見出し画像

ホットスナックに甘える疲れた日

こんにちは、今日もご覧いただきありがとうございます。
なんとか暖かい日常が戻ってきて、前向きに過ごせそうだと感じる初春に胸が高鳴ります。


今日の食日記

冬の寒さに凍えると、小学生時代、毎日頬を赤らめながら通ったバスケのクラブチームを思い出す。
今は亡きクラブチームなのだが、青春の全て(というより親のような、人格形成の一部だと思っている)が詰まっている場所。

最寄駅にはファミリーマートがあった。今もある。何も変わらずに。
もう12年も前のことかと思い出し、人格形成期のありのままの自分になんだか感謝してしまう。昨日のことのように思い出せるのは、その日々が相当色濃かったことを伝えている。

毎日毎日最寄駅につく度に、ファミマのトイレに隠れてやりたいとどれだけ思っていたことか(練習が辛くて辛くて)。
「トゥルルルルル(↑)トゥルルルルル(↓)」がなり続けるファミマ(伝わる?)に入れば、2度と出てやるか!と何度も誓い現実に戻り一生懸命通ったことか。

ファミマには、今は亡きフライドポテトなるものが昔はホットスナックに鎮座していた。
お味もサラダ味といううまい棒で何とか分かるあの病みつきの味わい。コンソメポテトにも勝るあの味わい。

ホットスナックの今食べられる、今癒してくれる速効性は、天下一品。とにかく感謝してしまうのだ。

どんよりした日も、疲れ切った日も、何でもない日も、ホットスナックはいつだってご褒美で、空を見上げれば青空だって星空だって見えてしまう。

ホットスナックに癒される時間は、いつからか特別な瞬間なんだと自覚した。


今日のお店

夜行バスで東京に着き、朝も早くから電車に揺られ那須塩原黒磯駅に来た。

いつにも増して太陽が光り、青空が果てしなく見えたのは、そんな自由な僕を写しているようだった。

黒磯ブロイラーでホットスナックが食べたい。
コンビニがすぐにはないこの街にも、ホットスナックはすぐそこにある。疲れているこの時に。

現実と過去の異空間が混ざったような混沌とした街に見えてしまった。黒磯ブロイラーの味と言ったら誰しもが驚くものがある。
吹く風一つにしても、なにか古めかしい香りがする。
レトロであり、昔の苦労がそこにはあるのが分かる。
それでいてお洒落という言葉は失礼かもしれないが、異世界感のギャップが今復活してきているのだ。

おどおどしていたことだろう。
本当にやっているのか?というのも、失礼ながら入るまではずっと念頭に疑っていた(もう、倉庫なんだから。世に言うリノベーションとは、少し次元が違うようにも思えた)。


まるで倉庫な(というか倉庫)ブロイラー

だからか。入った途端の、正義の茶色いラインナップは、安堵を呼び覚ました(とにかく美味しそうで嬉しそうで)。

ブロイラーなだけあって、チキンにチキンにチキン。
疲れた体にホットスナックが沁みるのはもう何年も証明済みで、今すぐ熱々を食べ尽くしてやりたいと欲を露わにする。

それにしてもお手製で100円前後、街のホットスナック売店は、あまりにも衝撃的な出会だ。

熱々を頬張るあの時のご褒美を思い出すだけで、涎が溢れそうになる。嬉しいんだよなぁこの瞬間が。。

あの当時は我慢ができなかった。
買ってすぐに食べずに、何がしたいの?と。歩きながらでも速攻で攻めの姿勢だった。

大人になると、いやらしい。
座る場所までは我慢ができてしまうのだから(ホクホクの良さよ、、、悲)。


フラミンゴ手羽先。艶が美しい

パッツパツの手羽先は美人で、品があってまるでフラミンゴのよう(例えがリアルで萎える)。
程よく味がつき、そのままバリバリむしゃむしゃしゃぶるのが美味いのだ。

ホットスナック、隠れ新人、チキンカツ(ラブユー)。
チキンカツをお店専門店で頂くのは案外初めてかもしれない。
それはきちんと衣がついて、ガッツガツの岩。痛いくらい衣がてんこ盛りなのに、油は適度で上品で。

した味はしっかりめだから、そのままがっつける真心のスナックという感じ。

とにかくほっとした(ホットスナックだけに)。この幸せだけでも自分にとっては最大のご褒美なのだろう。

ふとあの時の不安な青空をまた見た気がした。
こうやって癒してくれる時間は必要で、不安も孤独も丸めてどこかにやってしまいたい。

その一瞬のためにホットスナックはすぐそこにある。

美味しいひと時に、ごちそうさまでした。
では、また次回。




今日のお店:黒磯ブロイラー(栃木県那須塩原市)



*Instagramでは暮らしにある食をすきなだけ発信しています*
暮らしのヒントになれば、と。
リンク→ https://www.instagram.com/kei_fooddiary/



この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?