雨に濡れる詩人(妄想)
5月。世間は大型連休に沸いていた。
早めの夕食をすませたあと、近くの海まで歩いた。空はあつい雲におおわれて、雨が降りそうな予感がした。
「ここで詩でも書くか?」
海辺の道を歩きながら、近くの民家から焼き魚の匂いが漂ってくる。俺はただ歩く。歩くだけだ。何も考えずに。
突然、大雨が降ってきた。俺はびしょ濡れになった。でも、どうでもよかった。雨に濡れるのも悪くない。そう思った。
帰り道、走っている美しい女性に出会った。彼女もびしょ濡れだ。どうやら、俺だけじゃないらしい。この雨に濡れているのは。
「おい、大丈夫か?」と声をかける。
彼女は少し驚いて、そして微笑む。「大丈夫よ。雨に濡れるのは気持ちいいわ。」と答える。
俺は彼女に同意する。「そうだね。雨に濡れるのも悪くない。」
彼女はにっこり笑う。その笑顔が、何だか俺を元気づけた。俺たちびしょ濡れの二人は、まるで世界を共有しているような気がした。
今日はこんな感じで終わりだろう。
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