さらば日本海 酒田の餃子 4

 時計を見ると14時過ぎ。温泉宿に泊まるにはあまりにも贅沢な時間。頭の中で以降の計画を考える。自由にふるまえるひとり旅の良いところだ。
翌日は更に日本海を北上して酒田という街を訪ね、のちにまた日本海を南下、村上という街に行き、下り電車で新潟方面からやってくる友達と合流してから海沿いの瀬波温泉まで行く予定になっていたが、ひとり旅の自由を感じているとそれも煩わしくなり、下痢をしてしまい明日はおやすみします、そこには行きません、とメールしようかと本気で考える。
 宿までの道のり、道路沿いに川が流れていて、送迎バスのドライバーが今日は鮭の遡上が見られますといいながらちょうどいい場所にバスを止めてくれた。
 期待に応えるかのように鮭が逆流に抗うように遡上しているのが見えた。川の流れは早くそれでも流されることなく遡上する鮭の筋力はものすごいものなのだな、と思いながら見ていた。
 宿についたら夕食の時間までの数時間、露天風呂にいる。夕食がすんだらまた露天風呂に数時間いる、そんな綿密で精細な計画を立てた。
 かつてから日本海のイカに一目置いているのだが、どこで獲れたかわかりもしないいつも食べている近所のスーパーのイカと比べたら比較しようのない旨さの日本海のイカ。イカさえあればもはやなにもいらないのではあるまイカ、そう考えながらも加えて山形牛、ワタシのココロは震えた。


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