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週刊金融日記 第407号 手のひら返しと一貫性について、未だ株式市場だけ新型コロナウイルス禍を織り込まず、感染防止のため今週は休止、マスクの買い占めは悪ですか、他

// 週刊金融日記
// 2020年2月17日 第407号
// 手のひら返しと一貫性について
// 未だ株式市場だけ新型コロナウイルス禍を織り込まず
// 感染防止のため今週は休止
// マスクの買い占めは悪ですか
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 ご存知のように、週末は日本でも次々と(中国渡航歴のない)新型コロナウイルスの感染者が見つかり、危機管理としてはフェーズが変わりました。

●新型コロナウイルス(COVID-19)の次の感染爆発の地は東京になりそうだ
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/52168377.html

 個人でできることですが、マスクは予防効果はそれほど期待できないようです。また、不足していて医療機関など必要としている人に行き渡らないため、国によっては症状がない人が付けることは推奨されておりません。いくつかの研究によると、一番の感染源は自分の手のようです。いろいろなところに付着しているウイルスが手に付き、その手が口や鼻の粘膜に接触し、ウイルスが体に入り込みます。よって、個人ができる一番の予防策は、頻繁に手を洗うことです。あとはうがいです。ちなみに、うがいによる予防効果ですが、イソジンとふつうの水道水だけを比べたところ、以外にもふつうの水道水だけのほうが風邪の予防効果は高いようです。これはイソジンが有用な常在菌まで殺してしまったり、粘膜を傷つけるためと考えられます。意外とイソジンは万能じゃないようです。ひょっとしたら、ちょっとヤバそうな女とやってしまったとき、事後的にイソジンでうがいしたり、あそこを必死こいて洗ったりしても、じつは逆効果なのかもしれません……。

★WHO事務局長のテドロス博士も言うように、手を綺麗にすることが一番の感染予防です。

●K. Satomura, et al., "Prevention of Upper Respiratory Tract Infectionsby Gargling: A Randomized Trial," Am J Prev Med 2005; 29.
http://www.hazamaiin.com/ebm/pdf/gargling_prevention.pdf

 もちろん、最強の予防法は誰にも会わず、人に近づかないことです。戦略的引きこもりですね。まあ、サラリーマンは会社に行ったり、つきあいなどで、そうも言ってられませんので、そういう場合はあきらめましょう。経済的な利益のためにリスクを取るということです。そして、現状のリスクなら、その価値は十分にあると思います。
 まだ、死亡者の詳しいブレークダウンに関して詳細はよくわかっておりませんし、もちろん正確な致死率もよくわかっていませんが、ざっくり言うと、感染者の1割程度が重症化して、そのうち1割、つまり感染者の1%ぐらいが死んでしまう感じで、その1割は高齢者や持病がある人に偏っているようです。若く健康な人でも死んでいる人もいるので、もちろん例外もあるでしょうが、健康でしっかりと免疫が機能していれば生き残れる確率はかなり高そうです。よく睡眠を取って、あまりストレスを溜めないことが大切ですね。

 ということで、家で英語の勉強でもしているのが得策です。以前紹介した発音矯正アプリのELSAがバレンタインのセールということで安くなっています。バレンタインデーは過ぎましたが、次のサイトからまだセール価格で買えます。この機会に是非。

ELSA: Special Discount
https://www.elsaspeak.com/kinyuunikki

『週刊金融日記 第319号 無料動画が役に立つのはエロではなく語学学習だ』
『週刊金融日記 第329号 英語学習のためのいまどきのツールを解説』

 今週も読者から興味深い投稿がいくつもあります。見どころは以下のとおりです。

- マスクの買い占めは悪ですか
- 既婚ですが昔のセフレと飲みに行っても「うちはダメ」と断られ続けています
- 金融資産5億円の既婚経営者ですが東出事件の影響で女子大生に不倫の関係を終わらせたいと言われています
- セックスの相性以外完璧な彼女と結婚すべきか
- 経営者と勤め人ではリスクの観点からどちらを選ぶべきでしょうか
- インド人はすでに自分たちが世界の主役だと思っています

 それでは今週もよろしくお願いします。

1.手のひら返しと一貫性について

 僕はもともと物理の研究者をしていて、その次はクオンツをして、それからずっとトレーダーをしていたのだけれど、ひとつ明らかに一般人と違う特性が身についている。それは、朝改暮変というか手のひら返しというか、分析してよく考えたり新しいニュースがあったりして、当初の考えが変わったら、何の躊躇もなく一瞬でそれまでの持論をひっくり返すことである。上司でも同僚でも間違っていることは間違っていると言う。なぜ研究者やトレーダーにそういう資質が必要かと言うと、当然だが、神が創った自然も、神が創った人間が作った市場も、人間組織の派閥の論理だとか、偉い人のメンツだとか、そういうものは一切気にしないからである。そういう人間社会の力学とはまったく独立した力学がそこにある。また、それらは人間の都合など気にしないというだけではない。学術研究でもトレーディングでも、むしろ偉い人の言うことを否定した方が、時により多くの報酬が与えられるのだ。科学の世界では、偉い人たちが作ってきたこれまでの定説を何らかのデータで覆すような研究が非常に高く評価される。市場でも多くの人が信じているコンセンサスが間違っていることにいち早く気づいた少数のトレーダーが最も多くの利益を得る。
 たとえば、僕はビットコインのブームにはずいぶんと遅れて参加したのだけれど、きっかけはビットコインとブロックチェーンの可能性に魅せられ、その夢を滔々と語る起業家の何人かと会ったことだった。それなら僕も買ってみるか、と始めてみた。最初は、僕も確かに彼らの言う通り、これが未来のお金だよ、とワイワイやっていたし、実際にそのようなことをこのメルマガでも書いていたのだが、自分でポジションを持っていろいろ研究していると、これはバブルで弾けるのも時間の問題、各国が規制しはじめてしばらく厳しいだろう、と考えが変わり、アービトラージポジションとたまにショートという戦略に変え、ブログでも、こりゃバブル弾けるわ!と書きはじめた。そして、ちょっとばかりの小銭を稼がせてもらった。

『外資系金融の終わり』 https://amzn.to/2HzJ9QF
『週刊金融日記 第311号 五公五民トレーディング戦略PL公開!今年のビットコイン市場を振り返る』

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