生成AIの効果について考える〜技術書典15からの感想 #技術書典15
今回の記事は現在オンラインで開催中の技術書典15のオフラインイベント(11月12日)で感じた勝手な妄想を語ってみます。テーマとしては「生成AI」。販売した2冊の同人本で使用した画像生成AIの効能について考えてみました。
技術書典15に出品した本
まずは自分が参加するコミュニティ「RPACommunity」が技術書典15に出展した本を紹介してみます。ちなみにRPACommyunityの参加は技術書典14からでブースを確保したサークル参加としては今回が初めてです。
現場で使える!自動化入門vol.2
こちらは前回作って商業化した「現場で使える!自動化入門」の第二弾という位置づけの本でコミュニティとしてはメインの本です。
コミュニティの有志数人で執筆し、今回かーでぃさんがとりまとめた一冊で、いろいろなツールにおける自動化の記事が書かれています。(一部違う内容の記事・・・それはワタクシ・・・がありますが)価格は1000円です。
ライトニングトークがうまくなる本
こちらは急遽、コミュニティのマネージャー(?)Mitzさんと、かーでぃさんが書ききったライトニングトークをメインに書いた本です。
こちらはボリュームも少なく価格は500円です。
おかげさまで2冊とも休むヒマがないくらい、見本本を手に取ってもらい、買っていただきました。大変ありがとうございます。
本の表紙は生成AI
本の制作にはあんまり関わっていませんでしたが(スミマセンスミマセン)、今回の本の表紙には生成AIで作成されたイラストが使用されています。「ライトニングトークがうまくなる本」はいかにもアニメ風な作風、「現場で使える自動化入門Vol2」は新海誠さんのアニメを思い起こさせるようなタッチのイラストになっています。
画像生成AIはそれなりに使っていますが、ここまできちんと作り上げるにはけっこうちゃんと作り上げられたものになっています。
昨年11月にChatGPTがリリースされ、今年の春に一般の世界でも話題になった生成AIですが、たった1年足らずでものすごい進化を遂げ、作られるイラストの仕上がりもかなりハイレベルになっています。
やっぱり見た目は大事
どんなタッチであるのがいいかは全く別な話として、やっぱり「見た目」は大事だと思います。技術書典では基本的に手に取ってもらう、内容を知ってもらうのは、会場に来て初めて触れてもらう・知ってもらうことになるので「目に留まる」ことはとても大切だと思います。
今回サークルのスタッフとしてブースの中から通りすぎる来場者さんを観察させていただきましたが、今回の表紙は目についたのか、いったん通り過ぎてから本を見て(というか凝視して)、足を止めて見本本を手にとるというパターンがかなりたくさんありました。
やはり表紙の効果なのか・・・・・
技術書典のメイン顧客は「ギークなエンジニア」が中心だと思うので基本的に「業務改善」が刺さらない人が多いと(勝手に)思います。もしかしたら「ライトニングトーク」というワードが響いたのか、それとも生成AIで描いた表紙がアニメ好き(これも偏見)なエンジニアたちの目に留まったのか・・・・とにかく通り過ぎてから表紙を覗く人や人混みの向こうから表紙を覗き込む人はものすごく多かったです。(ここは事実)
生成AIの登場
画像生成AIの登場前はイラストは人間に描いて貰う必要があります。本の表紙レベルのイラストでも最低でも数日はかかるでしょう。仕上げまで入れたら軽く1周間以上かかるかと思います。
これだけ制作に時間がかかると、それ以上にイラストを思ったとおりに書いてもらうために内容(仕様)を決める作業は非常に重要になります。認識の齟齬がないように、しっかりと必要な条件、具体的なイメージ、やってはいけない事などなど描く以上に時間をかける必要があります。せっかく時間と労力をかけてもらっておきながら「気に入らないからボツ」みたいな真似はプロならば別ですがコミュニティやサークルではなかなかできません。
コミュニティの中のメンバーがコミュニティ(サークル)活動として執筆と同じように描くのであれば、それはそれで全然問題ない(というよりもとっても好ましい事)のですが、コミュニティ外の人に無理やり頼んだりする場合は気を使うというよりもなかなか手が出ないでしょう。
ましてやお金を出して頼むのなら資金だけでなく時間も気も使うことになってしまいます。現実的にはそんな暇もなさそうですし・・・・
そんな中に登場してきたのが「画像生成AI」です。
この登場で大きく世界は変わった気がします。なんせ下書きレベルの画像であればすぐに出来上がるし、相手は機械(AI)なのでなんの遠慮もいらないわけです。
生成AIによるプロセスと意識の変化
生成AIの登場によって、こういった領域(もしかしたら執筆も)は大きく変化しています。
そもそもお金も時間もなくてプロには頼めなかった人が、それなりのクオリティを持った他人に頼めるようになるということが大きな変化です。
それ以上に「ボツ」というか失敗に対しての怖れが少なくなることが大きいと感じます。たとえ大切なことを言い忘れていても作り直せばいいのです。相手も気を悪くしないし、なんせちょっとプロンプトを修正すればいいので、時間はそこまでかかりません。従来であれば書き直しは1周間くらいかかるので「失敗は許さない」慎重な文化になりがちです。画像生成AIの登場によってイラストレーションをとりまく文化がフィードバックで改善していく、よりアジャイルなものに変化する可能性がでてきた気がします。
もしかしたら未来のイラストレーターはフィードバックを得ながら継続的に絵を改善していくスタイルの人が増えるのかもしれません。
終わりに
というわけで妄想みたいなことをつらつらと書き綴りましたが、技術書典15はまだ終わっていません。上記の2冊は電子版であればまだまだ入手可能です。
魅力的な本は11月26日のオンライン最終日まで、まだまだありますので、よろしくお願いいたします。
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