ひとりブックカフェ構想(折原圭)

ひとりブックカフェ(架空)の構想を練ります

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最近の記事

短編小説『元も子もない』

この小説は、以下の同人誌に収録した作品です。 『さけぶとり』と『元も子もない』の二本を収録しています。 『元も子もない』  本格的に英語の勉強をしようと思って日常会話でもできるだけ英語を使うようにしていると、ある日の朝妹が、「ねえ兄貴、ちょっとは言葉を選びなよ」と言ってくる。  は、と思う。 「Ha?」と言う。 「もうっ、お兄ちゃん、ここは日本なわけ。日本語を使って話してって言ってるの。分かる? もう日本語ワカリマセンか? 英語のために日本語話せなくなったらバカじゃんバー

    • ノートの表紙案

      サムネは二階奥にある作業場。薄暗くて少し不気味なものを作りたいときに適しています 昨日(6月1日 土曜日)はノートの表紙案を作り、二階の薄暗い部屋で撮影して、相応しいかどうか検証していました 「ひとりブックカフェ」にあったら良さそうなデザインのノートを作っています。「すこし不気味」なものが良い気がしますね。 小説で言えば江戸川乱歩とか海野十三、夢野久作、エドガー・アラン・ポー、ラブクラフトそのあたりの、埃っぽい香りのする怪奇小説がこの建物には合うと思うのですね そうい

      • 本当に「世の中に 人の来るこそ うるさけれ とは言ふものの お前ではなし」なんだよ

        「世の中に 人の来るこそ うるさけれ とは言うものの お前ではなし」は、いくつかある「いつどこで覚えたか知っている言葉」の一つです。 21歳の頃、アニメ『化物語』を見ていて、登場人物の一人である羽川翼がこの歌を引用していたのですね こんなセリフです 前後のセリフセットで覚えてる。羽川翼、つまり堀江由衣さんの声で年に40回くらいの頻度で再生される。 本当に本当に、人付き合いが嫌いなのと、人間嫌いは違う。 うんうん、ってみんな思うと思う。確かめたことなんてないから分から

        • 架空のブックカフェを本物のブックカフェにすることはできますか

          「ひとりブックカフェ」は架空のブックカフェであり、実際にオープンすることはない、と一番はじめに書いたのですが、試みに、保健所に聞いてみました。動機は後々この記事のどこかで書くと思います。 貸しスペース業で、食べ物とか飲み物は市販のお菓子とか飲み物とか、そういうのはご自由にどうぞみたいなスタイルでも、許可とか資格とか必要なんですか? 市販の菓子を売るのだろうが肉を調理して料理を提供するのだろうが関係なく、営業許可の取得や食品衛生責任者の配置と言った諸要件を満たす必要があるら

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        • 短編小説置き場
          2本

        記事

          記事を弔う日

          ひとつの側面としては「ひとりブックカフェ」の架空店長でありますが、一方で小説を書くという側面を持っている僕は、およそ8か月前、『さけぶとり』というタイトルの短編小説をnoteで公開しました。 noteのタイトルを「ひとりブックカフェ構想」に変更する前は主に創作を置いておく場所にしていたのですが、「ひとりブックカフェ」に焦点を当てる上で何だか創作物がnoteのページに並んでいることがおかしく思い、削除したり、下書きに戻したりしました。 あとやっぱり、noteの中に創作物を並

          【短編小説】ある婚活男性のプロフィール欄

          ※この作品は以下の同人誌に収められている作品です さけぶとり サンシャイン池崎をご存知でしょうか。  私は趣味で小説を書くことがあり、小説とは、ある程度の普遍性が求められるものだと考えていますが、今の私は、ごく限られた方にこの文章を書いています。それはサンシャイン池崎をご存知の方です。今現在、あなたがサンシャイン池崎をよく思い出せなくても、良く思っていなくても問題ありません。なんとなくあの「くうぜん! ずぇつぐぉのぉーー!!!」という彼の声を思い出せるなら、あなたはサンシャ

          【短編小説】ある婚活男性のプロフィール欄

          初の同人小説本、粗がすごい

          一冊、本を作り終えました。 しかし粗がすごいのでその辺りを中心に晒します。 本当は立派なのができたら公開したかったのですが、立派なのができるのを待っていたら次回の更新がいつになるか分かりません。 僕はひどく不器用なので期待はしていなかったのですが、それにしてもちょっと予想以上にというか予想通りやっちゃいけないことをやってしまった感じです。 ちなみに、以前は以下の画像のようなものを作りたいなあ、と書いていたのですが、実際ゴリゴリに参考にしたのは二枚目の写真に写っているリ

          初の同人小説本、粗がすごい

          村上春樹『納屋を焼く』と「既にある」意識

          ひとりブックカフェです。 先日書いた「オリジナリティを詰める箱を作っている」で、オリジナルの小説作品を小冊子みたいにして置きたい、みたいなことを言っていたのですが、ここ何日かその作業をしておりました。 作品自体はもういくつかあるので、作業と言えば専ら表紙作りと、本文のレイアウトを組んで印刷すること。 以下がその表紙。 『さけぶとり』という作品のものです。建物の雰囲気にマッチするよう、「暗め眩め」を意識しました(ドグラ・マグラみたいなこと言っちゃった)。 まだ本の形に出

          村上春樹『納屋を焼く』と「既にある」意識

          オリジナリティを詰める箱を作っている

          ひとりブックカフェです。 ブックカフェじゃない古民家の室内をブックカフェ風にして悦に浸る、という活動をしているものです。 ハード面(テーブル、椅子、本棚など)はほとんど終わったので、最近はソフト面(装飾、置く本など)のことをよく考えています。 どんな絵を飾ろうか、どんなオブジェを置こうか、と考える流れで、オリジナル商品をずらっと並べたら最高じゃないか?と思って、とりあえずノートを作ってみました。 いいですね。とりあえず一冊完成です。 僕はアホみたいに不器用なので、こ

          オリジナリティを詰める箱を作っている

          良い手だ

          以前から制作しているものがあります。 壁に貼るための新聞?みたいなやつ。 左側は新聞みたいに文字とちょっとした絵、右側は、文字を書くのはもう勘弁してくれと思ったので何かの絵でお茶を濁そうと思って、結果以下の写真のようにしました。 左側がテレポーテーションに関する虚構記事なので、その隣も多少のSF味が出るように、異星の景色を描きました。なんか、丸い絵が良いなーって思ったんですよね。 だけどこの丸窓から見える異星の景色の絵の下。ここに何を描けば良いか全然分からない。 海外

          「したい」から「しなきゃ」に変わるときの憂鬱なにこれ

          4月から部屋をブックカフェ風に模様替えする、という活動をしています。あらかた片付いて、あとは壁に飾る絵や写真を用意したり、本棚に本を入れたりする、という段階なのですが、どうしてだか本棚に本を入れる作業が憂鬱で、まったく進みません。ずっと見て見ぬフリをしている状態です。 やるべきことは明白で、やれば良いだけなのに、どうしてだか「本を入れなきゃ」という義務感が先に働きます。 自主的に始めたことでも、「したい」ではなく「しなきゃ」に変化していくことがあります。 もしかしたらほ

          「したい」から「しなきゃ」に変わるときの憂鬱なにこれ

          SF味に惹かれる心

          こういう、急にびっくりさせてくるみたいな文章ってありますよね。 僕は福岡伸一先生の本をいくつか持っているんだけど、多分こういう言い回しが好きなんだと思う。優しい語り口なんだけど、物事は冷徹なまでに事実に基づいて見つめている、みたいな文章。 学者先生ってこういうところがあると思う。例えば森博嗣の文章などもこの種の塩梅が人々を痺れさせているのではないかと思います。 引用したテクストの文意に潜むのは、その何億年か先、僕たちが生きている今の時代を「観察」する別の種がいるというこ

          ひとりブックカフェ近況

          一通り模様替えが済んで、ベースは出来上がった感があります。 席は全部で6席。特集部屋を一席と見なすかどうか、最後の写真の小部屋にもソファを置きたい、などを考えると、6席から8席。 まだ部屋はあるので6席から8席、プラスアルファ、ということになります。 管理人室には僕が常駐する席とちょっと工作などする席があって、これは普通にカウントしない。 おお、ブックカフェっぽくなってきた、と思えば、まだまだやることはあるけれど、とりあえず本が読めるな、と思いました。 それで、最近

          引っ越し並みの模様替え

          サムネのビフォーアフターの写真で伝わるかどうか分かんないけど、けっこうガラリと部屋の雰囲気を変えました。 ビフォーはこれ、ビフォーというより散らかり放題のゴミ屋敷の風情ですね。 実際、片づけと模様替えを平行して行った形になるのですが、今日ようやっと、ある程度大きなものを配置し終わり、プレーン状態へと達することができました。 ちなみにまた別の部屋がゴミ屋敷状態になっています。 今日はちょっと振り返りの記事、というか日記となります。 ひとりブックカフェは架空のブックカフ

          創作意欲と筋肉痛

          「ひとりブックカフェ」構想は風呂敷を広げ続けています。 はじめはこの一部屋をただ「まるでブックカフェ」みたいにしたいなと思っただけでした。 続いて小部屋を「特集部屋」みたいに使ったら面白いかもしれない、と思いました。ちなみにこの部屋の中のコンテンツについては全然着手できていません。 なぜなら、「ひとりブックカフェ(本体)」が場所を浸食していくからです。 管理人部屋 兼 書庫 みたいなところがあった方が良いな、と思ったのでこの小さな部屋を片付けて本を入れました。 ブッ

          それまで僕は「言語化能力」に憧れすぎていた

          前回の記事でレイモンド・カーヴァ―が好き、と書いたのですが、どういうところが好きなのか、を今回は書きたいと思います。 タイトルを先に回収しておくと「言語化能力」というものにひどく憧れていた僕は、レイモンド・カーヴァ―を読んで言語表現についての認識を少し、改めたところがある、という話です。 抑え込まれた感情を表現できる文才を見た 僕が小説を読んでいて「感動」か「感動に類する感情」になる要素の一つに、「感情の抑制をみたとき」があります。 人ってなんか、何か言いたそうな顔っ

          それまで僕は「言語化能力」に憧れすぎていた