見出し画像

週刊金融日記 第599号 ガザ人道危機を受けてのグローバルサウスの動向と関心が薄れつつあるウクライナ戦争の行方、トヨタ営業利益4.5兆円へ、香港の安くて美味しい日本焼肉チェーン、出生率から予想されるイスラム時代、他

// 週刊金融日記
// 2023年11月6日 第599号
// ガザ人道危機を受けてのグローバルサウスの動向と関心が薄れつつあるウクライナ戦争の行方
// トヨタ営業利益4.5兆円へ
// 香港の安くて美味しい日本焼肉チェーン
// 出生率から予想されるイスラム時代
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 相変わらず世界は混沌としております。まあ、香港も日本も幸いなことに、とても平和なんですけどね。

★米ワシントンでも、週末には過去最大規模の反戦デモが行われました。

★アメリカの政治家では最長老という感じのサンダース議員も人道危機を訴えております。

★圧倒的な非対称の戦闘ですが、イスラエル軍とハマス戦闘員との市街戦が始まっています。

★紛争でトヨタ自動車が見直されると思って、トヨタ株買ったら多少は儲かりました。まあ、円安の寄与が大きいとは思いますが。

●Hamas Rides In Toyota Hilux Trucks During Military Parade To Show Off Force, After Ceasefire With Israel
https://autojosh.com/hamas-rides-in-toyota-hilux-trucks-during-military-parade-to-show-off-force-after-ceasefire-with-israel/

 今週も読者から興味深い投稿がいくつもあります。見どころは以下のとおりです。

- シンガポールのオススメがあれば教えてください
- 5回目コロナワクチンは打つのが正解でしょうか
- 30代後半年収4000万円ですが20代の時のような女性に対する情熱がなくなってしまいました

 それでは今週もよろしくお願いします。

1.ガザ人道危機を受けてのグローバルサウスの動向と関心が薄れつつあるウクライナ戦争の行方

 ずっと虐げられてきたガザ地区の住民を統治するハマスが、良くも悪くもハンググライダーに乗った十代のチンピラを束ねてイスラエルに大規模な奇襲攻撃を成功させてしまったことから、世界がひっくり返ってしまっています。それだけを見たら、ただの規模が大きいテロというだけなんですが、その背後には、パレスチナ問題という、第二次世界大戦以降の人類史の中で一番やばいことがど真ん中で関係していますし、あれほど道徳的な優位性を誇っていた西側陣営(the West)の政府が、毎日、数百人単位で何の罪もない子供たちが爆殺されているという究極の非道徳的な行為(その様子がスマホで撮影されインターネットにダダ漏れ)を傍観している、または間接的に支持しているという状況で、もうこれは世界が大きく変わらざるをえなくなってきました。

★世界は大きく変わろうとしているように思います。平和が損なわれる方向じゃないでしょうかね。

週刊金融日記 第595号 読めば5分でわかるガザ地区を統治するハマスのイスラエル奇襲作戦の背景と今後の戦争の展望
週刊金融日記 第596号 10分でわかるハマス奇襲攻撃に至る歴史的経緯と今後のイスラエル軍のガザ地区大規模地上侵攻について
週刊金融日記 第597号 東アジアでの有事に備えて我々はどう立ち振る舞うべきか
週刊金融日記 第598号 イスラエル軍ガザ地区地上侵攻開始でロシアと中国が大助かり

 この間に流れてくるニュースの量と重大さがハンパなくて、それらを追うのは大変です。今週のメルマガに書くネタを何にしようかな、そういえば頂き女子リリちゃんとかいたな、とか韓国から来たセクシーDJがおっぱい触られてピーピー騒いでる事件でも取り上げようか、みたいにやっていた時期が懐かしいです。十年も二十年も前に、爺さんにフェ◯をされた男性タレントとか、現在の世界で起きている人道危機と比べると、本当にどうでもいい些細なことですね。

週刊金融日記 第589号 頂き女子りりちゃんの頂き工学と20年以上前の東南アジアGoGo嬢の手口が酷似
週刊金融日記 第594号 某料理研究家やセクシーDJを甘く見ない方がいい
週刊金融日記 第591号 ジャニーズ事務所の終焉は日本の開国派にとっては福音である

 さて、日本語もガザ紛争についてのかなり質の高いコンテンツがいろいろ揃ってきましたから、この一週間で見つけたものをまとめます。僕は基本的には動画よりテキストの記事の方が好きですが、こういう状況が流動的かつ、自分の専門でもなく、最新の情報に価値があるようなものに関してはやはり動画がいいですね。

●【本格的地上戦か?前哨戦か?】中東最新情勢 山下裕貴×高橋和夫×池田明史 2023/10/30放送<前編>
https://www.youtube.com/watch?v=jWmxVWl20pU

●【憎しみの連鎖 根源は】歴史にみるパレスチナ問題 高橋和夫×池田明史 2023/10/30放送<後編>
https://www.youtube.com/watch?v=RA3SywhVXBA

●「原爆も選択肢」緊迫ガザ イスラエル流出文書が物議“出口戦略”は住民の集団移住か(2023年11月5日)
https://www.youtube.com/watch?v=DNWBhwNKYkY

 パレスチナ問題やイスラエル軍の動向について詳しい専門家を交えて、これまでの歴史を解説しながら最新のニュースについて議論しているので面白いです。また、3つ目の動画は最新の戦況が短くまとまっています。日本語の報道も(公知の情報をまとめて解説するという点では)世界と遜色ないレベルになっています。残念ながら現場取材力はガザ地区内にジャーナリストを常駐させているアルジャジーラなどに頼ることになります。

★アルジャジーラの記者たちには本当に頭が下がる思いです。

●【中東戦争リスクと石油危機リスク】国務省高官の予言/バイデン政権の過ち/アメリカの影響力低下/中東戦争なら原油価格は倍?/中東戦争で原油輸送網が絶たれるリスク/日本は原発再稼働を【ジェセフ・クラフト】
https://www.youtube.com/watch?v=kwPJY7uX6GA

●【トランプ当選確率が急上昇の理由】日本株減速の3つの要因/2024年後半から株価が上がる/株価は今後5年で6万円に/米大統領選の3伏兵/トランプ当選は悪夢シナリオ/台湾を見捨てる【ジョセフ・クラフト】
https://www.youtube.com/watch?v=9B76yUsitww

 上記の2つの動画は、僕はアメリカの選挙についてそこまでくわしくないので、いろいろ勉強になりました。

●孤立するバイデン氏の足元で何が?/グローバルサウス「二重基準」批判高まる【11月3日(金)報道1930】|TBS NEWS DIG
https://www.youtube.com/watch?v=bxtr7rpHdyg

 グローバルサウスというのは、世界が西側先進国+日本+韓国+台湾、ロシアと中国、中東の富裕な産油国ぐらいで大まかにバランスしていて、それ以外のすべての広大な新興国グループぐらいの意味で、なんかビジネスになりそうなので、誰かが金儲けのネタにしようと企んで、途上国とか第三世界のことをまとめて「グローバルサウス」とかっこよく呼ぶようになったんだと思います。南米とか東南アジアとかインドとかアフリカですね。でも、金儲けのネタになる必要があるので、資源があったり、安価で良質な労働力があったりする適度な途上国のことで、資源もなく内戦ばっかりやってる本当にやばい最貧国はここには入っていないように思います。
 次の経済成長のフロンティアとして、グローバルサウスへの事業進出や投資、政府間協力でのインフラ整備などで、どこの国が主導権を握るかいろいろ競争しているわけです。具体的には、もちろん西側先進国や日本、あとは一帯一路構想とかやってる中国ですね。日本も含めて、西側メディアは、基本的には中国とロシアが仮想敵国ですので、中国が主導権を取ることを嫌い、多少なりともバイアスがかかった報道がなされています。
 今週号では、このグローバルサウスが、意外と西側陣営から離れつつある、ということと、あと、関心が薄れつつあるウクライナでの戦争について書きたいと思います。

ここから先は

10,420字

¥ 220

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?