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5.13

40分ほど前に私は自殺をした。
自分で自分を殺した。
40分前までの自分を殺してリセットした。

これは私が定期的に行う行為で、自分の為にやっている。

私は不登校になり始めた中学一年生の頃から自傷行為をするようになった。主に腕にカッターやカミソリで切り傷をつけるいわゆるリストカット。しだいに悪化してレグカ、薬の過剰摂取にまで手を出すようになった。

もう覚えていないが、何かがとても辛くて泣いていた夜中にふと、ああ腕を切りたいODしたい、と思った。でもこれ以上傷を残したり薬にお金を使ったり耐性がついてしまったら母や父にバレてしまう、悲しませてしまうと思ってなにもできずにいた。そんな時に思いついたのが、首吊り。

首吊りは自殺や死刑執行に使われるものだけれど、私は、今やらなきゃ吊らなきゃ、と思った。死ぬ気も勇気もないくせに。

すぐに首吊りに取り掛かった。布団の近くにある背の低い服かけに、使っていないスカートのベルトを縛り付けた。そして余りの長い部分を自分の首に巻いた。手探りで結んで軽く体重を掛けて解けないことを確認した。床に手を着く。目からこぼれ落ちた涙をぬぐって軽く深呼吸をして、少しずつ体重をかけた。なにも考えないで、少しずつ。
だんだん苦しくなってきて、頭の中でも苦しい、苦しい、と考えるようになってくる。それでもまだ体重をかけ続ける。次第に、あ、これ死ぬかも、と思った。それからほんの数秒、ブワッと謎の感覚に襲われて、体重をかけるのをやめた。

その瞬間とても気持ちが楽になった。あ、今までの私とは違う、と思った。

今までの私は死んだ。今ここで。首を吊って死んだんだ。今の私は新しい私。数秒後を生きる私。

明日も幸せな事がたくさんあって、その倍嫌な事がたくさんあって、いろんなことを感じたり考えたり思ったり、笑ったり泣いたりする。そんな時に、私にふと、また首を吊りたいと思うときが来ると思う。
その時はまた首を吊ろうよ
明日の私の為に
自分の為に

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