見出し画像

新しくよい概念

アイヌ詩人、偉星北斗の詩集
冬になりまた読み直す

この詩集を手に
二風谷、平取を訪れ枯れた沙流川を眺めた
昔は鮭も沢山取れたらしいが沙流川ダムによって川底の水の流れの跡のみ残っている

旧土人保護法を廃止し、アイヌ文化振興法の成立に尽力したアイヌ民族初めての国会議員、萱野茂の生地として訪ねたのは二年前

江戸末期の松前藩の立藩から
開国間もない日露の緊迫情勢の時代の波に飲み込まれ

土地の没収、漁業、狩猟の制限、風習、文化を禁止し、東京への強制就学、日本語使用、戸籍制度と氏名の義務化で明治期からの近代国家の道の先は、文化の消滅、貧困、伝染病による人口激減をアイヌは被った

「美しい心を植えていく
コタンはなんとも優しい響きだろう」
ふるさとも同じ響きに聞こえる

明治期、戦後の高度経済成長から
一つずつ消えていくふるさとの名残をこれまで見てきた
それがコタンに重った

アイヌ詩人として激動の時代を生きた偉星北斗を土取御大に教えて頂いた
日本という新しくよい概念をこれからに伝える言葉が糧

詩に出会い、金田一京助に出会い、千里幸恵に出会い、27歳の逝くまで綴る偉星の言葉

「世の中は、何が何やらわからねど、死ぬことだけはたしかなりけり」と辞世の句を残して、永遠に冷えた。

彗星の如く現れて、彗星の如く消えた偉星生。
と金田一京助は、彼を惜しんだ。
#偉星北斗
#二風谷股旅
#北海道股旅
#人生股旅

言葉を直接届ける機会をいつか何処かで作れたら!