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MCエッセイVol.121「恩師」(妻島優斗)

3月22日に放送された「卒業生の入倉美桜さんインタビュー」を聴いていただけたでしょうか。

この回では、入倉さんの在学当時のダンスサークルの様子や敬和祭でのゲスト出演にまつわる裏話など、ダンスに関する話題をお届けしました。さて、今回のエッセイはそんな「ダンス」に関するお話です。

「失敗を恐れずに挑戦しよう」
これは昨年11月10日のチャペルアッセンブリアワーという授業で行われたフィリップ・ウィン先生(愛称:フィル)のプレゼンテーションの最後におっしゃっていた言葉です。私は​​その言葉に背中を押されたような感じがしました。というのも、今では私はダンスに打ち込みながら、部長として練習のスケジュール管理や渉外など様々な仕事をしているのですが、実はフィルのプレゼンを聞くまでの私は部長を担う自信がなく、悩んでいました。部長候補に私の名が挙がった時期は敬和祭前後で、サークルの雰囲気がピリピリしていたこともあり、むしろサークルを辞めようと考えていたほどでした。4年生になれば就活もあるし、ダンスに時間を費やす余裕もない。と、逃げ出す理由はいくらでも思いつきました。しかし、そのような自分の考えを覆してくれたのが、フィルでした。私はフィルのプレゼンを聞いて、それまで自分が部長に相応しくないと適当な理由をつけて逃げていたのは、実は失敗を恐れてチャレンジすることを躊躇っていたからだということに気付かされました。もしあの日のプレゼンを聞いていなかったら、今頃私はサークルをやめていたのだろうか。それまで一緒にいた仲間との交流はなくなってしまっていたのだろうか。と考えると怖くなります。

フィルは私たちフリスタのそばにいつもいてくれました。一緒にご飯に行ったり筋トレをしたり、ダンス発表の際には音響や照明を担ってくれたりと、フィルがいることでフリスタは成り立っていました。そんな懐の深いフィルのおかげで、現在は部長として活躍できています。学生生活最後の1年、学生としても、部長としてもフィルと一緒に頑張っていこうと思っていた矢先、突然悲しい知らせが飛び込んできました。今年度からフィルが別の大学に異動することになった、というものでした。

私が入学してから3年間ずっとそばで手助けしてくれた先生がいなくなると知ったとき、私は戸惑いました。日常が変わり、当たり前が当たり前でなくなるのは中々受け入れ難いです。きっとフィルのいないトレーニングルームは、それまでの賑々しい雰囲気が一変して静かな雰囲気が漂うと思います。フィルがいなくなったことへの空疎感と不安。サークルとしても、音響や照明もこれからは自分たちで用意しなければなりません。だからこそ、今まで尽くしてくれたフィルへの感謝の気持ちを再認識し、これからは自分たちでやっていく覚悟を決めなければなりません。そして、この言葉を胸に頑張っていこうと思います。

「失敗を恐れずに挑戦しよう」

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