「いつでも帰っておいで」
「ただいま」
スーツケースと共に、帰ってきました。息子です。律儀に、盆と正月は、我が家に帰ってくるのです。
「こんにちは」ではなく「ただいま」
「おかえり」
顔をみると、なぜかほっとします。
「いらっしゃい」ではなく「おかえり」
我が家の猫さんたちは、妙にソワソワしています。が、そのうち膝に乗るでしょう。
「息子と酒を酌み交わす」ことまでは、実はしたことないのですが、食事のとき、ビールの缶を、少しコツンとしてみたりもします。
関東で、初めて2人で入ったお好み焼き屋さん。2つ並んだジョッキの写真は、大事に残してあります。日付を覚えているので、まぎれることは…ありません。
帰省中は、ツレと釣りの毎日。時々、私たちと一緒に買い物に出かけることも、あることはあるかな。
ご飯を食べて、ちょっとしゃべって、そして寝る。ごくあたりまえの数日間。
いつまでいるのか、いつ帰るのか、実は聞いたことがありません。なんだか、急かすようで聞けないのです。
帰る前日、妻にそっと伝えます。
「『いつでも帰っておいで』って言っておいて」
「自分で言ったら」と妻。
「それもそうだな」
「いつでも帰っておいで」
結局、職場からLINEで送ってしまいました。
「また来て」ではなく、「いつでも帰っておいで」
今年の正月の風景です。
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