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真空成形マニュアル 〜手順を忘れたあなたへ〜

真空成形の作業をするときのマニュアル


ざっくり手順を説明!

1.原型(成形される形の型を作る)
2.PET板を温めて原型に押し当てる
3.冷ます
4.原型とPET板を離す
5.余分なPET板を切り落とす

詳しい手順・注意点

・原型についての素材の説明と造形の注意点

・素材

 *熱に強く、吸引時に変形しない強度が必要!
  ・MDF(中密度繊維板)やバルサ材が向いている
    MDFは中の繊維が均一で加工しやすい
    バルサ材は軽くてもろくて精度に欠ける
  ・石膏、ケミカルウッド(人工木材)、樹脂、金属も向いている
  ・スポンジ系な素材、油系粘土、ダンボール、スタイロフォームなどは原型としては不向き

・バルサ材について

軽くて柔らかく、加工しやすい素材 → 耐久性がない 精巧さを求められない
・カッターやナイフ、ヤスリで加工する
・木工用ボンドなどで接着可


・造形

赤い点の角について表している

*角が鋭いほどPET板からの取り外しが難しい
 一方で、鋭角なものを輪切りにして、原型を取り出すのはOK!
 1枚に対して、複数の原型を配置するものOK!
 

・今回制作した原型


↑ベースとなる規定

↓今回、制作したもの (飛行機をモチーフに制作)


凸凹の造形を加えてみた!



 



*PET板が外れずらい形にしてしまった。。。 実験ということで!


PET板について

・A3サイズ、0.5mmの厚さの「PET板」を使っていく。(*授業で扱ったもの)

・なぜ、PET板なのか?


 →食品容器で使われるなど身近な素材  

  加工がしやすい
  塩化ビニール板(PVC)と異なり、燃やしても有毒ガスが発生しない

*熱が加わるとPET板は変形しやすくなる。その特性を利用するのが真空造形。

・加工方法

 ・ハサミ、カッターで加工可
 ・塗装する場合→プライマーで土台を作る

・ポイント

  ・接着が難しい素材である
  →ヤスリで接着面に傷をつける
   プラスチック用接着剤や両面テープを使用
   *組み合わせる場合は、一方に穴を開けてそこに通す形がいいかと


・真空成形(Vacuum forming)について 

・熱して柔らかくなったPET板を原型(型取る物体)に押し当てて、冷まして形を取り出す加工方法。(*他の方法もある)
 ・メリット
  ・短時間で複製が可能
  ・様々な材料を試せる
 ・デメリット
  ・場合によっては、寸法やPRT板の厚さにばらつきが出る
  ・PET板の再利用が難しく、ロスが出る

・ポイント ー 原型が綺麗であればあるほど、ツルツルの造形が出来上がる!

・注意点

 ・手動で熱する場合、白く変色しやすいので熱源とPET板を離してゆっくり加熱すべし!
 ・PET板全体をあっためてからプレスする!


・メカニズム

出典 https://note.com/shino_onodera/n/na5a2d0bef2e7

・新実習棟の機械の土台には格子上に空気を抜く穴が空いてる。

今回成形されたもの 


厚紙の薄さでも形が出ている!
中央の凸がしっかり出ている


原型との比較 後ろから
複雑かつ鋭角寄りの造形は、このサイズ感では厳しい。。。
原型との比較 上から


原型との比較 横から
断面=黄色い線

わかったこと

・厚紙の薄さでも型は取れる
・細くて小さい凸でも型どれる
・高低差があるかつ直角に近い角の型取りは難しい

・作業のアドバイス

・カッター

*刃の進行方向に指を出さない!
・一回で全てを切ろうとせず、同じところを複数回かけて切っていく
・切るものの繊維方向に刃を入れると切りやすい

・ヤスリ

数字が大きいほど細かい目(120→240→400のような順でかける)
・木の端材などに貼り付けて使うと、面を作りやすい
(・茶色いヤスリを今回は使っていく)
*曲線を切る時
 カッターなどで多角形の形にしていく→ヤスリで整える

 

・台紙と対象物の合わせ方(接着)

必ず、対象物よりも大きい台紙を用意する
 →台紙の上に対象物を置き、形取るようにカッターで切り出す!(←基本!)

 *台紙を形に合わせに行かない!

・糊付け

・対象物に紙を貼る際は、全面に糊付けする→断面で剥がれないように
*貼ったら、定規などでプレスして固定する!
・大きい紙を貼る際は、真ん中から接着して、左右に広げていく


以上である! 長くなってしまったが、安全に気をつけて作業の検討を祈る!




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