【読書メモ】大乗仏教の思想について
インド仏教史の四区分
原始仏教/部派仏教/大乗仏教/秘密仏教
般若経典
→大乗仏教の中では比較的釈迦の教えを忠実に発展させている
→出家という形をとらないで在家のまま覚る
→般若=全ての道理や物事を明らかに見抜く深い智慧のこと
6つの完成
①施しの完成
⚪︎財施...良きものを施す
⚪︎法施...法を施す
⚪︎無畏施...畏れある人々に安心を施す
②道徳の完成
覚りを求めるものは道徳においても完全でなければならない
③忍耐の完成
④精進の完成
⑤禅定の完成
坐禅によって仏教の真髄に至る
⑥無分別智の完成
=般若波羅蜜
+4つで十の完成(中期以降)
⑦願の完成
人生においてはっきりした目標を持つ
⑧力の完成
物事を達成するための実際の力を身につける(思択(しちゃく)と修習)
⑨善巧方便(ぜんぎょうほうべん)の完成
物事を達成する方法が巧みであること
⑩智の完成
無分別智
一切法において、無性が自性である
→空(性)
倫理の重視
→奉行衆善、莫作諸悪、是諸仏教(諸々の善は奉行し、諸々の悪はしない。これが諸々の仏教の教えである)
→無分別智後分別智(副島正光氏の造語)
存在論
⭐︎空
→不可得、無所有、無自性、無常、無我
五蘊(ごうん)=色/受/想/行/識(物質的現象/感覚/表象/意志/分別知)の法とは、物心両面全存在を5つに分類できるという原始仏教以来の独特の分類方法
→それらを自性空(無実体)であると観ていた「一切法は空なる相である」
→正しい縁起の考え方を再説している(先行する部派仏教の、法を実体視する部派(説一切有部)を否定している)
・空空「空も空である」
原理と現象、あるいは本体と現象といったような、何らかの意味での二元論的立場を取っていない
→哲学的に重要な意味
・仏教の存在論は、その根拠、起源、終末については説かない。つまり存在全体については「なぜあるのか」「いつからあるのか」「いつまであるのか」を問わない。問うているのは存在の構造であって、つまり「どのようにあるのか」を問うている。そしてその答えが空である。しかし、空とは、何もないことではなく無分別相としてあることである。
・即非の論理(鈴木大拙)
『AはAでない。それはAと言われる。』
=『Aは空だ。』
大乗仏教の学派
⚪︎中観派
→開祖ナーガールジュナ(竜樹)
諸法の実相を縁起、無我、空と観る
「縁起であるものを凡て吾々は即ち空であると説く。その空は相待の仮設である。これがまさしく中道である。」
⚪︎唯識派(ヨーガ(瑜伽)行派)
→学派の成立マイトレーヤ
→完成ヴァスバンドゥ
すべての法を識の所産と考える
根本識としての「阿頼耶識」と「末那識」
阿頼耶識(種子)は個我ではなく刹那滅であり、それでいながら連続性でもある
→後に無相唯識派と有相唯識派とに分かれる
⚪︎如来蔵思想
如来蔵(如来となりうる可能性)を一切の人が有しているという考え
→個我的にしても法我的にしても、我的存在の思考を反映している
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