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【読書メモ】釈迦について



釈迦(しゃか、旧字体:釋迦、サンスクリット: शाक्यमुनि、Śākyamuni)
北インドの人物で、仏教の開祖。
存命していた時代については後述の通り紀元前7世紀、紀元前6世紀、紀元前5世紀など複数の説があり正確な生没年は分かっていない。


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○時代背景
バラモン教の祭式万能主義への批判
→家庭祭や天啓祭で人が救われるのではなく、智恵によってブラフマン(宇宙的原理)やアートマン(個体的原理)を知ることが重要である

◎基本思想
⭐︎無分別智
→生老病死の系列が、一方ではその存在を認めつつも(分別智的立場)、同時にその存在はない(無分別智的立場)ということになる

天上天下唯我独尊
誰もが覚者となる可能性をそなえている

知恵を重視することによって『ウパニシャッド』(『ヴェーダ』最後の部分を構成する哲学的文献)の哲学に接続する


⭐︎中道
→苦行・快楽の二辺を離れて心を中道におく


⭐︎四諦(したい)・八正道
四諦(四つの真理)
苦諦...人生は苦である (四苦八苦)
集諦...苦には起こってくる原因がある
滅諦...その苦を制してなくしてしまう
道諦...苦をなくして制するには道がある

八正道
正見...正しい見解
正思...正しい思考
正語...正しい言葉づかい
正業...正しい行為
正命...正しい生活
正精進...正しい努力
正念...正しく記憶にとどめること
正定...坐禅によって正しく精神統一すること

→八つの正しい道を踏み行えば、人は滅諦という苦のなくなった状態、ニルヴァーナ(涅槃、心の平安)に達する

⭐︎縁起の理法
→いっさいのものは相依相関している
→衆縁和合
「これあらば、すなわち、かれあり、これ滅すれば、すなわち、かれ滅す」(十二縁起説)


◎根本思想
⭐︎無分別智と無実体性
「物質的現象は無実体性であり、無実体性が物質的現象である。(精神的現象である)受・想・行・識もまさに同様である。」

無分別智=般若(漢訳)
未分化なる本来の姿のままでとらえる


◎原始仏教の二系譜
無常・無我(平等の理念)
実体否定としての無我(「我」=「アートマン」)
無我と無常は同音異義語

輪廻転生(個人の幸福)
→本来は無常・無我と相反する=別の系譜?

→道徳論と結びついたとき、因果応報・善因善果・悪因悪界の思想を形成していく

→仏の神格化

→バラモン教有説と関係あり?(インド伝統思想の仏教的復活の兆し)



○釈迦が答えなかった14の形而上学の質問
1.世界は常であるか
2.無常であるか
3.常かつ無常であるか
4.常でも無常でもないか
5.世界は有辺であるか
6.無辺であるか
7.有辺かつ無辺であるか
8.有辺でも無辺でもないか
9.如来は死後存するか
10.存しないか
11.存しかつ存しないか
12.存しも存しなくもないか
13.個我と身体は同じであるか
14.異なるか

→輪廻説は釈迦の仏教とは無縁
インド思想史的に見れば、後世の仏教徒が仏教以前から存在していた輪廻説を仏教の中に取り入れた


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