マネージャーへ伝えたいメッセージ|失敗から学んだ7つの心構え
ユニークワンの創業は2014年。これまでにした失敗の中でも、最も大きな失敗が”組織マネジメント”です。
会社を創業した後、ご縁に恵まれてたくさんの仕事を頂戴しました。当時は目の前の仕事に対応することで精一杯になってしまい、組織づくりを後回しに。最初の3年はそれでも順調に成長してこれましたが、3年目を迎えるあたりから色々なところに不具合が出始めました。
至るところで会社への不満が噴出し、創業期のメンバーが続々と離職する事態に。
いまになって振り返ると、いわゆる”30人の壁”にぶつかっていたような気がします。
”30人の壁”とは一体なんでしょうか?
30人の壁とは、人数が増えて2階層によるマネジメントに限界が生じ、組織が3階層に移行する際に生じる様々な不具合です。
社長が直接メンバーに指示をするフェーズから、中間にマネージャーを置き、マネージャーを通じてメンバーに指示を出すフェーズに移行します。
この壁が思った以上に厚く、多くのベンチャー企業がこの壁にぶつかるのではないのでしょうか。やってみてわかったのですが、ただ単に組織構造を2階層→3階層にすれば解決するわけではありません。
経営者とメンバーの間に立つマネージャーの振る舞いによって、組織は良くも悪くもなります。マネージャーがメンバー感覚のままでいると、経営と現場を繋げることができず、社長は裸の王様状態に陥ります。
現在弊社でマネージャーポジションのメンバーは、他社で経験を積んできたベテランも多いです。しかし中には、経験が少ない段階でマネージャーになる人もいます。今後組織が拡大すると、マネジメント未経験からマネージャーになるメンバーは更に増えていくはず。
今回のnoteではマネージャーとして仕事をするうえで核となる「心構え」を伝えたいと思います。
ちなみにこのnoteは、社内用に公開している「マネージャーに守ってほしいルール」に、一部修正を加えたものです。
なぜnoteでも公開するのか、理由は2つあります。
1つ目は、ユニークワンに興味を持ってくれている方にも知ってほしいからです。ITベンチャーに興味のある方はやる気に満ち溢れた方が多いはず。会社を変えたい=マネージャーになってみたいという方にも届けばいいなと思いました。
2つ目の理由は、世の中の「新任マネージャー」の方にとって少しでも参考になれば、という想いからです。特にベンチャー企業だと、マネジメント経験がない方がいきなりマネージャーになるケースが多いはず。その上、大企業と違って「マネジメント研修」のようなものを受けられるわけでなく、いきなり実践になりますよね。そういった方々にとって「仕事の軸」となる心構えが少しでも役に立てればいいなと思いました。
ただ、偉そうに伝えるつもりは全くありません。実は自分の失敗談が元となったメッセージです笑
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前提:社長も部長も偉くない
私が会社員だった頃は「社長は偉くて、平社員である自分は偉くない」と思っていました。しかし、自分が社長になった今は「社長と一般社員は、役割が違うだけで対等な関係」という考えに至りました。
日本語だと「上司」「部下」という表現になるので誤解が生じがちですが、そこに人としての優劣や上下があるわけではありません。唯一の違いは、組織をスムーズに運営するための「決める役割」、すなわち権限を保有しているかどうかの違いです。
社長には社長の役割があり、マネージャーにはマネージャーの役割があり、メンバーにはメンバーの役割があります。それぞれの役割が会社にとって必要不可欠であり、そこに優劣はありません。ともに支え合っている関係性です。
1."ルール違反"を認めない
組織をスムーズに運営するために、マネージャーがまずやらなければいけないことは、「ルールを作り、守らせること」です。
2020年の秋ごろから、ユニークワンでは組織マネジメントに「識学」の考え方を取り入れています。そこでベースとなっているのが「ルール」なのです。
ルールには、姿勢のルール(挨拶など、できる・できないが存在しないルール)と行動のルール(売上目標など、できる・できないが存在するルール)の2種類が存在します。姿勢のルールを守るようになってから、ようやく行動のルールも守ることができます。
姿勢のルールには「できる・できない」が存在しません。姿勢のルールを徹底して守らせることが、マネージャーとしての一丁目一番地にあたります。
2."一つ飛ばし"をしない
これはとても基本的なことなのですが、通常組織において業務指示を出せるのは直属の上司のみです。
部長A→チーム長B→メンバーCという位置関係だった場合、部長Aの指示はチーム長Bを通じてメンバーCに伝わります。
一つ飛ばしとは、部長Aが直接メンバーCに指示をしたり、逆にメンバーCが中間にいるチーム長Bを通さずAに直接報告、連絡、相談をすることです。
一つ飛ばしは、チーム長Bを介せずメンバーCへ直接指示が出るので、一見すると効率的に見えます。
実はかつてユニークワンでは、このように一つ飛ばしで仕事を進めるケースが往々にしてありました。仕事の進みも早いし「フラット」な感じがして、一見良く見えます。
しかし、これは組織において好ましくない行為なのです。
なぜ一つ飛ばしをしてはいけないのでしょうか。
たとえば中間のチーム長Bが「自分の責任」を感じるのが難しくなります。部長AがメンバーCに指示を出した瞬間から、Bは「あとは部長に任せておけばいいな」となってしまいますよね。
また、メンバーCが部長Aに従い、チーム長Bの言うことを聞かなくなるかもしれません。そうならないとしても、上司が2人いるような状態になります。このような状態になると、メンバーCはどちらの指示に従うべきなのか迷いだし、大きなタイムロスが発生します。
3. "責任逃れの発言"をしない
それぞれの役職に応じた責任と権限というものがあります。
責任とは立場上負わなければいけない任務・義務です。組織における位置を理解し、与えられた責任から逃げるような発言は控えてください。
責任逃れの発言について、具体的な例を記載します。
・伝達役であることを強調する「例:上が決めたことだから」
・部下の勇み足であることを主張する「例:●さんが勝手にやったこと」
「上が決めたことだからやってください」という指示はたしかに楽ですが、ただ情報を横流しするだけの伝書鳩なら、部下にとって不要な存在です。そんな上司の言うことなど誰も聞かなくなるでしょう。
必要性に納得できなければ会社や上司とまず話すべき。必要性に納得したなら”自分からの指示”として部下に伝えていきましょう。
また「●さんが勝手にやったこと。私は知りませんでした」と発言するような、部下を守る覚悟がない上司も部下から信頼されません。成功した手柄は部下に与えて、失敗した責任は自分が持つ。 そんな上司だからこそ、部下も信頼してついてきてくれます。
自身の位置を理解し、相応の発言・行動をしましょう。
4."部下が決める権利"を奪わない
マネージャーは、部下が自由に決める権利を奪ってはいけません。仕事が出来る人であればあるほど「自分が決めたほうが早い」となりがちなので注意してください。
人は自分が決めていないことに対して「自分のせいだ・・・」と責任を感じるのが難しい。部下であるメンバーが成長するためには、決定経験を増やすことが不可欠です。
もし部下から決めることを求められたとしても、それが部下の責任範囲である場合は上司が決めないでください。「●●さんはどうしたいですか?」と伝え、部下の判断で自由に決定させましょう。
5.部下に"不公平さ"を感じさせない
マネージャーになるということは、評価者になるということです。評価する立場である以上、部下とは一定の距離感を保ち、公平に接するよう心がけましょう。
例えば一部の部下と個別に飲み会に行くと、参加していない部下は少なからず不公平さを感じますよね。
会社のイベントとして開催する歓送迎会などは、もちろん参加してOKです。しかし、それでも評価者という立場を忘れずに、一部に偏ることなく接する必要があります。
6.感情的に"怒らない"
ミスやトラブルが発生したとしても、感情的になって怒ってはいけません。上司と部下は対等な関係なので、怒りの感情をぶつけることは許されないのです。
怒られた部下は萎縮してしまいます。トラブルやミス報告などの「バッドニュース」を報告できなくなってしまうかもしれません。また、怒られたショックで、本来のパフォーマンスを発揮できなくなることもあり得ます。
ミスやトラブルが発生した際は、事実関係を確認しながら冷静に対処しましょう。指導が必要な場合も、皆の前では行わず個別に行うなど部下の心情に対する配慮が必要です。
ただし、部下が以下に該当する行為をした場合、上司は本気で怒らなければいけません。
・倫理を犯す行為をしたとき
・嘘をついたとき
・約束(ルール)を破ったとき
部下が「守らなければいけないライン」を超えた場合は、上司としてちゃんと怒る必要があります。この点も留意してください。
7.部下の前で"陰口"を言わない
部下の前で、会社や上司の陰口を言ってはいけません。なぜなら言った瞬間、あなたは部下に上司だと認識されなくなるからです。
陰口を聞いてしまった部下からすれば「この上司は会社に不満があるということは、この人の言うことを聞かなくても会社に逆らったことにはならない。」と感じてしまいます。
この信用失墜は上司として致命的で、その信頼は二度と取り戻せません。
ただし、マネージャーといえども人間なので、愚痴を吐きたくなることもあるはずです。どうしてもガス抜きが必要ならば、部下以外の相手を社内・社外に見つけておき、うまく対処しましょう。
最後に
以上、「ルール違反を認めない」「一つ飛ばしをしない」「責任逃れの発言をしない」「部下が決める権利を奪わない」「部下に不公平さを感じさせない」「怒らない」「部下の前で陰口を言わない」の7つが、マネージャーにとって必須の心構えです。
これらの心構えが、私も最初からできていたわけではありません。一つ飛ばしをしまくって現場に混乱を招いたり、入社間もないメンバーを突然抜擢して現場から不満が噴出したり。こうした過去の苦い経験から生まれた賜物です(笑)
マネジメントとは、部下であるメンバーに能力を最大限に発揮してもらうこと。自分がプレイヤーとなって能力を発揮することとは、まったく異なるスキルが求められます。私もそうでしたが、最初から上手に部下をマネジメントできる人はいません。 迷いや不安があったら、気軽に上司に相談してみてください。
個人が持つ能力を引き出し、組織のパワーを最大限に発揮していきましょう!
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以上が、ユニークワンのマネージャーに伝えたいメッセージでした。人に能力を発揮してもらうためのマネジメントはとても大変ですが、その分やりがいもあります。
マネージャー・メンバーとともに全力で走って、ユニークワンは組織としてパワーアップしていきます。
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