国語の文章題はたくさん解いた方が良い?
もう少しすると、日本の学校では夏休みが始まりますね。
受験を迎える生徒にとっては、一つの山場になるのではないでしょうか。また、いわゆる受験生ではなくとも、夏休みはじっくり学習に取り組むチャンスでもあります。
夏休みならではの経験をしたり、自分の好きなことに集中して取り組んだりしつつ、うまくバランスを取りながら「学び」に時間を当てられると良いですよね。
さて、この時期になると国語の学習の進め方について質問を受けることがたまにあります。
その中の1つが……
「国語の点数を上げるには、文章題をたくさん解いた方が良いですか?」という質問です。
これに対する答えは、「半分Noで、半分Yes」です。
まずは、「半分No」の部分に関して。
ごく当たり前のことですが、いい加減な取り組み方をしていたら、どんなに量をこなしても自分の成長は望めません。
国語に限った話ではありませんが、問題は「解く」時間と同じくらい、解き直しや復習が大切です。
たとえば、選択式の問題で間違ってしまったときに、「自分はアを選んだけど、答えはウだったな。赤ペンで書き直しておこう〜」だけで終わってしまったら意味がありません。
自分がなぜ読み間違えてしまったのか、正解の根拠は本文のどこに書かれていたのか、などを確認して初めて「解き直し」になります。「単純に丸つけしておしまい!」だともったいないです。
たくさんの問題に触れること自体は悪いことではありませんが、いい加減な取り組み方だとあまり効果は期待できません。これが「半分No」と答える理由です。
一方で、「半分Yes」と答えた理由について。
国語の文章題の場合、決まった解法があるわけではありません。もちろんある程度の「定石」はありますが、課される文章に応じて個別具体的に判断していかなければならない部分の方が多いです。
だからよく「色々な文章題に触れて、問題に慣れていきましょう!」なんて言われることがあります。
決して間違ったことを言っているわけではないのですが、「慣れるしかない!」と言われると、国語が苦手な人はげんなりしてしまうかもしれませんね。たしかに身も蓋もないアドバイスです笑。
そんなときは、ぜひもう一歩踏み込んで考えてみると良いと思います。
「国語が苦手」という人も、その悩みは人によって微妙にちがいます。いったい「何」に対して「慣れる」必要があるのか考えてみてください。
よくあるのが、「文章自体が難しくて読み込むのに時間がかかる」「内容がうまく頭に入ってこない」という悩みの声です。特に学年が上がると、文章に登場する語彙が難しくなったり、扱うテーマが抽象的になったりして、一気に難易度が上がります。普段そういった文章を読み慣れていない生徒にとっては手強い存在ですよね。
ただ、問題として取り上げられる文章(特に説明的文章)は結構テーマや主張が似ているものが多く、繰り返し練習を続けていくと、「どこかで似たような話を読んだことがあるな」と感じることもあります。
たとえば、科学系の文章だと、「人間と自然」や「近代科学と現代科学」の対比をテーマにしたものは多いです。
ある程度その分野で論じられる内容がイメージできていると、初見の文章であってもスムーズに理解しやすくなります。いろいろな文章題に触れておくことは、自分の「引き出し」を増やすことにつながります。
これが「半分Yes」と答える理由です。
もちろん「国語力」というものは、ペーパーテストだけで数値化できるものではなく、もっと多角的に評価していく必要があると思います。「文章題」は分かりやすいトレーニングの形をしていますが、それ以外にも様々な学習方法があることも忘れてはいけません。
ただし、現実的に考えると、目の前に迫っている「試験」とどのように向き合うのかは当人にとって大きな課題ですよね。国語は「経験の積み重ね」がとても大切な科目なので、まずは文章題を繰り返し解きながら、自分の判断力や思考力を研ぎ澄ませていくのが良いと思います。
「とにかくたくさん量をこなそう!」というものではありませんが、ある程度の「量」は必要なので、計画的に学習を進めていけると良いですね。もちろん「質」を確保することも必須条件です。
国語に限った話ではなく、学習を進める際は目的意識を持つことが大切です。やみくもに勉強するのではなく、「何のために?」と意識することで学習の質が上がります。
目的(例:〇〇高校に合格したい)を達成するためには何が必要なのか、目的から逆算しつつ、小さな目標を設定してみると良いと思います。こういった学習姿勢は、受験などが終わった後も自分の糧になってくれる貴重な財産です。
もうちょっとで夏休み!
それぞれが自分の時間を楽しみつつ、バランスよく学習に取り組めると良いですね。自分の目的に向かってがんばる受験生を応援しています!
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