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少年ジャンプ2024年24号感想

前号:少年ジャンプ2024年22・23号
次号:少年ジャンプ2024年25号

2024年5月13日 発売
表紙 :さいくるびより
巻頭カラー :さいくるびより
センターカラー :夜桜さんちの大作戦
センターカラー :カグラバチ
センターカラー :キルアオ
新連載 :さいくるびより

リアルが忙しかったこともあり、かなりアップが遅くなってしまいました。この時期にアップして誰が読むんだろう……、とは思いますが、1回飛ばしとかになってしまうのも気持ち悪いのでいつも通りに書きました。幸いにも生活の方は落ちついています。

今回の表紙は新連載3連弾の3作品目にあたるさいくるびより。カットを見た感じの印象だと、ジャンプっぽくない新連載なのかな?という印象がありましたが、こうして実際に表紙になってみるとめちゃくちゃジャンプ感がありますね。

ジャンプに合わせた表紙イラストというのはもちろんのこと、この辺りはジャンプの表紙を作っているデザイナーさんの「強さ」も感じます。大体いつも目玉作品が載ってくる右上のスペースはルフィが占拠。未来島編クライマックスなのでそれはそう。


さいくるびより

1話 いっしょに住まない?

さいくるという言葉の響きで自転車ものを想像していたら、超能力=「サイク」の話だったことに未だにびっくりしています。「さいくる」で自転車ものじゃないことあるんだ……。

ボーイミーツガールものとして、すっきりとした構成の1話でした。主人公が超能力をもっている、という学園ドタバタコメディになると思いきやヒロインの境遇がやや重め。また、〆のナレーション的に学校生活よりも共同生活の方がメインになっていきそうな雰囲気もあり、そこもちょっと意外でした(2話が始まらないと実際どうなるのかはわかりませんが)。

この導入、大筋としては主人公とヒロインの関係性、「サイク」とは、この世界観における「サイク」の立ち位置など、必要な情報が無理なく入ってくる良構成でしたが(コマもメリハリもとても上手くて読みやすい)、エピソードの細部は結構人を選ぶというか、挑戦的だったと思います。

私はこの「万引き」が結構引っかかってしまった方。もちろん、そうせざるを得ないような背景があり、本人に罪の意識があり、その後ちゃんと謝っている(店長もそれを許している)、と当人同士で解決しているので第三者がとやかくいうことではないと思うんですが……。メタ的に考えたときに、1話だけではここが「万引き」のエピソードでなければならない理由が感じられませんでした。なので単に「ちょっと倫理観があわないかも」という印象が残ってしまった。

とはいえ、善良な高校生がこの状況でこの「サイク」を得たとき、極限の空腹状態でやることはなにか?と考えたときに「コンビニのおにぎりを万引きする」というのは(しかもバックヤードではなく陳列されているものを盗る)、結構現実味があるんですよね。現実よりの作風と軽犯罪の組み合わせって、読者側のリアリティラインが現実側に寄りすぎてしまってこういう感情が引き起こされてしまうのかもしれないな、と思いました(実際、「殺し屋」とか「怪盗」とかになってくると逆に気にならない)。

これは小林先生の、「日常感の表現」という強みが裏目に出てしまった部分だと感じます。とはいえ、この辺は気になる人の方が少ないような気もするので、そこまで気にする必要はないかも。私もちょっと引っかかりはありますが、言うて自分がコンビニの店長だったら同じことをするだろうなと思います。この辺りの人情の書き方が上手い。

人と人の関係性に魅力のある作品だと思うので、それを行かせそうなシェアハウスという舞台設定があるのはとても楽しみです。また、この設定はやろうと思えばいつでも異能バトルにスライドできる設定でもあると思うので、そういうジャンプっぽさもいいなと思いました。

SAKAMOTO DAYS

DAYS 165

最近掲載順位が下がってきたかも……、と思っていたんですが、別にそんなことなかった。

今回はSAKAMOTO DAYSの真骨頂、最高の戦闘回。SAKAMOTO DAYSの戦闘シーンが最高なのはいつもことですが、その中でもちゃんと主人公である坂本の戦闘シーンに重きが置かれている、というところもこの作品のいいところだと思います。というか、主人公だから派手な戦いを描いているわけではなく、武器を厭わずどんどん持ち替えながら戦う坂本の戦い方が自然とアクション映えするだけかも。それはそれで上手い。

しかも今回は主人公(坂本) VS 前作主人公(篁)の戦いなので、かなり特別な戦いって感じがありました(篁さんを前作主人公と言っていいのかはわかりませんが、ここではそういうことにしておいてください)。この戦いで全力を出す坂本を描くために、坂本がここまでほぼ無傷で来たのもあるんだろうな~と納得。

今回好きだったのは、自販機が真っ二つになるシーンです。定点カメラで撮ったような構図の、液体が噴き出す一瞬を切り取ったような一瞬なんですが、ここ、マジで止まっているはずの絵が動いているように見える。このコマを見つめていたら、次の瞬間には液体が飛び散っているんじゃないかと思わせるような躍動感がすごい。

篁さんとの戦闘ですが、なんかもうほぼ正攻法で勝てる見込みがないから「刀を抜かせないようにする」「刀を消耗させる」という、ゲームのギミックボス戦みたいになってしまっているのがマジでヤバかったですね。今「ゲームのギミックボス」って言ってから思ったんですが、そう考えると戦いをゲームだと思っている風のある楽は比較的篁さんとの相性がいい方なのかもしれません。相性とか関係あるのか?というレベルの「暴」なのが問題ですが……。

銃弾で刀を研ぐというむちゃくちゃ理論が出てきたときは「そんな!!!」すぎて「よっ!いつものサカモト物理学」とはしゃぐことすら忘れてしまいました。「振りかぶって射程を伸ばす」「銃弾でマンホールをふっ飛ばす」どころの話じゃない。でも、なんかマンガ的表現としてギリギリありのラインとして描くのがマジで上手いと思います。

負傷した坂本を消化器の煙幕の中に隠し、篁さんの「殺気や敵意に反応する」「視力が悪い」という特性を利用して生き延びようとする南雲ですが、この人はもう友だちが大好きなことを全然隠さなくなってきましたね。

そんな南雲の後ろに現れる篁さんはあまりにもホラーすぎるし、ここのコマだけ見ると「南雲」って言っているように見えて、もしかして話し合う余地は坂本・南雲が思っている以上にあるのかもしれない……?というところでまさかの楽参戦。

ほぼ死亡の状態から参戦するとは思っていなかったので、ここで楽が参戦するのは意外でした。南雲は自分がとどめを刺していなかったのに生きてることに驚くのか?というのはあるんですが、鹿島というイレギュラー要素がなければ死んでいたことを考えると「それはそうか」ではあります。とどめを刺していなかったのは変装と関係あるんだと思っているんですが、特に語られなさそう。

篁さんのセリフは解読できるなら全部読んでみたいんですが、できないような気がします。

ONE PIECE

鬼の子ヤマトの金稲荷代参

vol.4「死んだ康イエに代わり、白舞の閻魔堂へ刀を納めて来てくれ。つまり〝代参〟を!!」

ここで地図が出てきて、ヤマトがざっくりワノ国巡りをすることが分かりました。これ絶対仲間集めを兼ねていて、最終的に本編に合流すると思う。

第1114話 〝イカロスの翼〟

今回も情報量が多い……!情報量が多い……!の回でした。

ベガパンクの放送を聞く様々な人々の反応が描かれた回ですが、個人的に印象に残ったのは「モックタウン」と「インペルダウン」でした。特にインペルダウンのドフラミンゴは読者視点でもわかっていないことを知っているので、これからも注目(できるなら)したいキャラクターです。あとは(まだ後ろ姿ですが)、サウロが無事でいるのを見られたのもよかった。というかサウロの部下だった人も出てきてるし、この辺はまだまだ波乱がありそう。

やっぱり今回の話で一番大きなところは「マザーフレイム」がそういう「物質」っぽかったというところ。なんかもっと「火力」とか「原子力」のように力の概念的なものを指していると思っていたんですが、登場の仕方と形を見るに「マザーフレイム」という物質そのものっぽい。格納庫に書かれている「S-108」「A&Mu」の文字も気になります。また、このことを説明している文脈ではありませんが、演出的にこの「マザーフレイム」が「ベガパンクが近付きすぎてしまった〝太陽〟」なのかな……、という感じ。

エジソンが死ぬ気でなにをするんだ!?というのは「雲を伸ばして船の着地点を海にする」というかなり現実的な行為だったこともわかりました。一か八か、ドカン!みたいなのではなく、かなり現実的な問題対処法を示してきたのがよかったです。化学者っぽい。

そしてラスト2ページで明かされた情報ですが、2ページで明かしていい情報量じゃない。

ずっと名前だけが登場していた「ジョイボーイ」が「900年前の王国に生まれ、エルバフに伝わる〝太陽の神〟ニカの様に戦ったという男」というだけでもお腹いっぱいなのに、ここに重ねて彼が「この海で初めて〝海賊〟と呼ばれた男」であることまでわかってしまう。

ONE PIECE、おもしろすぎる!!!!!

と同時に、本当にこのマンガ、終わりに向かうんだ……、という寂しさまで感じてきました。まだ数年は続くと思うんですが、永遠かと思われたONE PIECEに終わりがあるんだと感じさせられること自体がマジで寂しいです。

夜桜さんちの大作戦

カラー

姉妹のパジャマカラーめちゃくちゃかわいいですね。この中で一番年上なのが手前の幼女(仮)なことに何人の人が気がつけるのだろうか……、という配置もいい。

作戦225.第二次夜桜前線 最終章

ついにサブタイトルに「最終章」がついてしまっていよいよ……という雰囲気。とはいえ相手もそれなりに頭数がいるので、今年中に終わってしまう!みたいなペースではなさそう。

六美と双子(+家族)がリラックスして見守る中、兄弟と敵幹部がそれぞれ邂逅というのも最終決戦感があり、バトルものとしての盛り上がりを期待してしまいます。気になるというか、気の毒なマッチアップは二刃と二かな……。

また、ここに来て狂一郎と並び立つ太陽というのもめちゃくちゃアツいですね。これは夜桜さんの上手いところだと思うんですが、双子編から読んでいてもこの流れはよくわかるようになっていて、それでいて初期から読んでいる人にはここで別の感情を抱かせる。今、アニメで再序盤を放送しているところに合わせている(偶然かもしれませんが意識していないことはないと思う)のもすごくいいと思います。

番外編

バトルものがバトルに入ってしまうとこういうコメディが見られなくなってしまうのが悲しいところ。なのでこのタイミングでこういうストーリーが見られたのはうれしかったです。

しかし、夜桜さんのノリ(特に四怨と嫌五あたりのノリ)はやや平成の趣があり、令和的にはちょっとキツい人もいるかな……、という印象。今回は多分あえて「初期のノリ」を意識していたと思うので顕著でしたね。

とはいえ、なんだかんだ家族の仲の良い姿を見られたので個人的には満足です。というか、狂一郎の開眼シーンってめちゃくちゃめずらしいと思うんですが、こんないい話で出ちゃうことあるんだ(開眼シーンは大抵ブチギレシーンで出てくると思っている)。

願いのアストロ

第4話 池袋のふたり

いざ!池袋に行って仲間を勧誘しよう!という回。こんな感じで「東京の地名」+「兄弟の誰か」という感じで章が進んで行く感じなんでしょうか。ますますシミュレーションゲームっぽくなってきて気持ちが盛り上がってきました。これで「交通」や「物流」なんかを考えながら陣取りを始めたらめちゃくちゃ興奮してしまうかもしれません。

仲間にしたい「クラン」とその金魚のフン「コウ」がいる池袋へ……。という流れなんですが、先週「全員兄弟だろ!」と言っていた割に2人への温度差がデカいので笑ってしまう。テラスもお前先週あんなに泣いてたのに!?ってツッコミを入れた方がいい。まあ、先週のは「殺すのは違うだろ!」って話だったのでそういう意味での温度感の違いだとは思います。

登場人物にちゃんと感じが振ってあるものの、基本はカタカナで読んでくれるので登場人物の名前が割と覚えやすいのが地味に助かる。

実際行ってみたら仲間にしたいヤツとその金魚のフンの立ち位置が逆転していた!からの「なんでそうなったんだ!」「なら今度は俺と決闘だ!」というのは話が早い反面、あまりにもアウトロー理論。この辺の文脈はホビアニ理論同様、読者側にもある程度の慣れが必要な気がしますが、それが作品の人気にどう作用するのかが気になります。といっても、ジャンプ本誌となると、ONE PIECEがこの理論でずっとやっているので意外と馴染むかもしれない。

個人的に気になるのは、素手の決闘だって言ってるのにクランとコウの決闘でもやっぱりアストロが使われているっぽいところ。自分の体から出てくるものだから「素手」判定なんだと思うんですが、ちょっと乱暴じゃない!?

あとやっぱりアストロを手に入れるためにみんなが星に願ってるのがかわいい。

僕のヒーローアカデミア

No.422 緑谷出久:ライジング

このサブタイトルだけ書いておけば私の感想なんてもう要らないと思う、そういう回でした。というかもうこの決着がつくまでは私が何を言っても無粋になってしまうような気がします。

私はデクを応援しているのと同時に、今でもどうして彼らがここまでしなければならなかったんだろうと思ってしまう。ただ、子どもたちが自身の力で立ち向かいたいと思っているときにそれを止める権利はないということも理解できたような気がしました。本当に彼らに戦って欲しくなかったのなら、こうなる前に大人がなんとかしなければならなかった、というのが厳しいけれど現実なんだと思います。

「頑張れ」という言葉に込められ1つ1つの想いを出久が理解する必要はないでしょう。その言葉を口にした人々がそれぞれ自分にできること、できたはずのことを思う、「頑張れって感じのデク」ってそういうヒーローなのかもしれないな……、と思いながら今週もめちゃくちゃ泣いてしまった。年を取ってから、子どもがつらい思いをしているとマジで泣いてしまう。

カグラバチ

カラー

X(Twitter)に製作動画があがっていたので見てみました!

タイムラプスからでしか得られない栄養が得られてよかったです。

第32話 選別

今までずっとかなり低いテンションを保ち、冷静だったチヒロも流石に動揺していた前回でしたが……、ここに来て再び冷静さを取り戻せたのは素直にかっこよかったですね。

相手は相手で腕が取れてもあんまり慌てていないのが不気味。妖術的ななにかで治療できるのかもしれませんが、それにしても腕が取れたらもっと慌てて欲しい。その辺りはわざわざチヒロの前に顔を出した「余裕」ゆえかもしれません。

また、妖術ってなに?というところの説明が(軽くですが)語られたのもうれしかったです。まさかこんな戦闘の渦中に!?感はありましたが、戦闘の邪魔にならない程度にざっくり語ってくれたところが好印象。まさか緋雪にぶっ飛ばされたところが伏線になるとは思っていなかったのでそこはおもしろかったです。

ここまで柴さんのアシストありきとはいえ、1人で戦ってきた印象の強かったチヒロがハクリとの約束の方を優先し、結果的に冷静な判断で動くというのもアツい回でした。なんとなく作品全体の温度が低いので(悪い意味ではなく)、読み返してみてから「え!?今回激アツじゃない!?」になったんですが、そのとき同時に最終コマに緋雪の足が描かれているのにも気がついて、ますますアツくなってしまいました。来週が楽しみ。

極東ネクロマンス

第3話 予感

3話という早さで本部に来れたことでなんとなく気付いていたんですが、死霊術会、相当まともな組織ですね。おそらくですが、鵺の陰陽師や累々戦記のように現在進行形で大きな危機にさらされているというわけでもなさそうなので、あくまで「お仕事」感があるのがこの作品の雰囲気とあっていてよかったです。お仕事ものとして他の作品との区別化もできそう。

薫の父の死、という結構大きめの問題もこの時点でちゃんと周りが主人公の存在を把握し、薫もその上でそれを「自分の問題」として割り切っているので変な拗れもなく、すっきりした縦軸になっていて読みやすい。逆に、耀司の方が周りに仇討ちを考えていると思われるほど薫の父と仲良かったの!?というのが出てきて、そこはいい伏線だな~と思います。これは私が個人的に気になってるだけかもしれません。

そして、引きとして現れた敵は「人型・知能を持つ」死霊。バトルものはなんだかんだ人型の敵と戦ってなんぼ、というところがあるので、4話でそれが来るのはかなりいい感じ。

バトルも楽しみだし、なんかめちゃくちゃ園児に懐かれている耀司がどうなるのかも楽しみになってきました。ホントめんかめちゃくちゃ懐かれてて笑う。

超巡!超条先輩

第13話 お祭り巡査長

ちょっと前に「オールスター回なんですね」とか言っていたら1話の噛ませ悪役まで出てきてしまったので、そんなところまでオールスターズにせんでも……になりました。とはいえ、ギャグって細かいところをしっかり拾うおもしろさ、というのがあるのでちゃんとそういうのをわかってやっていそうなところがすごい。完全に手のひらの上で転がされています。

予想通り邂逅してしまった警視と巡査長ですが、警視も超条(非番)もちゃんと仕事ができている!!!ああ、心配要らないってこういうことだったんだ……、と今さら超条のセリフの真意に気がついて悔しくなりました。また、そこからの武闘派の活躍もあまりにかっこよく、なんかもう「悔しい!!!」連発の回でした。なにが悔しいのかも謎。

なんだかんだちゃんと仕事はする大人のかっこよさを見せつけたあと、コメディ時空へと戻っていく手腕も見事でした。なんか本当に話の組み立て方、キャラクターの活かし方が上手すぎる。早く単行本を買わせて欲しい(多分6月)。

キルアオ

カラー

シンプルなのにオシャレ。アニメ化とかしたらファッション系のコラボして出てきそうな絵だな……、と思いました(いい意味で)。

page 52 一難去って

結構あっさり日常に戻れたようで本当によかったです。日常ものって日常が壊れる瞬間に一種のカタルシスがありますが、キルアオにはまだまだ日常生活を見せて欲しい気持ちがあります。本当によかった!!!

また、これはかなり余計なお節介感がありますが……、ここで瑛里さんが出てきたことと、十三が家庭科部であることを合わせると最終的にここがよりを戻す展開が来そうな気が……。個人的にはそうなって欲しいのでちょっとだけ応援していようと思います。

そして、日常っていいな~、と思っていたところでの「六角館」への誘い。おそらく「十角館」的なアレのパロディということでミステリ的なアレが起こりそうな予感ですが、私はミステリが好きなのでめちゃくちゃ楽しみです。

アオのハコ

#148 別れてなきゃ

大喜と千夏先輩のすれ違いの切なさを遙かに凌駕する不穏オブ不穏が匡に襲いかかっていて、不安で胸が張り裂けそうになってきました。

と言っても、菖蒲と匡の関係が「そう」ではないし、別に咲季が悪いことをしているわけでもないので(単にあとから登場しただけだし、彼氏がいたら来ていないという辺りはしっかりしている)、マジでどうなっちゃうのかわからなくてハラハラ具合が半端ない。特に誰と誰がくっついて欲しいという気持ちがあるわけではない私ですらこんな気持ちなので、匡がくっつく相手に希望がある人は気が気じゃないのでは!?と他人の心配を始めてしまいました。

大喜は1人で悩んでないで早く千夏先輩に相談した方がいいと思います。

呪術廻戦

第259話 人外魔境新宿決戦㉛

アオリの「教えて!お兄ちゃん!」からのこの展開、読者をもっと労って欲しい。

「竈」の効果や縛りについてもナレーションで説明され(正直理解するのは厳しかったため、雰囲気だけ捉えています)、手の内を明かされた上での一撃。多分「粉塵爆発」的なものだとして捉えればいいんだと思いますが、それを街規模でやられるのは絶望感がすごい。

そして、ここで脹相の退場。正直、この戦いで生き残るとは思っていなかったので予想通りではあるんですが……、それでもかなりつらい気持ちになりました。そもそも脹相自体がかなりキツい人生を(人かどうかは微妙ですが)背負わされ、その上で自分の生き方を選び、高専側、虎杖の味方として戦ってくれていた存在で、最初から幸せな未来を用意されていなかったんじゃないかとか、最後に虎杖を守って逝けたことを幸せだったと言っていいんだろうかとか、色々なことを考えてしまい、キツい。

脹相視点でもそうだし、虎杖視点で見てもここまで虎杖本人を見てくれた存在というのが脹相以外にどれだけいる?その想いの強さは?と考えたときにやはり脹相という存在を失ったことがどれだけ大きな喪失なんだろうか、と思うとキツい。メンタルがオリハルコンでできているのでは?と思われた虎杖ですら、この爆発の後に「みんな……」「誰か……」と覚悟が揺さぶられてしまっているのが本当に見ていられないほどつらかったです。

だからこそ、そこで現れるのが東堂というのは救い中の救いでした。その上、虎杖視点ではわからないことですが、他のメンバーは〝位置替え〟によって生きている可能性も高い。これを救いと呼ばずして……!?過ぎる。

そして東堂の「多分大丈夫」という不確かな言葉を信じることができるほどの信頼関係があり、なお、それだけで「今の宿儺は術式使用が困難な状況にある」と切り替えられる強さもある。やっぱり虎杖悠仁の心ってオリハルコンでできているのかもしれません。

ていうか流石にそろそろ勝てそうな気がしてきたんですが、マジでどうなるんですか!?

ウィッチウォッチ

155 泥沼キッズショー

なんてサブタイトルをお出ししてくるんだ……、と思いましたが、内容もそのまま「なんて内容をお出ししてくるんだ……」だったので笑ってしまいました(後味が悪くはなかったものの、泥沼であることは事実だったので)。

ファミレスで聞いてしまった子ども番組の中の人の状況から、あとはその番組を見ているだけというある意味モリヒトと読者が完全に同じ視点から見るギャグ回、という構成がおもしろかったです。

会話を盗み聞きしてしまったところに関しても、相手のミスと言うよりもモリヒトが鬼の地獄耳だったから、というやむを得ない事情で丸めたのも上手い。

僕とロボコ

第184話 ツーリングとロボコ

これあまりにも弱虫ペダルすぎない!?と思ってハラハラしながら読んでいたら、普通に本文中に「弱虫ペダルに書いてあった」って出てきてしまったのでマジで大丈夫なのか?と思いました。マジで大丈夫なんですか?(他誌)

あかね噺

第109席 範

真打試験が始まるのが想像の5倍くらい早かったのでビビり散らしてしまいました。あと数話くらいは過去編とかあかね視点の話を挟んでくると思っていたので……。

実際、作中でも読者視点でも「真打昇進試験」はかなり特別な意味を持つイベントなので、本当になにが起こるのかわからないのでハラハラ具合が半端ない。ここでまいけるが通り、あかねが続く形にも、まいけるがダメだったからあかねが奮起する形にも成り得るところが怖いところです。

とはいえ、全生がここまで調子に乗っているので、裏をかく展開は絶対にあると思うんですが(具体的に言えば、多分昇進試験では媚びるタイプの落語を出してこないと思う)、それが昇進に繋がるのかどうか?というところが一番の不安点でもあります。

アンデッドアンラック

No.206 ENGAGE

先週の引きで「どうやって勝つ!?」という心配はありましたが、心配だったのは「どうやって」の部分であって、勝ち自体は確定しているようなものだったので結構気持ちよく読めた回でした。今回でランゲージ戦が終わってしまいましたが、章としての勢いやエピソードが強くてよかったと思います。

死理取りが派手だったことと、ニコの記憶を取り戻す流れがバチバチにアツかったのが勝因かな。イチコとファンを蘇生させた後のプロポーズもよかった。

にしても、スペリオルバスターのすごさよりもそれの動力源っぽいファンが意味不明すぎて最高でしたね。出てくるだけで盛り上がるキャラクターなので、今後の活躍も楽しみです。

ランゲージ編は勢いがよかったので好きなんですが、最後だけ何度か読み返してようやく「アラドヴァル」→「結婚」が「s終わり」「s始まり」で、日本語訳が「結婚」で「ん」がついて負けになったというのがわかったのがちょっと残念でした。私の理解力の問題もあるんですが、ランゲージがここで負けを認めて2人に「結婚」を送るというのも、ランゲージってそういう感じだっけ!?になってしまい、これはアンデッドアンラックのスピード感がちょっと仇になったところだったな~と感じました。

多分、設定的にはランゲージからニコへの感情って愛憎入り交じるクソデカ感情だったんだと思うんですが、今回のループでの描写だけだとそこまで強い感情であることが伝わりきってなかったのかな……と言う印象。あくまで好敵手として扱っているように見えたので、「恋愛的に負けたから2人を応援」みたいな行動に出たのがちょっと突飛な感じがしました。でもこれはイチコも「何?」になってるので作中でもかなり突飛な行動な可能性もある。

また、ランゲージとソウルのやりとりを見て、やっぱり敵が「人型で感情がある」と、なかなか気持ちよく勝つのが難しいなと感じました。このマスタールールたちですが、今後もっと掘り下げられたら同情的な要素が出てくるような気もするので、そうなったときにアンデッドアンラックという作品はどういう形で「ハッピーエンド」を作るんだろうなというのが楽しみになってきました。

個人的には絶対理も生まれ変わってみんな幸せな世界に……、みたいなのもあり得る気がします。

逃げ上手の若君

第156話 上奏1338

完全に北畠顕家が死亡フラグを立てる回だったので、彼が話せば話すほど切ない気持ちになってしまいました。

時行が上半身裸で出てきたので「マジ!?」と思ったんですが、ちょっと後に「そう言えば男だったな」と落ちつきました。でも男だから裸でもいい、という考え方は今日日古いかもしれません。この辺は考えれば考えるほど難しいので適度にしておきます。

また、北畠顕家程の人物が言う「忠義を尽くす条件」には色々考えさせられるところがあり、国の統治というのは人が社会で生きる上で離れることができない難しい問題なんだな、というのも実感させられます。また、北畠顕家はそれだけの相手に対して「相手を批判する」という行動を取るところが本作の尊氏に仕える高師直との対比として描かれているように感じました。

そして、「石津の戦い」の開戦で〆。これは調べれば結果がわかると思うんですが、ここまで来てしまったからには調べないで行こうと思います。でもよく見たら来週号休みなの「ここで!?」すぎて人の心がない。でも本当に楽しみです。

鵺の陰陽師

第49話 祭祀刀

今回は鵺さんの力の復活に必要となるアイテム「祭祀刀」がついに出てきました。新世紀エヴァンゲリオンのアダムを彷彿とさせる見た目をしていますが、祭祀刀は刺さってい刀が本体で、触れるだけで触れたものを腐敗させるため、仕方なく再生能力のあるレベル4に突き刺して保存しているというギミック的なところがよかったです。

そもそも幻妖と人間が敵対しているとは言っても、おそらく本来は知的生物である幻妖のレベル4をこうして「使う」のはなかなかグロテスク。人造って言ってるのでその辺は意志のないものを作っているのかもしれませんが、それはそれでグロい。本来今の鵺さんの在り方が異常なだけで、幻妖との和解は一切考えていないのがわかります。これは和解を考えていないのが悪いというわけではなく、そういうものなんだな、という認識の話です。

ただ、幻妖が葬送のフリーレンの魔族的な「人間と理解し合える余地の一切ない人型」という印象が強い存在だったらこれでいいと思うんですが、鵺さんを中心に何体かの幻妖はそうでもない感じもあるので、この辺りの認識はどうしていくんだろうというところも気になるところ。

鵺さんに関しては「人間を信用している」というよりは、「人間に殺されてもいい」と考えているようにも見えて、それがどうしてなのかというのがこの物語の根幹に関わっていそうなので、それが明かされるのも楽しみですね。

修行サイドでは学郎が盡器の名前を手に入れ、双斧に一撃。最終段階へ。幻妖レベル4サイドでは陰陽寮に入り込んでいた幻妖がおそらく「相手の頭の中を覗いて盗む」というズルで祭祀刀のありかをゲット。流石にこれは無法すぎる。

思ったよりも近いうちに話が大きく動きそうな雰囲気ですね。

Dear Anemone

第12話 泡沫

くらげの女の子と合流した鉢植とカメレオンくんの珍道中がスタート。前回も書きましたが、このカメレオンくんがいるとかなり話がスムーズに進むのでいいですね。

そしていいテンポの会話だ……、と思っていたところに出てくるデカい猿(?)。めちゃくちゃ怖くてヒュッて音が鳴りました。マジで怖い。

最近はバトルをしていたので息を潜めていたパニックホラーの雰囲気が再来していて、あ~~~やっぱこういう画が上手い~~~!!!と感動。でも本当に怖いので、松井先生がホラーものを書いたら私は怖すぎて読めないような気がします。

しかし、このデカさの相手を倒せるアネモネの強さもヤバい。

そこから「時は大きく流れ」というナレーションで「もしかして数ヶ月経っちゃった!?」と思ったんですが、ちゃんと読んだら「数時間後」でした。ここでスーツを着たウサギに案内されて正装でどこかへ……、というのはちょっと不思議の国のアリスを彷彿とさせる流れですが、マジで予想がつかないので次話が気になります。

グリーングリーングリーンズ

第22話 「あなたのように」

優勝を逃した王賀と八枝崎の2人きりの会話、その状況になったいきさつから内容まで何もかもが完璧で、それゆえにめちゃくちゃ苦しい。物語を書く上で、「負け」を書くのは「勝ち」を書くことよりもずっと難しいと感じているので、今回のこのシーンをきっちり描ききった誠実さには素直に感動しました。

怪我をしているのに競技を続けることは決して褒められたことではないが、それは自分の役目ではないと割り切り、同じプレーヤーとして「尊敬」の気持ちを伝えるまっすぐさに心が打たれるし、そこで最初の失言であった「趣味」という言葉の意味を自分自身で書き換えている誠実さには美しさすらありました。

だからこそ王賀が八枝崎に内心を吐露したという流れも完璧。ここで無責任な励ましをするわけでもなく、ただその気持ちを受け止め、一緒に泣きそうになっているのを堪えているのも八枝崎の誠実さの描き方としてこれ以上ないと言っても過言ではないと思います。その後、電車の中で流した涙は駅のホームで流しそうになった涙とは違う意味を持っていることが八枝崎の表情でちゃんとわかるのもよかった。

王賀の気高さに心を打たれ、自身の心の動きによって流した涙だったというのが美しい。

マジで「誠実さ」の結晶のような作品なので、読んでいると心が洗われるような気持ちになる作品ですね。この状況でいやらしさの欠片もないのがすごい。

作者コメント

権平先生と戸塚先生が同時にハンバーガーの話をしているのがちょっと微笑ましかったです。鈴木先生はたこ焼き、沼先生はメンマ、川江先生はラーメン、松井先生はマックのチキンナゲットと食べ物の話をしている先生が多い号だったような気がします。

JUMPマニアッククイズは「願いのアストロ」から。そろそろ問題の内容が「マニアック」ではなく基本知識に寄ってきたような気がするんですが、これくらいの方が答えやすいので私は好きです。毎週このクイズの答えを考えてる人、どれくらいいるんだろう。

少年ジャンプ2024年25号 予告

連載1周年記念のキルアオが表紙&巻頭カラー。今週センターカラーだったのに連続してカラーなのは純粋に大変そう。お疲れさまです。

センターカラーには鍋ヒデアキ先生の読切。過去作を調べてみたところ男女バディもの(陰気そうな男×陽気な女)が好きそうな雰囲気で、カットを見た感じ今回もそういう感じっぽいのでかなり楽しみになってきました。そのまま連載化してくれないかな(気が早い)。

2024年5月20日 発売
表紙 :キルアオ
巻頭カラー :キルアオ
センターカラー :あかね噺
センターカラー :さいくるびより
センターカラー :【読切】洋平の変(鍋ヒデアキ)

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