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推理作家の想像力と表現力

わたしの感覚では、推理小説は文学作品の中では人気はあるものの、邪道というか、娯楽小説、通俗小説という位置づけで、一段低く見られているのではないかと思います。

わたしの読書の内訳は、間違いなく半分以上を推理小説が占めています。

小学生の頃にポプラ社の怪盗ルパンシリーズを24 巻まで読破したのをきっかけに、あかね書房の児童向けのシリーズを小学校の図書室で読み漁りました。


その後はアガサ・クリスティ、エラリー・クイーンなどの海外ミステリー、江戸川乱歩、社会派の松本清張、角川商法に乗っかって、横溝正史、森村誠一、高木彬光 などを次々に読み、その後も手当たり次第に読み続け、今に至る…です。

恋愛経験が少ないから恋愛小説は書けない。
プロの作家には、そんな言い訳は通用しません。

推理作家をご覧なさい。
殺人事件を扱うのにいちいち人を殺してみることはできません。
作品はほぼ100%、想像の産物です。

善良な市民にとって、犯罪、殺人は非日常、まるで絵空事。
推理作家は、非日常を見てきたようにリアルに描く想像力、説得力を補強するための多方面にわたる知識、破綻なくストーリーを構成する力、
無から有を生じさせる筆力で勝負しているのです。 

青空文庫でたまたま佐藤春夫の『探偵小説作家の表現力』(昭和27年)という文章を読み、「なるほど」と思いました。

その内容を踏まえながら(太字は引用)推理作家について語ってみました。



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