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銀行が抱える不良債権リスク再び 金融庁検査で明らかになる実態は?

先日、銀行にとって衝撃的なニュース記事がアップされました。

私は、このニュースは新たな金融危機の火種となりうるかもしれないと感じました。

なぜなら、ニュース記事のような粉飾決算先を多くの銀行が抱えているかもしれないからです。

金融庁が全国の銀行を対象にした検査が再び始まりました。金融庁の検査の結果次第では、日本の金融システムに再び警鐘が鳴る可能性があります

日本銀行の長期にわたるマイナス金利政策と、新型コロナ禍における特例融資によって「ゾンビ企業」と言われる企業が存在しています。

長い間、銀行が甘やかしてきた「ゾンビ企業」や「粉飾決算企業」によって、近い将来に私たちの生活が脅かされるかもしれません

今回は、日本の銀行が直面している深刻な問題点とその対策を徹底解説します。

金融機関の自主性と監督

金融庁が2019年に「金融検査マニュアル」を廃止したことは、日本の金融業界に大きな変化をもたらしました。

これは、金融機関に大きな自主性を与え、リスクを取った融資活動を奨励するためでした。

しかし、この自由度が増した結果が必ずしもポジティブな影響を与えたわけではないのかもしれません。

ニュース記事の堀正工業の倒産劇は、金融検査マニュアルの廃止がもたらす潜在的な問題点を浮き彫りにしたといえます。

自主性の増加とリスク管理の課題

金融機関が独自の判断でリスクを取れるようになった背景には、金融機関の専門性と市場への迅速な対応を促す意図がありました。

また、金融庁としては、金融機関の自主性を育成する狙いもあったと思います。

しかし、堀正工業のケースでは、メインバンクの三菱UFJ銀行が提出された決算書の不正を見逃すという重大なミスを犯していました。

厳しい言い方をすれば、三菱UFJ銀行は企業実態を判断する「目利き力」に乏しく、事業に対する専門性は無かったといえます。

50前後にものぼる取引金融機関は「メガバンクである三菱UFJ銀行が付いているのだから」という、他行依存によって堀正工業の支援を続けていたようです。

つまり、各金融機関が自主的に対象会社を判断してたわけではありません。どの金融機関にも独自性や自主性はなかったのだろうと推測します。

結果的に、多くの金融機関が、実態は不安定な企業に対して「よく分からないけど、あの銀行が支援しているのだから安全な企業だろう」というポジティブな推測のもとで融資を継続していたと考えます。

正直、私が銀行に在籍中も、本件のケースと規模の違いはありますが、同じように「よその銀行も支援し続けているから大丈夫だろう」という他行依存を続けた結果、大きな損失を生んでしまった経験があります。

それは10年以上前の話ですが、「銀行の考え方は何も変わってないな」というのが私の印象です。

日本の銀行に専門性や自主性など求めても無駄な気がします

監督不足とその影響

「金融検査マニュアル」の廃止は、銀行への監督の手綱を緩めることにつながりました。

結果として、金融機関が内部でのチェック体制を疎かにする可能性が高まってしまいました。

堀正工業の倒産では、不正が長期間にわたって発覚しなかった主因として、この監督体制の脆弱性が挙げられています。

特に三菱UFJ銀行以外の金融機関は、メインバンクの判断を過信し、独自のリスク評価を怠るケースが散見されていたようです。

言い方は不適切かもしれませんが、堀正工業の企業実態を見るのではなく「三菱ブランド」の方を見ていたのかもしれません。

緩んだ融資規律の背景

日本銀行による長期にわたるマイナス金利政策は、銀行に対して潤沢な資金を安価に提供し続けました。

その結果、銀行はリスクの高い融資に手を出しやすくなり、融資の質が緩む傾向にありました。

加えて、新型コロナウイルスのパンデミックに対応するために導入された実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)は、企業に過剰な負債を抱えさせる事態を招いています。

いわゆる「ゾンビ企業」を、銀行は自ら大量に生み出しているのです。

これら「ゾンビ企業」が経済正常化の過程で資金繰りに苦しむようになれば、それが銀行の不良債権として表面化するリスクは無視できません。

不良債権の顕在化と金融危機のリスク

金融庁による検査は、金融機関が抱える問題を明るみに出すためのものです。

検査の結果、多くの銀行が実際に高いリスクを抱えた不良債権を保有していることが確認されれば、再び日本経済における金融危機のリスクが高まる可能性があります。

これは銀行だけでなく、経済全体に深刻な影響を及ぼすことになるでしょう。

結論:高リスクな状態の警鐘

以上の点から、日本の銀行が抱える不良債権の問題は、ただちに注目されるべき重要な課題だと考えます。

金融庁検査の再開によって問題が詳細に調査され、必要な対策が講じられるのは避けられないかもしれません。

各銀行は、より厳格な融資審査とリスク管理を徹底し、この危機を乗り越える必要があります。

ただ、私が5年前に在職していた当時の銀行と、現在の銀行は何も変わっていないと改めて思いました。

日本の銀行は、本当に日本をダメにしていく存在かもしれません。

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