体の一部を失う痛み

歯医者で虫歯の治療をしてもらったのけれど、思った以上に大変なことになってしまった。

上の歯の前から2番目と3番目の歯の間あたりが痛んだのでそこを治療してもらうつもりが、「前歯の裏も怪しいので削ります」と言われてしまった。全く予想してなかったところだったので正直ショックだった。

麻酔をして、削ってもらって…るときに、「あれ、なんかめっちゃ削ってない…?」と不安になってきた。先生が一旦ほかの患者さんの治療にうつるタイミングでこっそり手鏡で見てみると前歯の5分の1くらいが一気になくなっていてとてもショッキングな光景だった。

他の歯ならまだ耐えられたのだろうけど、やはり一番よく見えるところなのでインパクトが大きかった。もちろんきれいに治療してもらって、今は自然な見た目になっているのだけれど、生まれてからずっと何十年も一緒に連れ添ってきたものを失った悲しみみたいなものは拭えなかった。

歯という小さな部位の、しかもその一部を失っただけでこうなるのならば、腕や足など他の部分を失うことになったらもっとその痛みは大きくなるのだろうな、と想像した。自分はなるべく生まれたときからあるものは死ぬまで形を変えたり失ったりしたくないタイプなのであらためて自分の体を大事にしようと思った。



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