見出し画像

週刊金融日記 第10号 恋愛格差社会—恋愛市場から撤退する男たち、サルでも分かるユーロ危機、隣同士で座れるムーディーな定番高級フレンチ、他

// 週刊金融日記
// 2012年6月17日 第10号
// 恋愛格差社会 —恋愛市場から撤退する男たち
// サルでも分かるユーロ危機
// 隣同士で座れるムーディーな定番高級フレンチ
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 今週は、格差の発散に関して論じたいと思います。ひとつ目は恋愛市場の格差の拡大とその固定化です。ふたつ目はユーロ圏諸国の国家間格差の発散です。実は、これらの問題には共通するメカニズムが背後にあったのです。

1.恋愛格差社会 —恋愛市場から撤退する男たち

 週刊金融日記第8号では、恋愛市場で約7.7人の男性がひとりの女性とセックスするために競争している、ということを示した。この数字を見て、恋愛市場の激烈な競争に慄いた男性読者も多いだろう。しかし、安心して欲しい。実際の所、恋愛市場での競争は、これよりずっとゆるやかである。適切な手順さえ踏んで努力を続ければ、並以上の女子とセックスするのはそれほど難しくない。
 実の所、多くの男性は、恋愛市場からすでに撤退している。つまり、ゲームから降りているのだ。

===============================
週刊金融日記Vol.8、恋愛市場の要約

 日本の人口は約1億3000万人だから、男性、女性はそれぞれ約6500万人ずつ。どの年齢にも等しく人口が矩形状に分布していると仮定する。問題を簡単にするため、女性が多くの男性から求愛されるのは20歳〜35歳の15年間だけでそれ以外のモテはゼロだと仮定する。(これはあくまで計算上の仮定であり、アラフォー女子にも魅力的なひとはたくさんいる。また、未成年との恋愛は淫行条例などがあると多大なリーガル・リスクを背負うのでここではカットした) 

 女性の平均寿命は80歳で矩形の人口分布という仮定を使えば、

 6500万人 x 15年/80年 ≒ 1200万人

が年齢の観点から見た場合にモテる女性ということになる。ここで「平均よりも可愛い」という条件を加えると、約600万人になる。つまり、恋愛適齢期で平均よりも可愛い女子は日本に600万人いることになる。
 男性の場合は、射精できる限り、いちおう誰にでもチャンスがあることになる。ハゲ・チビ・デブでも、お医者さんだったり、社会的にステータスの高い職業に就いている男性は、当たり前のように美人と結婚している。資本主義社会では誰にでもお金持ちになるチャンスはあるのだから、外見のハンディキャップは、少なくとも結婚に関しては克服可能ということになる。
 6500万人のうちで射精できるのは15歳〜65歳ぐらい、また男子の平均寿命を70歳だと仮定すると、

 6500万人 x 50年/70年 ≒ 4600万人

の男性が恋愛市場に参戦し、先ほど計算した600万人の女子を奪い合っている。
 つまり、

 4600万人 ÷ 600万人 ≒ 7.7人

となるので、1人の女性の周りに平均7.7人の男性がセックスをしようと群がっていることになる。
===============================

 上記の計算では、4600万人の男性が恋愛市場に参戦しているとされたが、実際の生身の素人女性を巡る競争においては、これの半分もいないだろう。おそらく1500万人程度の男性しか恋愛市場に参加していない。つまり、

ここから先は

13,638字

¥ 220

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?