【全員カモ】
なかなか衝撃的なタイトルの本です。
本の紹介には「著者は人々が様々な詐欺や悪質な行為に騙される理由やメカニズムを解説し、そのような状況においてどのようにして正しい判断を下すかを提案しています。本書を通じて、自己防衛や正しい判断を身につけるための知識とスキルを習得することができます。」とあります。
人が騙されるのは通常は役に立つ人間の思考と推論の特徴を利用されているからだと書いてありました。『人間の生得的な傾向』というものです。
本では詐欺や欺瞞の温床になる「集中、予測、思い込み、効率」などの人の習慣や癖(ハビット)について、また「セールストーク、予告編」などの認知的なフックについて書いてあります。
ハビットとして、
①『人には目の前にある情報に基づいて判断を行い無関係な情報や邪魔な情報は無視する傾向がある』
信じたいこと聞きたいことしか耳に入ってこない、ということのようです。「不信の停止」です。
起こらなかったことを考えてみるとよさそうです。
②『人は世の中を理解するためにこれまでの経験をもとに次に起こることを予測している。予測していることが起こるとそれに対して疑問を持たない傾向がある。』
「確証性バイヤス」
ゴリラの実験が登場します。複数のカメラマンに被写体の異なる情報が伝えられると同じ人の写真でも全く違う印象になるという実験も。
③『人は想定や考えに従うと心に決めるとめったに思い改めることはない。』
一瞬で「カモ」になる8つの思い込みが書いてあります。
相手が自分の言っていることを理解しているという思いこみ
自然のものが人工のものより優れいているという思いこみ
査読を経た論文には真実が書かれているという思いこみ
いつも目にするダッシュボードが正確なデータ収集分析の結果によるものであるという思いこみ
公的に開示されいてる情報が操作されていないという思いこみ
など
④『人は決断するとき徹底的に調べるよりも効率を優先して調べ物の手間を省こうとする。』
プリンターのコストが事例で登場します。
ヴェールに隠された属性を明らかにして真のコストを知ることが難しいことがあると。
機会損失、サンクコストなども
それ以外にフックとして
・本物のデータにはほぼ「ノイズ」がある
・「知っている」と感じたものは疑った方がいい(繰り返すと真実になる。)
・具体的で詳細な情報を正確なものだと思いこんでしまう
・有効性は必要以上に人を信じ込ませてしまう(バタフライ効果を疑いなく信じてしまう)
本には「誰でもたまにはだまされる」と書いてあります。
そういうものかもしれません。
鵜呑みにしないこと
自分の感覚を大切にすること
逆サイドを考えてみること
そして
自分で決めること
このあたりを意識して過ごしていきたいかなと思いました。
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