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台南を拠点に「医療伝道」を行ったジェームズ・マックスウェル/馬雅各:一戸信哉の「のへメモ」20230705

2月の台湾での集中講義で、学生たちと高雄を訪ねたときの話、そろそろ「こぼれ話」のような内容も書いていきたいと思います。

日本時代の痕跡を多く見つけていく中で、旗後砲台という場所に立ち寄りました。ここは訪問先の戦争と和平記念公園主題館(日本兵・軍属として戦った台湾の人々の労苦を展示する記念館)の近くにあり「インスタ映え」スポットになっているというのを、学生たちが見つけたので立ち寄りました。

「砲台」といっていますが、海岸がよく見える「見張り台」のような場所で、日本を含む統治者たちが、海岸線を監視し、敵に砲撃を加えていた場所のようでした。「インスタ映え」の場所はだいぶ探し回りましたが、高台の下の小さなトンネルの中が、きれいにライトアップされていました。

このトンネルを抜けた先、海に突き出た僅かな空間にジェームズ・マックスウェル / James Laidlaw Maxwellの記念碑をみつけました。

中国語名は馬雅各。エジンバラ大学医学部出身で、台南を拠点に医療伝道を行った人だそうです。

エジンバラ大学出身で医療伝道を行った人といえば、敬和学園大学の体育館の名前の由来となっている、セオボールド・パーム。一度学生たちが、山田前学長にインタビューして作品にしています。新潟でパーム病院を開設し、医療活動をしながら宣教を行った人です。

マックスウェルは、1865年5月28日、清朝統治下の高雄に上陸、その後各地を調査した結果、当時人口の多かった台南に移動して、台南を拠点に宣教を行っています。台南には、マックスウェルが建てたという教会「太平境馬雅各紀念教会」が残っています。

先週学生と調べていて混同してしたのが、そのあとに淡水を拠点に活躍するスコットランド系カナダ人の宣教師のマッケイ/馬偕。マッケイのほうがさらに台湾では有名で、病院の名前などにもなっているようです。こちらについてはまた稿を改めて書きます。

マックスウェルとマッケイは、2人共、台湾長老派教会の創始者と言われているようです。長老派教会は、台湾でかなりの勢力のある教派で、敬和学園大学とも協定を結んでいる、台南の長栄大学も、長老派の教会が母体になっています。長栄大学の母体となる、台湾で最初の西洋式中学校「長老教会中学」は、1885年に台南で開校しています。長栄大学の沿革に関する説明を読むと、マックスウェルとの関わりが強く感じられる記述となっています。

長栄大学の留学プログラムには、敬和の学生たちも参加していて、2021年9月には、オンライン留学に参加した浦富亜優さんに、「敬和キャンパスレポ」でもインタビューを行っています。


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