赤い色素
昔は家に普通に食紅というものがあった。
和菓子を作るときなどに、ほんの少し小皿にとって、水に薄めて使っていた。
わたしも桜餅を作るときに、あんこを巻くお餅をほんのりピンク色に染めるために使用していた。
子どもの頃は、さまざまな食品に赤色◯号という色素が当たり前のように使われていた。
このような合成色素は人体に害を及ぼすということで次第に使われなくなった。
加工食品を買うときは、なるべく袋を裏返して、原材料をチェックする。
今どきは色素も天然由来のものが多く、例えばカニカマみたいに赤い食品なら、紅麹とか、トマトリコピンとかが使われていることが多い。
天然の色素、紅麹ならわたしの中では合格だった。
この度、小林製薬の紅麹のサプリメントに健康被害が出たと報告され、大問題になっている。
紅麹自体は昔から中国の酒などに使われていて、悪いものではないというのだが、どういう因果関係があるのかが不明だ。
「意図せぬ成分」が含まれていたとして同社が分析を急いでいるらしい。
(日本経済新聞朝刊より)
腎疾患で入院した人が多数、今朝は二人目の死亡事例が報告されたというニュースを見た。
意外だったのは、サプリメントだけではなく、原材料として食品会社に提供されていて、小林製薬の紅麹が、お酒や味噌、イカの塩辛、和菓子等、いろいろな食品に使用されていたということだ。
そのため、さまざまな商品が自主回収という事態となっている。
何かが起こってからでは手遅れになるので、これからもこの動きは広がっていきそうだ。
報道が出て、月曜日には小林製薬の株価はストップ安になった。
わたしは食品添加物に興味があり、本で読んだり調べたりしている。
ハム、ソーセージの発色剤などには敏感で、長年気を付けていたのに、もういい年なので、最近は無頓着になってしまった。
安全と思って食べていたものが、突然危険なものになったり、健康維持のために摂っていたサプリメントで病気になってしまったり。
ひとつのものに偏らず、いろいろなものを少しずつ食べることを心掛ることが自衛手段だと思うけれど、今回のことで不安な気持ちになっている。