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オーダーストップあれこれ

オーダーストップとは 皆さんもご存じの通り
飲食店が 閉店時間に近づいたときに
客の注文を打ち切るあれである

オーダーストップ時の客への呼びかけ方は様々である

小さな温泉宿でのオーダーストップは かなりアナログである

宿泊客「おばちゃん、ビールまだある?あと三本!」
従業員「若いね まだいくらでもあるよ
    で ご飯もって来さしてもらっていいかしら?」

ご飯が来たら飲み終了やん あかんやん
そんなことを考えて次の言葉を発しようとするとすかさず

従業員「台風が来て おばちゃん家に帰られんくなるのよ」
宿泊客「そらあかんなあ 早よ仕事切り上げて帰らんと」
従業員「ここいらは辺鄙だからねえ」

客に 従業員のプライベート丸出しである
このようなオーダーストップは なかなか人情味があり
かつ 旅情豊かである

一方 同じ旅先の食事でも
乗降客の多い駅の セルフサービス型カフェなどの場合は
こうである

従業員(カウンターから出て店内客に向けて大きな声で)
   「これにてオーダーストップとなります
    ご注文はございませんでしょうか?
    ありがとうございます」
   (カウンターの中に戻る)

従業員が 流れるようにオーダーストップ用台本を読み上げる
たしかに台本通り読み上げることはできたが
間の取り方が間違っている

「ご注文はございませんでしょうか?」と
「ありがとうございます」の間に
全く間がないのである つまり

「ご注文はございませんでしょうかありがとうございます」

こんな感じである しかも
最後の「す」を発した次の瞬間には
もうカウンターの奥へと従業員は消えている
このタイミングで注文するのは非常に難しい
従業員の 早く帰らせてくれという本音を
垣間見ずにはいられない

和室で行われる親睦飲み会などでは
自主的なオーダーストップも必要である
例えばビールの注ぎ合いの際に見られる
次のような場面には注意が必要である

A「まあ 飲もうやっ」(ビールビンを持つ)
B「もうそのビン空っぽやってっ」
A「ほなこれで まあ 飲もうやっ」(別のビールビンを持つ)
 「あれ?」(ビールが出ない)
B「詮抜いてないしっ」

この場合のAはかなり危険である
おそらく翌日は
Aはこの状況を覚えていないと考えられる
このような場面に遭遇した場合は
Aのコップにビールを注ぐのをやめるのはもちろん
早めに毛布や新聞紙を用意しておくとちょうど良い
さっきの例を二、三回繰り返した後
ほどなく彼は横になって 爆睡状態に陥るからである

余談ではあるが このような際
Aを仰向けに寝かせたままではいけない
必ず体を横に向けさせ
口元に新聞紙を敷いておく
自ら出した物による窒息事故を 防ぐためである
ぜひ覚えておいていただきたい

オーダーストップにも
いろいろな形態が あるものだ


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