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紅麹健康相談・返品受付センターについて考える

小林製薬の紅麹サプリメントによって腎不全が起きたというニュースが紙面を賑わせている。
健康になりたくて買い求めた商品のせいで健康被害があったとなれば、消費者の怒りも心頭に発しようというものだ。
さて報道によれば、3000件を超える問い合わせが窓口に寄せられているそうだが、おそらくは報道を受け、さらに問い合わせは増えているだろう。
そこで気になるのは、誰が電話を受けているのかということだ。

社員の数はおいそれと増やせない。残業にも限度がある。そしてそれは、既にフル活用されていることだろう。こんな中、
土日祝も返上(※4月末まで)で12時間開けておく専用の受付センターを増設したなら、全ての電話を取りきるとは言わないまでも、ある程度は取れなければ更なるクレームを呼ぶことになる。管理者として社員が常駐することはあっても、電話を取るべく待機しているのはベンダーと考えた方が自然だろう。
こんな大事な問題を外部の委託に任せるなんてけしからん!どうせ今は紅麹サプリメントなんて作っていないだろう。その人材を問い合わせ対応に回せばいいではないか。
そう考える人もいるかもしれない。もし頭数としては人数が用意できたとしても、果たして問い合わせ窓口の仕事ができるかどうかは怪しい。加えて、これはただの問い合わせではない。かなりクレーム率は高く、ハードクレームも含まれる。なまじ知識があり、かつ顧客対応をしたことのない社員が対応すれば、何も知らない素人よりも下手をしかねない。

となれば、製品知識はなくともクレーム対応スキルのあるベンダーが対応したほうが、双方にとって良い。

それにしても、こういう問題が起こるとき、必ずと言っていいほど、対応が遅いという批判が出る。
今回、最初の症例が報告されたのは1月15日ということで3月22日のニュースリリースまで2ケ月以上の間があった。これを遅いと見るべきか迅速だったと見るべきか、私は判断する立場にない。企業としても事実確認や成分分析などは行うであろうから、因果関係が特定できない段階でニュースリリースに踏み切ったことは誠実な対応であったのかもしれない。

ただ、健康を求めて購入した商品で健康被害が出るという理不尽な今回の問題について、使用中の人にとっては不安以外の何ものでもなく、ましてご遺族の方におかれてはやり場のない怒りに苛まれていることだろう。

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一日も早い問題の解決と、何より亡くなった方のご冥福をお祈りいたします。

世界や自分自身をどのような言葉で認識するかで生き方が変わるなら、敬意を込めた敬語をお互いに使えば働きやすい職場ぐらい簡単にできるんじゃないか。そんな夢を追いかけています。