相川計@生活保護

求職中/バー巡り(アイラモルト)/生活保護/痛風/Python/ゼロ年代批評/FLSt…

相川計@生活保護

求職中/バー巡り(アイラモルト)/生活保護/痛風/Python/ゼロ年代批評/FLStudio/表現の自由戦士/社会学/大麻合法化/ワナビー/鬱病/エロゲ/哲学/30代/借金(アコム・リボ・国)/日本語ラップ/共産党は右翼/キャバクラバイト歴3年/中卒/将棋(二段)

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    思想・哲学・文学・芸術の会に所属するメンバーが書いた記事を“集めた”マガジンです。それぞれの記事の責任の所在については、各記事の著者にあります。

最近の記事

LGBTに理解がある人に投票したい、という20代に極左が語ったこと

「政治について教えてほしい」と、ある20代の知り合いに相談された。聞くとその人はLGBTや同性婚といった議題について関心があり、身近な人が使っていた「過度な人権」「LGBTには生産性が無い」といったような言葉を、政治家までもが使っていることを知って、成人してから今まで投票したことは無かったが、これからは政治に参加しなければならないと思ったのだという。そして、明日の投票日までに誰に投票したらいいか決めたいのだという。 困ったな、と思った。私はその人よりも間違いなく政治について

    • 2023年の麻雀入門最速ルート(実走済み)

      先日ある人に「相川さんの見た目で麻雀できないのはおかしいでしょwww」と煽られ、「確かに」と思ったので麻雀を始めることにした。 その後一ヶ月経ち、今では麻雀の合間に人間としての活動を行っている。この間は3日連続で麻雀動画を見ながら椅子で寝起きして身体がバッキバキになり、このままでは麻雀のパフォーマンスに影響すると思って流石に次の日はベッドで寝た。 こういう初見でハマった感想を書いておくと将来の自分が楽しいし、インターネットにもそれを好む人が多いようなので書き留めておく。多

      • 射幸心で覚える外国語:Duolingoを30日続けられた理由と日本で流行らない理由

        私は勉強が趣味であるが、最近になってようやくジンメルとウェーバーの社会学論文を原文で読みたいという欲求が高まってきたのでドイツ語をやることにした。そのために巷で流行っているらしいDuolingoというアプリを続けてみたところ、これが思いのほか優れていたので紹介したい。ちなみにDuolingoは課金することもできるが、無課金でプレイしていてもまったく問題は感じない。課金しても無双できるわけでもなく結局勉強が必要となるわけだし。 Duolingoが日本で流行らない理由以上です。

        • 音楽は少しずつ静かになっている―音圧戦争の後にASMRが再発見したノイズの“親密性”

          音楽は年々静かになりつつある。1960年から2021年までのビルボードチャートを調査した研究によれば、半世紀の間続いた音圧の上昇、およびアコースティック性の下降というトレンドは、2010年ごろを境に揺り戻しが見られる。こうしたトレンドの変化は、シティポップやローファイサウンドへの回帰として最も端的に現れている。本稿では音楽が静寂に近づきつつある背景、およびそうした新たな音楽から何を見出すことができるのかを明らかにしたい。 星野源は植木等である歌は世につれ世は歌につれという古

        LGBTに理解がある人に投票したい、という20代に極左が語ったこと

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          仮装大賞化するM-1、アングルを巡る闘争。(5499文字)

          私はお笑い芸人を尊敬している。「王様は裸だ」という、万人が知りつつも黙して語らない真実を指摘できるのは、きっと子供か哲学者か道化だけだから。 M-1の4分間という制限の中では、どれほど技量に長けたコンビであっても自分たちを「ひとつのアングル」から提示するのが精一杯である。今年のM-1は、その限られた「アングル」をいかに活かすかという闘いであったように思う。最も象徴的なのはロングコートダディと男性ブランコとヨネダ2000が、ステージ前後左右の広さを連続的に活かすようなきわめて

          仮装大賞化するM-1、アングルを巡る闘争。(5499文字)

          古舘伊知郎風に羽生-藤井王将戦への期待を煽る。

          我々は太陽が毎日、後悔を残して西の彼方へ沈んでいくのを見つめる。そして我々は太陽が毎日、新たな期待と共に東から昇ってくるのを見つめる。我々はふと考えてしまいます。昨日の太陽はどこへいったのだろうかと。西へ沈んだ太陽が戻ってくることはない、それが我々の常識であります。空に太陽がふたつ昇ることはない、それが我々の常識であります! しかしここ将棋界はそんな常識が一切通用しない世界なのか! 第72期ALSOK杯王将戦7番勝負、この勝負はまさに、昨日の太陽と今日の太陽はどちらの輝きが

          古舘伊知郎風に羽生-藤井王将戦への期待を煽る。

          炎上し骨になってもしゃぶられる社長たちの墓標「注目社長情報館」ジールコミュニケーションズによる悪質な逆SEO

          「注目社長情報館」という奇妙なサイトがあります。全くやる気を感じられず何のために運営しているのかもわからないが、分野横断的にいろいろな社長たちのインタビューを行っている。しかし名だたる社長たちを眺めていると、奇妙な符合があることに気づくでしょう。「あれ、こいつ昔捕まってなかった?」「この会社業務停止命令食らってた気がするけど……」 そう、このブログは過去の悪行をGoogle上位から流し去るべく構築された、逆SEOブログなのです。普通のSEOは望む情報を上位に誘導するのに対し

          炎上し骨になってもしゃぶられる社長たちの墓標「注目社長情報館」ジールコミュニケーションズによる悪質な逆SEO

          私がコンサルの糞便撒き散らし労働より生活保護を選んだ理由

          以下で取り扱うような邪悪な仕事を私は「ビスカンバー・レイバー」という言葉で表現したい。Bescumberとは古英語で「糞便を撒き散らす」という意味だ。その代表例としてSEOライティングを主たる業務として行うWebコンサルタントをあげつらうことになる。ビスカンバー・レイバーという表現は無論デイヴィッド・グレーバーによるベストセラー、『ブルシット・ジョブ』を元ネタにしている。 最初に『ブルシット・ジョブ』を読んだとき、私は「ずいぶん優しく書くのだな」と思った。ブルシット・ジョブ

          私がコンサルの糞便撒き散らし労働より生活保護を選んだ理由

          働きたくないから生活保護を受けてみた。毎日が豊かになった。

          借金の取り立てを無視していたら電報が来た。最後に支払いを約束した日から5年経つと時効が来るらしいので「来月には払います」の一言を取ろうとあちらも必死である。まあ、受け取り拒否したので向こうの企みは失敗したのだけれども。 私が「受給理由:思想上の理由(働きたくないため)」と書いて生活保護を受け始めて3ヶ月になる。毎月13万円、合わせて40万円ほどを貰ったことになる。これが案外にも額面の印象より素晴らしい生活なのだ。税金も年金も医療費も全て無料であるのは大きい。本稿では生活保護

          働きたくないから生活保護を受けてみた。毎日が豊かになった。

          無限匹のAIがモナリザを描く時代のために:「複製〈芸術〉時代の〈技術〉作品」論

          AIアートにアマチュア絵描きはどう対峙できるかMidjourney、Stable Diffusion、mimicといった日進月歩のAIアート技術の波が絵画および芸術の領域を襲っている。本稿では100年前の哲学者が書いた、写真や映画のような複製技術の波に芸術がどう対峙すべきかを説いた論文を頼りに、現代の「非芸術的」な――pixivとコミケで活動するような――絵画を創作する人々がどのようにAI技術と付き合うことが可能かを明らかにしたい。 複製技術時代の芸術作品現代における芸術作

          無限匹のAIがモナリザを描く時代のために:「複製〈芸術〉時代の〈技術〉作品」論

          社会はなぜ存在するといえるか?(ジョン・サール『社会的世界の制作』批判)

           ジョン・サールは『社会的世界の制作――人間文明の構造』において、社会がどのように存在するかを解明したと主張した。サールの社会存在論は、制度的事実が言語によって創出され維持されるということから、「言語が成立すれば社会も既に成立している」と考えるものである。サールはこれをもって「社会はいかにして可能か」という古くからの問題に終止符を打ったと宣言している。  しかし、これは単なる問題の一段ずらしに過ぎない。サールは「言語はいかにして可能か」という問題にいまだ答えていないからであ

          社会はなぜ存在するといえるか?(ジョン・サール『社会的世界の制作』批判)

          失われた未来へのノスタルジー(攻殻SAC2045が取りこぼしたもの)

          まずは認識を共有しましょう。サイバーパンクはもはやノスタルジーの対象である。 サイバーパンクが描いた未来の新しい点は、成長曲線がもたらす幻想からの逸脱を行ったところにある。サイバーパンクは、右肩上がりのグラフが必ずしも幸福な結果をもたらさないという新たな認識とともに始まった。 いずれにせよ、あのころの「未来」は、右上がりのグラフの先にあった。それが望ましい変化であれそうでなかれ、右上がりへの信頼の上に「未来」は成り立っていた。 しかしいまやそうした成長は飽和してしまった。

          失われた未来へのノスタルジー(攻殻SAC2045が取りこぼしたもの)

          映画「ジョーカー」のカーニヴァル――階段を下りること、あるいは社会という呪い

           2019年に公開された映画「ジョーカー」についての話をしたい。この映画は、一人の男がジョーカーという、バットマンに対するヴィラン(敵役)へと「堕ちる」様子を描いたものである。その男・アーサーは、治安が最悪なゴッサムシティ(1980年頃のニューヨークを元にしている)に住む白人の中年であり、不適切な状況でも突然笑いだしてしまうという障害を抱えており、コメディアンを目指しているものの現在はピエロの仕事で食いつなぐ貧困状態にあり、同居している母親の介護で疲れ果てており、その母親は大

          映画「ジョーカー」のカーニヴァル――階段を下りること、あるいは社会という呪い

          全ての社会は不平等であり続ける(ジンメル『社会学』を読む)

           社会における不平等・格差の問題は、社会というものが存在する限り永遠に無くなることはない。この書き出しはいったいどれほど常識的だろうか。今日でも多くの人が格差を解消しようと現実に努力をしているのは誰もが知っていることだ。そうした行いを否定するつもりはない。格差を縮小するためには間違いなく役に立っている。本稿で否定したいのは、思想家たちが口々に主張する「このような社会を作れば不平等が解消する」という思い込みである  100年前にゲオルク・ジンメルという社会学者がいた。彼はウェ

          全ての社会は不平等であり続ける(ジンメル『社会学』を読む)

          大学生が最初に読むべきウェーバーは『プロ倫』ではない

          (ゆる言語学ラジオ「一生読まない本を手放そう!積み本精霊流し【雑談回】#146」でプロ倫がついに読まれなかった本認定されたことを受けた記事です) 多くの古典がそうであるように『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』もまた、必読リストに延々と居座り続けながら読まれない傾向があります。以下では皆様が抱えるその呪いを解きたいと思います。 プロ倫について多くの方は「プロテスタントの禁欲の倫理が、資本主義を生み出した」というあらすじだけ暗記して済ませていることでしょう。もしかし

          大学生が最初に読むべきウェーバーは『プロ倫』ではない