぜなら、その「気持

      • 日本人こそ見るべき映画『オッペンハイマー』に見る「21世紀の名作の条件」

        海外では既に配信やブルーレイディスクが販売されてる今になってついに日本公開された映画『オッペンハイマー』を見てきました。 すごい作品だった!というかめっちゃ考えさせられる映画で。名作と言っていいと思います。 ちょっと「アメリカ人にしかわからないだろう部分」も結構あった映画ではありましたけどね。多分日本人が「関ヶ原の戦い」とか「幕末歴史劇」を見ていて、「今作は石田三成を誰が演じるのかな?」とか「なるほど今作では一部の幕臣側の影の働きかけの影響に光を当てる展開なんですね」とか

        • 「日経平均バブル後最高値更新」に関する月末グダグダ雑談

          ついに、という感じで、日経平均がバブル時につけた高値を超えましたね。 まあその事自体は良い事だと思います。喜ぼう。 ただ、まあ日本経済全体が、今かなり難しい時期で、インフレで実質賃金の目減りに直面しているような立場の人からすると、シラけた気分になる事もわかる。 「株高で潤うのはほんの一部の富裕層に過ぎない」というような方向で文句を言ってる人に対して、「リスク取ってないヤツがその恩恵を得られないなんて当然だろ?」みたいな事を言う人が結構いるんですが、なんか、まあそれはそれ

        「復活する円安傾向」に関する月末グダグダ雑談

        • SNSで紛糾する川口市のクルド人問題を、日本における「外国人との共生」のモデルケースにするために

        • 日本人こそ見るべき映画『オッペンハイマー』に見る「21世紀の名作の条件」

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        • 幻の原稿を供養します「”ピシャリスキル”でウザいを解決!」
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        • 倉本圭造の5年ぶり新刊先行公開note
          7本
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        記事

          (右翼さん以外のための)『川口市のクルド人問題』まとめ

          (お知らせ) この記事が要約版xポスト(Twitter)で290万ビューになるほど読まれて、川口市議と市民の皆さんの集まりに参加してお話を聞いてきました。その続編は以下リンクからどうぞ ・ 埼玉県蕨市と川口市周辺に集住しているクルド人と現地住民との間の軋轢はSNSでも度々話題になっていますが、先日蕨駅前の外国人排斥デモに対してクルド人群衆の一人が「日本人●ね!」と叫んだという動画(ただし諸説あり)が出回っていて、さらに相互憎悪が募る結果になっています。 「アベマプライム

          (右翼さん以外のための)『川口市のクルド人問題』まとめ

          「セクシー田中さん」問題について、ジョジョアニメの成功例から考える”わからせ”の方法論

          「セクシー田中さん」の原作者である芦原妃名子さんは私とほぼ同世代で同郷(少なくとも同じ県出身)であり、その世代の関西人が東京のメディアの中で地歩を築いていこうとしている試みの中で起きた不慮の事態として、この事件は他人ごとじゃない感じがして心が痛いです。 今回は、こういう不幸な事件が起きないようにしながら、それでも漫画原作のコンテンツが広く作られ続け、「こんな良い作品があったのか!」という良い出会いが今後も生まれ続けるにはどうしたらいいのか?について考える記事を書きます。

          「セクシー田中さん」問題について、ジョジョアニメの成功例から考える”わからせ”の方法論

          「最低な再開発」とSNSで名高い大阪梅田の住友タワマンの事例から、「日本で今後あるべき再開発」について考える

          以下記事に書いたように、 東京の明治神宮外苑再開発問題について書いた記事がめちゃバズってTBSの討論番組にも呼ばれたりしたので、日本各地の「再開発」について「アレはどう思う?」ってX(ツイッター)って知らない人に聞かれることが増えたんですよね。 なかでも、「大阪市立大阪北小学校跡地」に住友不動産が建てたタワーマンションは「最悪of最悪」の再開発だろう、という話がSNSで盛り上がっていて、興味を持ったので正月の帰省に合わせて現地を見に行ってきました。 今回記事は、この「梅

          「最低な再開発」とSNSで名高い大阪梅田の住友タワマンの事例から、「日本で今後あるべき再開発」について考える

          イーロン・マスクも熱狂した日本製ゲーム『エルデンリング』における彼の「ビルド」から、日米の思考法の違いについて考える

          2022年に発売され、全世界で2000万本以上売れた日本発の大ヒットゲーム、「エルデンリング」をご存知ですか? このゲームは、あのイーロン・マスクが大ファンで、しょっちゅうX(ツイッター)でエルデンリング元ネタのポストをしたりしてるぐらいなんですよ。 以下は「クリアした」時のツイート(Xポスト)なんですが、この人世界的企業を何社も経営しながら、クリアに60時間〜90時間とかかかるゲームをやりこんだりしてるのマジで存在が規格外すぎますね。 このnoteで何回か紹介している

          イーロン・マスクも熱狂した日本製ゲーム『エルデンリング』における彼の「ビルド」から、日米の思考法の違いについて考える

          『セクシー田中さん』原作者の自殺について思うこと。(「ほんとうの優しさ」とは何か?について)

          トップ画像は日テレ公式サイトより ちょっとあまりにもショックな事件だったので、予定を変更してこの話を書いてしまわないと他の仕事に手がつかないという感じでこのテーマで書きたいのですが。 『セクシー田中さん』というのは漫画原作の昨年の日テレのドラマで、同シーズンの視聴率一位になったそうですが、その展開について原作者と脚本家の意見対立が問題化していたドラマです。 ざっくりどういうことがあったかというと、 ・・・・とここまではまあ「時々SNSを騒がせるトラブル」みたいな感じだ

          『セクシー田中さん』原作者の自殺について思うこと。(「ほんとうの優しさ」とは何か?について)

          2023年振り返りと、年末グダグダ雑談(笑)

          来年の新しい本に向けて、色々と「今の自分の立ち位置」を別の視点から捉え直そうと思って、年末休みはかなり「文系の学問」の本を沢山読んで色々と考えたりしてました。 それが結実したのがこのクソ長い記事↑なんですが、まあ読者は選ぶ感じでしょうけど、自分の立ち位置確認とこれからの展望は思う存分やれた感じがしました。 で! 年末最後の記事は、最近ネットでよく論争になっている 地獄の安倍政権vs悪夢の民主党時代 …みたいな論争は、同じ現象を別の角度から見ているにすぎなくて、みたい

          2023年振り返りと、年末グダグダ雑談(笑)

          ナチスの諸悪の根源は『悪の凡庸さ』なのか?問題を、東浩紀の思想(訂正可能性の哲学)から考える。

          年末年始に、普段時間なくてなかなか読めないタイプの本を読もうと思って、色々と人文社会学系というか、いわゆる『文系の学問』の本を何冊か読んでました。 そしたら、ある種の文系の学問世界における「今のトレンド」が色々と感じられてかなり有意義だったんで、今回はその話をします。 テーマは、時々「対立関係」として捉えられることが多い、 『文系の学問』vs『現実社会のリアリティ』 …みたいな問題について、今後どういう方向に進めば有意義なのか?という感じかな。(色々分野がある中でかな

          ナチスの諸悪の根源は『悪の凡庸さ』なのか?問題を、東浩紀の思想(訂正可能性の哲学)から考える。

          (Abema出演まとめ)「日本はもう終わり」と叫び気持ちよくなる人たちをどう考えるべきか?

          12月14日に、ネットテレビ局ABEMAの討論番組「ABEMA Prime」に出演してきました(Zoomですが)。 YouTube動画は以下にありますが、これは生放送から半分ぐらいにカットされていて意味がわかりづらいところがあるので、良かったらこちらのリンクからフルバージョンをアベマのサイトかアプリで見ていただけると嬉しいです。 司会の平石直之さんの的確な仕切りと、あと実際出演してみるとEXIT兼近さんの「聞き上手」的な雰囲気の出し方が凄い良い効果を持っていて(人気あるの

          (Abema出演まとめ)「日本はもう終わり」と叫び気持ちよくなる人たちをどう考えるべきか?

          円安の一番ヤバい時期は過ぎたかも?と思う理由

          ここ一年ぐらいの円安展開に関して、結構どこかで「ヤバい」状況になるかも?と心配していたところがあったんですが、「一番ヤバい」時期は過ぎつつあるんじゃないか・・・という状況になってきたように思います。 今回記事では、過去記事を紹介しつつ、「円安を巡るあれこれ」を考察しながら、これが今後の日本社会の色んな政治状況とか、経済の問題とか、そういうところにどういう影響を与えていきそうか?について考える記事を書きます。 まず、ここ一年半ぐらいの円安展開は、「第一弾」と「第二弾」があっ

          円安の一番ヤバい時期は過ぎたかも?と思う理由

          旅行満足度ランキングで沖縄を抜いて1位の和歌山県を訪問しつつ『多様性』について考える。

          みなさん、2021年の「旅行満足度ランキング(リクルート社のじゃらん宿泊旅行調査)」で一位の県はどこだと思いますか? 沖縄?北海道?いえいえ、和歌山県なんですよ! それで、今回、ただ旅行行くだけでなく、昔からのクライアントが紀伊半島の先端の僻地で会社をやってるので、彼に案内してもらいながら色々と魅力を満喫してきた件についての記事を書こうかなと思っていたんですけど…なんと! 今現時点で最新版の「2022年ランキング」を見ると、一位は大分県になっていて、和歌山は10位圏外ま

          旅行満足度ランキングで沖縄を抜いて1位の和歌山県を訪問しつつ『多様性』について考える。

          『フェミニズムvs日本社会の最終戦争』のその先へ

          Photo by Javier Miranda on Unsplash 先月末に、今年のノーベル経済学賞になったクラウディア・ゴールディン氏の「男女の賃金格差の研究」を日本に当てはめるにはどうしたらいいか?という記事を書いたんですが、その後その記事に関連して、2021年1月に日本のネット論壇的なもので、「反”フェミニズム”論客」と「シカゴ大学社会学教授」との熱いバトルがX(当時はツイッター)で行われていたという話を聞きました↓。 これ、論戦相手の名前は「女子大生起業家」

          『フェミニズムvs日本社会の最終戦争』のその先へ

          「日本における女性のキャリア」は、「ある決断」をすると断然ラクになるという話。(ノーベル経済学賞研究に学ぶキャリア論)

          これは、前後編の後編なんですが、前編では、男女の賃金格差を分析した研究で今年のノーベル経済学賞になったクラウディア・ゴールディン氏の著作の内容の紹介をしました。 前編はこちらから↓ 後編の今回は、ゴールディン氏の知見を「日本社会に活かす」ためにはどうすればいいか?について考える記事を書きます。 前編で紹介したように、私は経営コンサル業のかたわら、色んな個人と文通しながら色んな個人の人生を考える仕事もしているんですね。(ご興味があればこちらから) そのクライアントにはそ

          「日本における女性のキャリア」は、「ある決断」をすると断然ラクになるという話。(ノーベル経済学賞研究に学ぶキャリア論)