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塾講師は誰でもできる仕事?

「塾講師」という言葉を聞いて、皆さんはどんなことをイメージするでしょうか?

もしかすると「学生のアルバイト」を連想される方もいらっしゃるかもしれませんね。実際わたしも学生の頃に1年間だけ個別指導塾でアルバイトをしていた経験があります。家庭教師派遣サービスに登録している友人もいました。

学生にとっては割と身近なアルバイトの選択肢の一つではないでしょうか。個人差もありますが、人によっては自分の「得意」を活かしやすい仕事と言えますね。


ただ、塾講師は「アルバイト」のイメージが強いのか、ときどき「誰にでもできる仕事」と思われることも実は少なくありません。

たしかに学校で勤める教員とちがって、免許や特別な資格などは基本的に不要です。採用の際に、ある程度の学歴を基準で設けることが多いですが、それ以外に資格を求められることはそれほどありません(もちろんあるに越したことはない)。

実際わたしが新卒で就職したときも、TOEICのスコア以外には何も履歴書に記載できる資格がありませんでした……笑



では、「塾講師は誰にでもできる仕事なのか?」と問われると、そうとも限りません。

一口に「塾講師」と言っても様々で、アルバイトで働いている人もいれば、プロとしてフルタイムで働いている人もいますし、教える形態だって個別や集団など色々あります。最近だとオンラインでの指導も増えてきましたね。個人経営の塾で働くのか、バリバリの進学塾で働くのかによってもちがうと思います。

そのため、十把一絡げで語るのは難しいのですが、少なくともプロとして働くのであれば、それなりの技術と知識を求められることは間違いありません。


まずは「塾」という特性上、講師には相応の知識が必須です。

もちろん生徒とのコミュニケーションや精神的なサポートなども重要ですが、やはり保護者からは費用に値するだけの「効果」を求められます。ビジネスである以上、講師自身に技量があることが大前提です。これが学校との大きな違いですね。学校は簡単に転校できませんが、成績が芳しくないから転塾するというのはよく聞く話です。

どれだけ崇高な教育理念や信念を持っていたとしても、技量が伴わなければ評価してもらえないという面もあります。厳しいけれど、プロとして働く以上は現実として受け止めなければいけない部分です。

また、当然ながら単に自分が問題を解けるだけでは不十分。生徒の理解度に合わせて解説をする技術が必要です。柔軟に対応するスキルが求められます。


今だからこそ言える話ですが、塾講師として働き始めた当初は本当に、本当に……大変でした笑。一通り問題が解けたとしても、改めて勉強し直さなければいけないことが山積みで、1年目は退勤後に24時間営業のカフェでひたすら問題と格闘していた記憶があります……。日付を越えてから帰宅することも珍しくありませんでした。

自分が問題を「解ける」ことと「教えられる」ことは決してイコールではないんですよね。そう考えると、やはり「誰でもできる仕事」とは言い切れません。自分で考えて工夫する、という努力がとにかく求められる仕事だと思います。



塾講師(現在はオンライン家庭教師)として働き始めて10年以上経ちましたが、いまだに予習は欠かせません。仮に同じ問題であっても、「この子だったら、こんな風に説明したらいいかな」「この問題でつまずきそうだな」など考えながら準備するためです。

どうしても長年同じことを続けていると「パターン化」してくる部分もありますが、そこで思考を停止させてしまうと、時代の変化についていけません。紋切り型の授業を繰り返すだけなら、YouTubeなどの授業動画やAIを活用したサービスに取って代わられてしまう可能性だってあります。


時代の変化を踏まえると、もしかするとアルバイトとしての塾講師の需要も今後変わってくるかもしれませんね。単純に解説をするだけなら、コストを抑えられるAIや動画でもいいじゃないか、という人がさらに増えてきそうです。

そうなると「塾講師」という仕事の位置付けやイメージもシフトしていく気がします。いずれにしても、時代の変化に応じたニーズに対応できるように、常にアンテナを高くしながら活動を続けていきたいです。


塾講師は一般的に楽な仕事ではありませんが、やりがいの大きな仕事であることも確かです。「教える」ことが好きで授業メインで働きたいんだよな……という方は、塾などの講師を選択肢に入れて考えてみるのも良いかもしれませんね。



みな

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