見出し画像

ツムギのスマホデビュー

いつからスマホを持たせるか。

今の時代、頭を悩ませている親御さんは多いと思います。

我が家も然り。

ウチは夫も私も、比較的厳しめな価値観で子育てをしているので、できればまだスマホは持たせたくないんだけどなぁ、と意見が一致していました。

口火を切ったのは夫の方。

「小学生の春休み中にスマホを用意した方がいいと思うんだ」

夫が決めたなら、反対する理由はないと思いました。

こういういい方を夫は嫌がりますが、私がどんなに躾に口を出したとしても、ツムギは夫の娘です。

人生の大きな決断をするときには、実親の意見を優先する。

それは、責任逃れなのかもしれませんが、私としては、実親への敬意のつもりです。


スマホは夫が購入してきました。
私が土日に泊まりでマラソン大会に出場している間に。


たった三年しか、彼女の母をやっていないのに、不思議なことに、ああ、これで娘は自分の目の届かないところに歩き出したんだなと思いました。

もしかしたら、コントロールできているといった穿った気持ちを、知らず知らずのうちに持っていたのかもしれません。

反面、もう、縛るのはやめようという気持ちになりました。

どうせルールを決めたって、守る気などないのだから。


私たちのころは、近所の公園の小さな水溜りから始まって、ちょっと大きな池、小川、一級河川、湾…と、徐々に一緒に世界を広げ、成人になると共に大海原から船出をさせるようなイメージでしたが、今のこどもは、小さな画面の先に広がる世界中に繋がる海に、一気に解き放たれてしまうのだと思いました。

そうなるともう、親が自分のこどもを守るには、信頼を勝ち取るしか術がない。

私は、今までツムギに課してきた細かいルールなどを設定する気を一気に失い、これからはもう、同じくスマホを操る同士として、お互いにとっての最適解を模索していこうと思い始めました。


夫は何やら細々と、セキュリティーに関する設定を行っているようですが、今のところ私はノータッチです。

今はただ、喜びに任せて送ってくるツムギのLINEに、私なりの意思を乗せた温度感で、ムラのある反応をしています。


奇しくもこのタイミングで、珍しく、義父から私宛にメールが届きました。

要約すると、夫と娘が実家に住んでいたころから共有している位置情報を見て、夫の通勤経路に心配事の種を見つけ、私にどうにか話し合ってくれと相談してきたのです。

私は、基本的に位置情報を共有することに賛成派ではありません。
夫はバイク通勤をしていますから、夕飯の支度をしながら帰宅を待っているときには便利だと思うことはありますが、電車で通勤している私には必要のない機能だと思っています。
後ろめたいことをする訳ではないけれど、どんなに親しい間柄であっても、最低限のプライバシーは守られるべきだと考えるからです。

実家から出るときに、位置情報の共有はやめるべきだったんじゃないの?
ツムギだって、これから中学生になるのに、おじいちゃんおばあちゃんに位置情報を見られているのはいい気はしないと思うよ?

夫は理解を示してくれました。

そのように、夫からも私からも、義父へメッセージを送りましたが、今のところ返信はなし。

息子にいきなり位置情報の共有を解除され、何を思っているのでしょうか。


親は綺麗に子離れしていかないと、お互いしんどいのだろうな、と、夫たちを見ていると思います。


そう言えば、こちらに来てからの三年間、ずっと視力が悪い人の配慮席で前の方に座っていたツムギが、いくら言っても眼科には行かないと言っていたのに、自分から「メガネかけようかな?」と言ってきました。

ずっと北風を吹かせてきた私ですが、そろそろ太陽母さんになっても大丈夫じゃないかな?と思います。

春の暖かな陽射しとともに。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?