【いだろぐ649】負けた自分を想像できる人間でいること。
アントニオ猪木さんの『最後に勝つ負け方を知っておけ』には、印象深い言葉が綴られています。
「強いだけでは一流になれない。本当に強いレスラーとは、いかに美しく相手の得意技を受け、相手のいいところを引き出すことができるか。」
「試合を盛り上げ、負ける役目を果たしたレスラーにも拍手喝采が送られる。
負けた選手に拍手喝采が送られるのはプロレスくらいなのではないか。」
「勝つことばかり考えていると相手がよく見えない。負けた自分を想像したときに、相手をよく見ることができるのではないか。」
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私の頭に浮かぶのは、50歳の猪木さんがビッグバン・ベイダーと戦った時のことです。
ベイダーのバックドロップを首で受け、顔面蒼白、失神寸前でも立ち上がり、ベイダーの鬼のような攻撃を受けました。
見ていて、死んでしまうのではないか、と思わされるのですが、
裏では、「もっとやれ」と猪木が言い、ベイダーも「ガンバッテ!」と言っていたという話があります。
最終的に猪木が勝った時、心を持っていかれました。
しかし、このストーリーを引き出したのはヒール役のベイダーだったとも言えるでしょう。
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相手のいいところを全て引き出し、見る人を魅了すること。
これはプロレスであり、1対1のコミュニケーションであり、ブログを書くことでも同じだと感じています。
「俺が、俺が」となりすぎると、自分しか見えなくなり、周りが見えなくなります。
相手がいることで、お互いの良さを引き出し、高め合えるのです。
自分の良さは、相手がいて初めて成り立ちます。お互いを高め合うことで信頼が生まれます。
強さばかりを求め、コスパやタイプばかりを追い求めると、自分しか見えなくなるかもしれません。
自分が負けることを想像して、どうすれば周りを魅了できるのか、と考えると視野が広がっていくものです。
他流試合では、負けに行く。
無用の用。
下座の心。
負けた時の自分を想像することで、周りが見えるようになる。
他流試合を通して、自分をブレさせ、無用の用を楽しむ。
今日も良い一日にしましょう。
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