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【レビュー】「知っておきたい感染症ー21世期型パンデミックに備える」

今回紹介するのは、2016年に執筆された感染症に関する本です。この本で書かれているパンデミックへの警告が現実になってます。

21世期になってから様々な感染症が発生しましたが、私も含め、日本人はどこか対岸の火事であったように思います。それは「偶然」にも、それらの感染症が日本で流行しなかったからに過ぎません。

私たちに必要なのは正しい知識です。
本の内容を伝えたいので、レビュー記事を書くことにしました。

本の内容 

エボラ出血熱、2つのタイプの鳥インフルエンザ、SARS、MERS、デング熱…。高速大量輸送、人口爆発の21世紀において、さまざまな感染症がパンデミック(感染爆発)の危険性をはらんでいる。それぞれのウイルスにはどんな特徴があるのか? 近年の流行はどのように起こったのか? そして、これからどんな危機がありえ、それを未然に防ぐために私たちは何をするべきなのか? このままでは、人類総倒れ。生き延びるために知っておくべき、必須の知識を授ける。

エボラ出血熱
2014年に西アフリカで流行。致死率40%で治療薬や予防ワクチンもない。患者の体液や血液等への接触が主な感染経路。

H5N1型鳥インフルエンザ
今までの季節性インフルエンザとは全く違うタイプ。呼吸器だけではなく全身感染を起こし、多臓器不全を引き起こす。致死率33%の強毒型。平時からプレパンデミックワクチンの事前接種を行い、基礎免疫を獲得しておくべき。

インフルエンザウイルス
高頻度で遺伝子変異を起こしやすく、その性質を変化させやすい特徴を持つ。いつでもパンデミックを起こすようなウィルスに変化する可能性がある。
サイトカインストーム
鳥インフルエンザに感染し、免疫が過剰反応してる状態。サイトカインストームが起こると、様々な臓器が障害を受け、多臓器不全が生じて死亡する危険が高くなる。特に免疫反応の活発な若年層に起こりやすい。

■SARS
2003年にアジアを中心に世界各地で流行。死亡率は約10%。野生動物が感染源のコロナウイルス。予防ワクチンも治療薬も開発されていないが、自然界からは消滅したと考えられている。

■MERS
2012年に中東地域で発生し、現在も流行を続けている。2015年に韓国で流行。SARS近縁のコロナウイルス。

コロナウイルス
通常、動物の種を超えて感染を起こす事はほとんどない。しかしSARSやMERSは種の壁を超えて、人に感染するようになった。もともとはコウモリを宿主にしているが、MERSの場合はラクダを経由して人に感染。

■デング熱
デングウィルスに感染した蚊に刺されて感染する。特効薬は無い。ウィルスには4つの型が存在する。デング熱とデング出血熱に分かれており、初感染の際にはデング熱。別の型のウィルスに再感染した場合に、デング出血熱という致死率の高い疾患を起こす。地球温暖化により蚊の生息場所が増え、感染は拡大傾向にある。

■破傷風
病原体は破傷風菌であり、その毒素はボツリヌス菌に並び、最強の毒素の1つ。予防は、40歳くらいで10年おきに破傷風トキソイドワクチンを接種しておくこと。

本のまとめ

人口が増加し、都市が過密化したこと。また世界の交通網が発達したことがパンデミックリスクを上げている。感染症の流行は、病原体と人だけではなく、社会環境が強く影響を与える。

いつか必ず、強毒型新型インフルエンザが発生する。
しかし日本の危機管理は、弱毒型の新型インフルエンザを最悪のケースと想定して準備計画が作られている。

感染症は予防に勝ることは無い。

感想

それぞれの感染症の怖さ、予防の大切さを知ることができました。破傷風はワクチンは接種しようと思います。

新型コロナウイルスは弱毒性ですが、もし強毒性のウイルスだったら社会は崩壊してるかもしれません。不幸中の幸いです。

本記事が感染症についての知識向上の一助になれば幸いです。


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宇宙旅行が夢の一つなので、サポート代は将来の宇宙旅行用に積み立てます。それを記事にするのも面白そうですねー。