ケースワーカーの視点から生活保護

「生活保護をわかりやすく、利用しやすく」。生活困窮してる人を救う制度でありながら、その…

ケースワーカーの視点から生活保護

「生活保護をわかりやすく、利用しやすく」。生活困窮してる人を救う制度でありながら、その内容は本人たちに届いていない。そんな状況を解決することを念頭に置き、福祉事務所側からの目線で実情をお届けします。利用者側が受け身にならず、自ら権利を獲りにいくための知識の共有を!!

最近の記事

【給付金】生活保護世帯の子が高卒就職時に一時金支給へ

生活保護世帯の子どもが高校卒業後に就職するときに一時金を支給する関連法改正案を通常国会へ提出する方針。 大学などへ進学すれば、教科書や教材の購入費用、1人暮らしするする場合には転居費用や家電の購入費用がかかるが、生活を安定させて独立を後押しすることが狙いか。 現行制度はどうか現行制度では、高校を卒業した後に大学などへ進学すれば、「進学準備給付金」が支給される。 進学のために1人暮らし → 30万円給付 進学後も自宅から通学 → 10万円給付 一方で、進学せずに就職す

    • 【停職処分】保護費支給ミスを隠ぺいし書類廃棄や虚偽報告も/札幌市西区役所20代男性職員

      札幌市西区役所で生活保護の不適切な事務処理が判明しました。将来があったであろう20代の若手職員による残念な事案です。 記事の要約札幌市西区役所の20代男性CWによる不適切処理 6世帯に対して合計51万4165円を過少支給 2世帯に対して合計77万7636円を過大支給 1世帯に対して43万7301円を過大返還 保護費の私費立替、書類廃棄、虚偽記録の作成も どのような人物だったのか記事には「この職員は複雑で難しい事務処理を後回しにする傾向があり、上司に報告や相談をでき

      • 【逮捕】生活保護費154万円を不正受給/自称調理師の77歳男

        また1人、生活保護の不正受給に手を染めてしまった方がいらっしゃいます…本当に残念でなりません。生活困窮者を救う制度でありながら、これを悪用した結果、逮捕された上に返還債務を負ってしまいました。 記事の要約令和6年1月15日、京都府京丹後市の77歳男性を逮捕 平成31年2月〜令和3年1月の収入がないと虚偽の申告をしていた 調理師として7〜25万円/月の収入を得ていた 不正受給時の生活水準を試算◆京丹後市在住の77歳男性の生活保護水準 生活扶助61,560円+住宅扶助36

        • エスパー伊東さんが死去、、、 実は生活保護を受給しながら懸命な闘病生活をされていらっしゃいました。 【生活保護】というセーフティネットがあったことで、本業の稼ぎが減り、また難病にかかっても穏やかな日々を過ごすことができたそうです。 ご冥福をお祈りします。

        【給付金】生活保護世帯の子が高卒就職時に一時金支給へ

          Xのフォロワー様が1,500人を超えました。ありがとうございます。 まだまだ認知度の低いアカウントですが、福祉事務所の内側から有益な情報をお届けできるよう精進してまいります🙇‍♂️

          Xのフォロワー様が1,500人を超えました。ありがとうございます。 まだまだ認知度の低いアカウントですが、福祉事務所の内側から有益な情報をお届けできるよう精進してまいります🙇‍♂️

          生活保護申請における水際作戦の手口と対策方法

          某市福祉事務所での鉄壁な「水際作戦」が明るみになりました。 水際作戦とは、生活保護申請をさせないように対応することを指します。本来は「行政手続法第7条」により申請があればこれを拒否することはできず、また申請者側の「申請する権利」を侵害しているのですが、申請そのものをなかったように見せています。 水際作戦は以前から生活保護上で問題となっており、各福祉事務所で改善されてきたところですが、未だ撲滅には至っていない状況です。 正直、私の所属する福祉事務所ではありえない事態という

          生活保護申請における水際作戦の手口と対策方法

          【桐生市福祉事務所の続編】小林美穂子氏(つくろい東京ファンド)の記事を読んで思うこと

          桐生市福祉事務所の生活保護の不適切業務に関連し、つくろい東京ファンドの小林美穂子さんによるインタビュー記事が注目を集めています。 「9年が経ち、やっと話せるようになった」とめぐみさん(仮名)。 彼女の父親は市営住宅で単身生活を送っていたが生活に困窮。桐生市福祉事務所との生々しいやりとりが記録されています。 個人的には「読むたびに対応に腹が立つ」「同じCWだが嫌悪感すらある」と率直な感想を持ちました。皆様にもぜひ、一度確認していただきたい記事です。 以下、ポイントを抜粋

          【桐生市福祉事務所の続編】小林美穂子氏(つくろい東京ファンド)の記事を読んで思うこと

          桐生市の不適切業務に忖度なしで切り込む【生活保護】

          ニュース報道でもあったとおり、桐生市福祉事務所(群馬県)で不適切な生活保護業務の事案が複数発覚しました。 事案①:毎日来所を求めて生活保護費を1,000円/日で分割支給 事案②:毎週来所を求めて生活保護費の本人必要額を分割支給 事案③:保護費の支給が約1ヶ月遅延 事案④:保護費を金庫で保管 事案⑤:相談時に「保護を実施できない」と申請受理せず 事案⑥:印鑑の保管と無断使用 留意:上記は本人への口頭同意のみで文書保管なし 桐生市の取り扱いの異常さ生活保護業務に詳

          桐生市の不適切業務に忖度なしで切り込む【生活保護】

          生活保護制度を学ぶ機会の重要性

          こんにちは、KEIです。 私のnoteにたどり着いたみなさんは、生活保護制度をどのくらいご存知でしょうか?相談窓口を担当したことがありますが、よく質問されるのが、、、 これだけしかお金が貰えないのですか? 自立を目指すって何?お金が貰えるだけの制度じゃないの? 自動車や家を売却しなければならないと聞いたのですが本当ですか? 医療費や家賃がタダになると聞いたのですが本当ですか? 結局、私は保護申請できるのですか? などなど… さらに、保護受給中の方からも 就労指

          生活保護制度を学ぶ機会の重要性

          生活保護を申請すべきタイミング

          生活に困窮しているのなら、本来はタイミングなんて考えず、今すぐにでも福祉事務所へ生活保護申請をするべきです。 しかしながら「いつ申請するのがお得なの?」「損しないようにしたい」という気持ちもわかります。 そこで今回は申請すべきタイミングとして3つを紹介します。ぜひ参考にしてみてください。 ①収入を消費した直後申請日より後の収入はすべて「収入認定」されるため、生活保護と相殺されてしまいます。 保護基準10万円-収入0円=生活保護費10万円 保護基準10万円-収入5万円

          生活保護を申請すべきタイミング

          KEIの自己紹介。2度のうつ病から復職した生活保護ケースワーカー。

          はじめまして、KEI(ケイ)と申します。 大学卒業後、20代を地方銀行で過ごしたのちに公務員へ転職。 現在は福祉事務所に配属され、生活保護ケースワーカーをしています。 周囲からは「ベテラン」と呼ばれる程に年数を重ね、ここで得た知識・経験をもっと役に立てたいと思い、2024年の新たな挑戦としてnoteを運営することを決意しました。 ここでは自己紹介として、私の使命と、今日を迎えた経緯をお伝えします。 ◆使命:CWと生活保護受給者の常識が一致した、納得性のある制度運営を実

          KEIの自己紹介。2度のうつ病から復職した生活保護ケースワーカー。