西村慶子

ICF MCC …

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  • 実践コーチング論考

    コーチングのプロフェッショナル向けの内容です。 実際のセッションの場面で、コーチ自身に何が起こっているのか。クライアントのために何が起こる必要があるのか。そのために、コーチができることは何か。 Coaching Practices Discussion                   This course is designed for coaching professionals. What happens to the coach in a real session? What needs to happen for the client? What can the coach do?

  • 「きく」ことを選んだ人たちへ

    私はある時気づきました。 この世の中で、他者の話を、こころをひらいてとらわれなく「きく」ということが、一番難しいことなのだと。 そして一番怖いことなのだということを。 こころをひらいてきくということは、頑張ってやろうと頭の中だけで思うような根性論ではありません。それは実践でしかありえません。 いかに相手の話をこころをひらいてとらわれなくきいているかは、相手の話をどう受け止め、どう言葉を返すかを見ていると一目瞭然です。 そこに全てが現れるからです。 どんな人もこれから逃れることはできません。 そんなに難しい「きく」ということを仕事に選んだ人たちへ、 なぜそれをすることを選んだのですか? そんな果敢な仲間たちへ、 ここに、ここまで私が学び、実践し、考え、気づいたことを少しずつ書いていきたいと思います。

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心配してくれる存在と 先生という仕事 2024年6月1日

昨夜遅くに帰ってきた息子と話していたら、新鮮な風がサッと吹くような感覚を味わいました。 息子と話していたのは、単に仕事での出来事について、私の見解を聴きたいということだったので、そのことについて、少し話し込んでいたのですが、帰ってきた目的が、翌日使う車を取りにきただけだったので、私と話すのは予定外の出来事だったわけです。 話し始めが夜中の12時を過ぎていたので、話している途中に、息子が一緒に暮らしている彼女が心配して電話してきました。 息子は、その電話に出て、今少しお母さんと

    • 読書日記 オルテガ『大衆の反逆』からのフロム『自由からの逃走』

      オルテガはなかなか強烈だった。 彼のいう大衆とは、一般的な意味とは少し違う。 今の境遇に満足して自分のために享受することしかしなくなった人々。 細心の注意を払って積み上がってきた文明を当たり前の自然と勘違いして、受け取る権利だけを主張し、貢献しようとしない。一部の階級ではなく、あらゆるところに存在する者として書かれているが、読んでいて思ったのは、まるで今の日本の政治家のことではないかと思ってしまった。 彼は、スペインに向けて書いたものなので、他の社会の人が読んで果たして通

      • 読書日記『スペイン語の世界』2024.5.23

        スペイン語にあまり親しんでいないので、少しでもその歴史や成り立ちがわかるといいかなと思って読んでみた。 読んでみると、スペイン語のイメージは確かに変わった。 それまでは、どうしても大衆の言葉というイメージで、学術的な感じはしなかったのだけれど、ラテン語から派生して、アルフォンソ10世の貢献や、他国の侵入によって、フランス語やアラビア語の影響を受け手いること。そこからさらに、コロンブスによって、スペイン領が新大陸に広がり、その現地の言葉とも融合していっているところを知ると、ます

        • 洞察すること 読書記録『風土』2024.5.22

          和辻哲郎の『風土』を岸見先生に最初に勧めていただいてからどのくらいたっただろう。はじめに読んだのは7年ぐらい前かもしれない。その時は、少しだけ読んですぐに閉じてしまった。それほど、この本は私には敷居が高かったのである。 なぜにこの本を私に勧めてくれたのかがずっとわからずにいたのだが、この度、やっと読了して、その意味がわかった気がする。 何も内容や、知識のために勧められたのではないことは、わかっていたが、今回、痛感したのは、和辻哲郎という人のその洞察の鋭さである。その国ごとの、

        心配してくれる存在と 先生という仕事 2024年6月1日

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        記事

          読書日記 和辻哲郎の『風土』2024.5.17

          今日は、一日仕事が入っていない日、というより、仕事がたまたま入らなかった日といった方がいいだろう。私のような仕事をしていると、仕事の入り方は毎月違う。自然とぽっかり空いた日は、なににも増して、ほっとするようなオアシスのような一日だ。前日にいつも翌日の予定を確認して、連絡などをするので、たいてい、そのときに気づく。 そうすると、そのときから、明日はどのように過ごそうかと考え始める。大抵はオフィスで本を読みたいので、どの本を読もうかということになる。そんなウキウキした気分が、昨日

          読書日記 和辻哲郎の『風土』2024.5.17

          スペイン語日記2024.5.16

          pimsleurによる学習は続いていて、今はレッスン5。 だんだん単語も増えてきて、複雑な発音もでてきて、何度も聞き直すことも増えてきました。 あらためて、ほぼ話せない英語の方が、まだ聞き慣れているんだなあとも思う。それぐらい、スペイン語は未知の言語なんだなあ。 少しずつ、少しずつ、回路が開かれていくのも感じられるが、それでも、だんだん複雑になってくると、無理なんじゃないかという無力感と、ついて行けなくなる不安感が襲ってくる。 そのたびに、赤ちゃんが最初の「ま」などの発音を始

          スペイン語日記2024.5.16

          スペイン語日記2024.5.11

          5月7日に『最強の外国語習得法』の本がきて、そこからいろいろアプリを入れて、学習環境を整えた。 kazu氏のおすすめの中で、私がやってみようと思ったのは、LingQとPimsleur。あとは、You-Tubeのケンドラ・ランゲージ・スクール。 これで、第一段階、「耳で聞いて話す」を繰り返して、なんとなくパターンがつかめてきたら、文法に入ると良いらしいので、それまでは、この学習を繰り返そうと思う。文法に入るときのおすすめは、ニューエクスプレスシリーズだそうで、これは、岸見先生に

          スペイン語日記2024.5.11

          古川さんへの手紙 2024.5.5

          古川さん、お久しぶりです。 随分ご無沙汰してしまいました。 そちらの方はいかがですか? 今、ゴッホの手紙を読んでいます。 やはり、ゴッホの内省と自分自身への正直さから私も勇気がほしくなったので。 今読んでいるのは、1877年あたり。 ゴッホがまだ聖職者に憧れて模索している頃です。 そういえば、私が古川さんに出会ったすぐのころ、私も同じような気分になったことがありましたね。 聖職者に憧れたわけではないけれど、ゴッホのような献身的な気分に なったころです。 あれは、神谷美恵子さん

          古川さんへの手紙 2024.5.5

          弟への手紙 2024.5.4

          やあ、久しぶり。でも、手紙を書くのは初めてだな。 「あなた」と呼ぶのか、「きみ」と呼ぶのか、名前をよぶのがいいのか迷ってしまう。 そういえば、小さいころは「ぼく」と呼んでいたね。 「ぼく」と「ねえちゃん」だったね。 よく喧嘩すると、「ぼく」といっても迫力ないし、「ねえちゃん」って呼びたくないときは「おい、ねえ」と言ってたね。 いまではそれもとても懐かしいな。 ここでは、きみとよぶことにしよう。 今、どうして手紙を書きたくなったかというと、ゴッホの手紙を呼んでいたんだ。 とても

          弟への手紙 2024.5.4

          目標と展望と在り方

          先日、講座の中で受講生のみなさんと目標についてディスカッションしました。 特にコーチングでいう長期目標の難しさについて取り上げたのですが、そこで私が投げかけたのが、目標と在り方って同じだろうか?という疑問です。 その時受講生さんから、展望という言葉が出てきました。家族セラピーを研究されてる方が言っておられる言葉だそうで。 北極星のように常に方向を確認する意味で自分の中に持っておく指針のようなものかなと思います。 これは長期目標と区別する上で、とても的を得ている表現だと思いま

          目標と展望と在り方

          幼い時の行動指針が今の私をつくっていた

          私は最近、自分自身について一つ重要な気づきがありました。 まだうまく言語化できないかもしれないのですが、少し書いてみようと思います。 気づきのきっかけは『対話の哲学』の中にある一節を読んだことです。 それは、カント倫理学の定言命法に触れた文章で、ある行為が普遍的法則になった状況を考察しているところでした。 以下にその部分を抜粋します。 たとえば、いま私がひとのものを「盗もう」としているとしてみよう。そして、この「盗む」という行為が普遍的法則になった状況を考えてみよう。つ

          幼い時の行動指針が今の私をつくっていた

          「きく」ことを選んだ人たちへ〜遠慮と配慮〜

          遠慮と配慮、どちらも他者との関わりの中で出てくるものですが、性質が全く違うことに気づいていますか? もちろん両者には歴史的にみて適切な状況がありますが、ここでは遠慮という言葉が知らずに生み出してしまう負の副産物の一部として読んでいただけるとありがたいです。 遠慮というととても奥ゆかしいことのように感じるかもしれませんが、他者と関わる時に距離を生み出すことでとても邪魔をするものでもあります。 遠慮とは、それが適切に働かない場合、嫌な言い方をすれば、自分は悪いことをしないた

          「きく」ことを選んだ人たちへ〜遠慮と配慮〜

          「きく」ことを選んだ人たちへの問い①

          他者の話を「きく」ことを仕事に選んだ人たちへ。 どうしてあなたはこの「きく」という仕事を選んだのですか? 私自身、はっきり言ってこの問いに明確に答えることは難しい。 それでも、ひとついえるとすれば、この仕事でしかわからない喜びを感じたからでしょう。 人と人は完全に分かり合えることはないと思います。 そうだったとしても、その理解を限りなく完全な理解に近づけようとすることは尊い姿だと思います。 そして、たとえ不完全であったとしても、今まで知り得なかった相手を知った瞬間の

          「きく」ことを選んだ人たちへの問い①

          「きく」ことを選んだ人たちへ

          私はある時気づきました。 この世の中で、他者の話を、こころをひらいてとらわれなく「きく」ということが、一番難しいことなのだと。 そして一番怖いことなのだということを。 こころをひらくということにも、話をきくということにも、必ず相手がいます。 こころをひらくというのは、自分ではない誰かに対してひらくことです。 話をきくというのも、自分とは違う考え方をする誰かの話をきくということです。 文字で書くとあたりまえのことですが、ここが一番忘れられてしまいます。 こころをひらいてきくと

          「きく」ことを選んだ人たちへ

          岸見一郎 マルクス・アウレリウス 自省録 を読む

          100分de名著のマルクス・アウレリウスで出演された岸見先生のテキストが、書き下ろしの特別章を加えて、新たにNHKブックスから出版されました。 岸見先生ご自身がギリシア語から訳された言葉の数々。 今回、最初から読み直しました。 岸見先生が解説されている本で驚かされるのは、その人物の時代背景や環境、本人の状況の洞察がしっかりなされた上で、論理的に思索されているところです。 岸見先生の文章を読んでいくと、自然とその状況の中にいて苦しんでいる本人の気持ちが伝わってくるようで

          岸見一郎 マルクス・アウレリウス 自省録 を読む

          メール削除と運動の第3法則

          先日Googleからストレージが70%を超えたけどどうする?的な連絡が来ました。 でも、容量を要する資料などは有料OneDriveで管理してるので、これ以上増やすの嫌だと思い、効果的に削除する方法を探してみました。 まずは容量の大きな資料が添付されたメールを消すといいとあり、不用な分を消してみたが、なかなか減らない。 そこからスイッチが入ってしまい、残すべきメール以外全て削除の方向で動き始めてしまいました。 愚かにも(笑) 私は動き始めてしまうととことん熱中してしまう。

          メール削除と運動の第3法則