信じられるものを一つだけ

信じられるものが一つだけあればいい

ただ一つだけあれば
それだけで生きていける

個別案件的に一つひとつ対処して
世界の多様性と複層性と
絶えず流転していく刹那の無常感を受け入れて

必要/不要、善/悪の
形而上学的二項対立ではなく

イデア論的で超越論的で、否定神学的な
絶対普遍の真実でもなく

ただ、世界の在りのままを愛していくのは
僕にはずいぶん難しくて、とても息苦しい

どんなことがあっても味方だよって
言っていた

辛いことがあればすぐ駆けつけるよって
言っていた

だけど、絶えず世界は流転していて


あの頃の君は
もう今の君とは別人で

あの頃の世界は
もう今の世界とは様変わりしていて

あの頃の僕だけは、今も変わらずここにいる

それともそうか、人は往々にして
他人に対しては勘違いしかできないのかもしれない

確定できることなど人間にはひとつもない

もしそうだとすれば
救いの道標は流転していく人間ではなく
高い精神性が導き出す形而上学の中なのか

わからないけれど、なんでもいい

お願いだから

絶対普遍の真実を一つだけ

いつでも、いつまでも
信じられるものを一つだけもらえないだろうか

イデアでもいい
神さまでも、愛でも、ウルトラマンでも
なんでもいい

だめかなあ

そんなものない？

ははは

fuck off