エスパルスがやってくる

サポーター駆け出しだったあの日。
2017年7月12日19:00

 いわきFCパーク3階Red&Blueカフェは大勢の人々で埋め尽くされていた。
2回戦・北海道コンサドーレ札幌戦を5-2で勝利したいわきFCは、その後しばらく県内メディアを席捲することになった。今となれば、そう甘いもんじゃないよ…と理解しているけれど、当時はいわきFC最強、Jリーグすぐ行ってやるわくらいに思っていた。それでもエスパルスの壁は高く、結果は0-2の敗戦。悔しい感情が出たと同時に、自分の街にJリーグクラブと対戦するクラブが誕生したことへの喜びの気持ちが溢れた。鄭大世がいわきのこと話してるよ、、凄い。とか。
 見知らぬ人同士が「惜しかったね」と言葉を交わしながら店を後にする姿に、いわきFCというクラブがこの地域を変えていく確実な芽生えを感じていた。

 あの日から6年が経過し、J2という舞台までいわきFCは駆け上がってきた。個人的には「10年、15年かかるんじゃないか」と思っていたエスパルスとの再戦。この舞台で戦うことはエスパルスサポーターにとってはもしかすると不本意かもしれないけれど、僕にとっては夢にまでみていた場所。
 エスパルスもジュビロもベガルタもジェフもヴェルディもモンテディオも、90年代にJリーグ入りしたクラブとの対戦は心が踊る。テレビで観ていたあのクラブが、いわきの地でサッカーをしてくれる。身近にJリーグがある地域の人たちにとっては理解が難しいかもしれないけれど、凄いことなんだよね。そして対戦相手であろうと、地域の人たちの「あのクラブが来て試合してくれるんだ」という期待感は、本当に凄い。70代~80代くらいの人に「あの清水が来るんでしょ」「あのジュビロが来るんでしょ」「あの…」と何度言われたことか。もちろん、他のクラブがどうこうではなく、やはり20年、30年と培ってきた歴史は凄いという印象だった。

 さあ、公式戦0-2、1-9という対戦相手にいわきはどう立ち向かうのか。エスパルスサポーターの人たちはどれだけ来てくれるのか。この地域をどう見るのか。どんな風に見えるのか。対戦の日が楽しみでならない。そんな気持ちを持ちつつ、対戦相手向けガイドを少しずつ書いていきます。

 

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