長生きは目出度いのか
血は繋がってないが、親戚に大叔父、大伯母で103歳まで生きた人がいる。
大伯母は大阪に住んでいて、どんな晩年だったのか知らないが、大叔父は同じ市内の施設に入っていたので、父や従姉妹と何度か訪問した。
最後に会ったのは101歳の時だったが、しっかりしていて、わたしに一男一女がいることもはっきり覚えていた。
この大叔父の奥さんは、わたしの祖母の妹で、今思えば若年性認知症だった。
とても明るく楽しい人だったので、自宅によく遊びに行っていたが、60代ぐらいから物忘れがひどく、同じことを繰り返しいっていた。
そんな大叔母は70代で亡くなった。
大叔父は住んでいた家を売却して、早々と施設に入居した。
結局、30年近く同じ施設に入っていたことになる。
本人にとっても、予想外のことだったと思われる。
老後の資金は枯渇しなかったのか。
余所事ながら心配になった。
長生きすると、子どもたちも立派な高齢者である。
大叔父の息子さんは一度死にかけて、AEDのお蔭で一命を取り止めた。
その時大叔父は100歳。
こんなことをいうと叱られそうだけど、あまり長生きするのも考えものだなと思ってしまう自分がいる。
年をとったら仕方がないこととわかっていても、自立出来なくなって、誰かのお世話になると思うだけで辛い。
尤も、その時にはすっかり呆けてしまって、そんなことは気にならないかも知れない。
それもまた辛い。
まぁ、それもまだ先の話だと思っているから今は何とでもいえる。
生まれ方も死に方も自分では選べない。
しかし、生きている限りは、健康でありたいというのは、万人の願いだと思う。
すべてやり切った…と穏やかな気持ちで旅立つのか、不完全燃焼のままジタバタするのか。
それは往生際までわからない。