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ライターを目指す最大の目的が「稼ぎたい」でいいのか


 
「ライターになってパソコン一台で稼ごう」
こんな趣旨の広告をよく見ます。
 
しかし!
 
コピーライター歴11年の私の見解は、「稼ぐことが最大の目的なら、ライターを目指すのはやめたほうがいい」。
 
なぜなら、非常に面倒で煩雑な作業を「楽しい」と感じ、1円にもならない研鑽を嬉々として行える神経がないと務まらないから。
 
つまり、根本に「書くのが好き」がないと、続かない仕事だからです。


「重箱の隅のつっつき」と「ちゃぶ台のひっくり返し」の無限ループ


「このキャッチコピーは最後に『。』をつけたほうが締まるかな」
「『言う』より『言える』のほうがいいかも」
「待てよ、この切り口、そもそも微妙じゃね?」
 
等々、文章を考えているときの私の頭の中は、「重箱の隅のつっつき」と「ちゃぶ台のひっくり返し」で大混乱。
 
そりゃそうです。
ワードで数枚程度、ときには1枚の文章で万単位のお金をいただくのだから、テキトーにペペっと文字を打ち込んでポイっと提出していいはずがありません。
 
伝えたいことが読者に伝わりなおかつクライアントも満足する文章を、最適な長さや構成で書くのは大変です。
非常に面倒です。
 
でも私はその「面倒」が楽しくて仕方がないのでこの仕事を続けています。
色々な切り口や表現を考えたり事例を参考にしたりして「あーでもない、こーでもない」と悩むのが好き。
もはや変態の領域に入っている自覚があります。
 
産みの苦しみはありますが、それ以上に「申し込みが増えた」「人が採用できた」「仕事への想いが感動するほど表現されていた」などの喜びの声をいただだくのが、何より嬉しいです。
 
本当に細かい作業の積み重ねが必要なうえ、初心者の原稿料は安い。
「すぐに稼ぎたい」と思う人には全力でお勧めできない仕事です。

 

1円にもならない時間外労働がたまらなく好き


 
文章を書くために、特別なソフトや機材は必要ありません。
品質を問わなければ誰でも書けます。
 
だからこそ、普通に書けるだけではライターに発注する価値がない。
「普通」から抜き出るためには、常に勉強が必要です。
 
ライターは、言葉や文章に対してアンテナを張って日々生活しています。
たとえば私は、電車で移動するときは駅のポスターや中吊り広告をしげしげと眺め、「なぜ私はこのコピーに惹かれのだろう」「このわかりにくい文章を直すとしたらどうすればいいだろう」などと考え込んでいます。
もはや不審者レベル。
 
このnoteも書いたところで1円にもなりませんが、書くのが楽しくて続けています。
これまで8年くらいnote以外にもブログを複数運営してきたので、書いてきた記事は余裕で4桁。でも根本的に「書くのが好き」なので、苦痛に思ったことはありません。
 
いわば、24時間ライターでいるのが当たり前の状態です。
 
ライターになりたいと考えているのなら、養成講座に申し込む前にブログを開設し、本当に自分は書くのが好きなのかを見極めるのもひとつの方法です。
 

ライターは技術職。簡単には稼げない


 
ライターでそこそこ稼げるようになるには、何年にもわたる積み重ねが要ります。
お金を得るのが最大の目的なら、時給1000円のバイトのほうがよっぽど確実です。
 
ライターで収入アップを目指すのであれば、最初は安い原稿料で実績をつくり、わらしべ長者方式でどんどんステップアップしていく覚悟が必要です。

中には初期から高額案件を受注できるライターもいるでしょうが、私の周囲のライターに限れば泥臭い活動を続けてきた人ばかりです。
 
私も最初はクラウドソーシングで1000文字300円の案件からスタートして実績を作り、次に「未経験者不可」の1記事1200円の記事を60ほど書きました。2000円の記事を書くのに徹夜したこともあります。

【300円で書いた記事】

 
その実績を引っ提げて派遣社員として業界に潜り込み3ヶ月後に正社員になり、しごきにしごかれた後、子育てとの両立のためフリーランスに転身。

仕事の獲り方がわからなかったので、最初は4000円くらいの子育てコラムや、5人くらい取材して何千字も書いて14000円という、まったく割の合わない新卒採用ナビサイトの案件を多数こなして実績をホームページに公開。SEO対策も兼ねてブログも更新し、少しずつご依頼をいただけるようになりました。
 
こうやって振り返ると、コールセンターの経験を活かして再就職したほうがよっぽど稼げていたと思います。
 
それでも、書くことを生涯の仕事にしていきたいので、これまで稼げなかった分は将来絶対に取り戻せると謎の自信があります。
 

 
色々と書き連ねましたが、ライターは本当に楽しくやりがいのある仕事です。


刺激し合える仲間が増えたら、とっても嬉しい。

でも逆に、「コピペの記事を入稿された」「ライターと連絡がとれなくなった」なんて声を聞くと、とっても悲しい。
 
なんだか、大切なものをけがされたような。

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