ワニ_K

ワニ_K (王仁 慶) 1965年生まれ 訳書 kindle本『ベストマン』 …

ワニ_K

ワニ_K (王仁 慶) 1965年生まれ 訳書 kindle本『ベストマン』 (アビヤシャ作 王仁 慶 訳) https://amzn.to/3OBCBCc

マガジン

  • 虫にまつわる作品

    虫についての詩・俳句・川柳

  • 画像を使ってくださった方

    『みんなのフォトギャラリー』の ワニ_Kの画像を使ってくださった方の記事です。 どうもありがとうございます。

  • ワニの詩2

    マガジン『ワニの詩』が50本になったので、51本目からはここに追加します。

  • 企画参加

    企画に参加した記事です

  • ワニの詩

    noteで今まで発表した詩です。

最近の記事

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【詩】シュロ

シュロは 一見 地味な木だ 同族のヤシのような 南国のアイコンにもなれず ソテツのような どっしりした存在感もない シュロは ホウキや縄になる木というイメージかもしれない でも シュロの葉とアマガエルは アジサイとカタツムリよりも相性が良いし 雨が降ると閉じ晴れれば開くシュロの葉は 表情豊かだ それに シュロが自生する森は どこか謎めいて見える それから シュロは 枯れても倒れても 絵になる木だ 高所から手招きする 枯れたシュロの葉は妖しく 横たわる幹は 昔の立ち姿を呼び

    • 【句集】華と昆虫

      プラムさんの記事↑を拝読して、私も 企画参加した作品の画像を集めて記事にしたくなりました。 そこでプラムさんのアイディアを参考に…というより 真似させていただきました。 どうもありがとうございます。 今までnoteの企画で発表した花と虫の俳句四句+一句です。

      • 【短歌】ホウオウボク

        2010年の5月、初めて那覇に行きました。 那覇の街路樹の赤い花が、ホテルや銀行の白い外壁に映えて驚くほど美しく見えたことを思い出します。 街路樹の名前は多分鳳凰木だと思います。 人工の建造物が樹木や花とひき立て合っていたのは、南国の強い陽射しのせいかもしれません。

        • 【詩】情景

          あれは いつ頃のことだろう 父が運転する車で出掛けて とある町の 田畑の中の 細い道を通った   道の両側には 田畑と 珍しい外観の 家々が見えた どの家も平屋で 大きな三角のトタン屋根は 空色や赤で 濃く塗られている  その日は 湿度が高く曇っていた その空気や 田畑や木々が 家々の屋根を ひき立てて 油絵の世界に 迷い込んだように思えた トタン屋根の色が映える あの町の名も 市町村合併で消えた  あの家々や 田畑も もう 昔のままではないだろう

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        【詩】シュロ

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        記事

          【詩】ナガミヒナゲシ

          近所の空き家が 取り壊されて 土地が 更地になって それから どれくらい経っただろう 気がつくと その地を 丈高いナガミヒナゲシが 占拠して さながら 花畑のようだ  ナガミヒナゲシは コンクリートの間からも伸びて 土筆くらいの背丈でも 小さな小さな花を咲かせる それを健気で愛らしいと 思ったら もう ナガミヒナゲシに 魅入られた証だ ナガミヒナゲシは 茎に毒を持ち 凄まじいほどの 繁殖力がある 魅入られてはいけないのに 魔の花に うめつくされた その空き地を前に 立ち止

          【詩】ナガミヒナゲシ

          【詩】物語

          彼が その黒衣の人を目にして 思わず 振り返った瞬間 時が 止まり 彼の眼差しも それに気付かずに 歩む黒衣の人も 平面のなかの 小さな物語になった 遠い昔の そんな物語を ふと思い出して 発掘しようとしても もう 物語の写本しか みつからなかった ========== ケテルビーの古いレコードのジャケット写真↑から生まれた詩です。 この写真には、チャドル姿の女性に見とれて思わずふり返ったと思われる「彼」 (真後ろのダークブラウンの服を着た人)の姿が少しだけ写っています

          【詩】物語

          【詩】ナナフシ

          ナナフシという虫は 細長い竹に 六本の長い足をつけたような 姿をしていて その姿を 巧みに隠すように 木や草に 紛れてしまうと云う そんなナナフシを 一度だけ 間近で 見たことがある その時のナナフシは 何かに紛れることもなく 近所の町工場の 外壁を上っていった 枯葉色のナナフシは コオロギのように鳴いたり 跳んだりしないのに 静かな 存在感があった ナナフシは  姿を隠すような習性によって 有名になり 安直に思えるネーミングが ナナフシの名を 覚えやすくしている そんな

          【詩】ナナフシ

          【詩】サカナ

          部屋のじゅうたんの上に 鱗が落ちて光っていた あの頃の思い込みが 目から剥がれて 反転して 光る鱗になったのだろう そんな鱗を集めて 身にまとって サカナになって 今を 泳ぎたいものだ

          【詩】サカナ

          【みんはい桜まつり】に参加します

          こちらの企画に参加します。よろしくお願いいたします。 古寺と枝垂れ桜の大木がひき立て合う様は 似合いの老夫婦のようだと思いました。 お世話になります。 以上よろしくお願いいたします。

          【みんはい桜まつり】に参加します

          読書感想文『ベストマン』

          (以下ネタバレあり) 『ベストマン』は、バリ島で暮らす二人の青年(同性カップル)、カイとウガルの恋愛小説だ。ウガルが自ら「二人で一人のような気がする」と思っているように、二人は見事にお互いを補い合っていると思った。 言動がストレートで直情的なカイと万事慎重で思慮深いウガル。 告白するのも新しいことを提案するのもカイだから、カイがいなければ何事も先に進まない。だが、時にはウガルがカイを制する必要がある。 この小説で印象に残ったのは、そんな二人が故人との約束を忠実に守ったこと

          読書感想文『ベストマン』

          【詩】水と油

          アスファルトの路面に 水たまりができて 水面に 色とりどりの マーブル模様が 動いていた 濁り水の上では 綺麗に見えない その模様を 幼い私は ぼんやり 眺めていた  私が グズで うっかりミスが多いから 気に入らないと あの子は言って 同じクラスにいた間 眼や口や色々な態度で 時には 黄色い声で 私を 攻撃し続けた  今思えば 私は 濁り水のまま 沈黙せずに ミスしたことを詫びて 少しでも グズを直すように 努めるべきだった けれど こちらが 心から  謝ったとしても あ

          【詩】水と油

          【詩】黄の花

          歩き慣れた道で ふと 思い出した 去年の夏 この辺りに 丈の高い タンポポが 賑やかに 咲いていて タンポポの茎が こんなに 伸びるのかと 不思議に 思ったものだ 調べてみて あれは ノッポのタンポポ ではなくて ブタナと云う草だと知った きっと ブタナも 自らのことを 調べて欲しくて かつて 咲いていた所に 一瞬 現れたのだろう

          【詩】黄の花

          【詩】ラジオ

          もう 半世紀も前 家には 不思議なラジオがあった OFFで 電源が入って ONで 電源が切れる それが 当たり前に なっていた あのラジオのせいで 私のオンとオフも 正反対になって 進んで 恥をかくことばかり してしまうのだろうか いや そのせいではないだろう ただ 今でも 古めかしい ラジオに 惹かれてしまう 先日 昭和風の ラジオを 手に入れたら 微妙な 音量の 調節が できなくて 大きな音で 聞くしかない そう言えば あの不思議なラジオの音も いつも 大きかった

          【詩】ラジオ

          ビーズが流行った頃(多分2002年)暇さえあればビーズでサカナやら何やら作っていた。何故あれほど熱中したのだろう。おそらく、小さな粒を集めて形にしたものを更に集めることが楽しかったのだろう(上4グッピー、下4アンコウ、右端はマンボウ トーホー(株)さんのビーズキットで製作)。

          ビーズが流行った頃(多分2002年)暇さえあればビーズでサカナやら何やら作っていた。何故あれほど熱中したのだろう。おそらく、小さな粒を集めて形にしたものを更に集めることが楽しかったのだろう(上4グッピー、下4アンコウ、右端はマンボウ トーホー(株)さんのビーズキットで製作)。

          【詩】金魚池

          昔住んでいた町には 金魚屋さんの 大きな金魚池が 水田のように 幾つも 広がっていた 池ごとに 同じサイズの 和金や琉金 朱文金が 泳ぎ 小雨の日には 池のみどりに 次々に 波紋が 生まれた 幼稚園の帰り道 金魚池に架かる橋を 渡ったこともある 輪郭の ぼやけた 内なる金魚池は 今も 在るけれど あの金魚池は もう ないかもしれない

          【詩】金魚池

          バレンタイン一句に参加します

          こちらの企画に参加します。 よろしくお願いいたします。 この企画を知って、何故か三十年近く前のバレンタインデーの翌日(2月15日)のことを思い出しました。企画とは全く関係ない短歌ですが、図々しく参加してしまいます。 無理やりバレンタインにこじつけてしまってすみません。 その年の2月15日、とあるライブ会場に向かうために渋谷のスクランブル交差点を渡っていると、突然手首を掴まれました。 驚いて手の主を見ると、昔の級友の女の子(?)でした。中学時代から才色兼備で有名な子だったの

          バレンタイン一句に参加します