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週刊金融日記 第265号 日本社会で多夫一妻制が急激に進行していた、品川駅高輪口の小汚い居酒屋雑居ビル、マクロン仏大統領史上最年少で当選、婚約解消のご報告、他

// 週刊金融日記
// 2017年5月9日 第265号
// 日本社会で多夫一妻制が急激に進行していた
// マクロン仏大統領史上最年少で当選
// 品川駅高輪口の小汚い居酒屋雑居ビル
// 婚約解消のご報告
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 ゴールデンウィークは瀬戸内海で釣りをしてきたのですが、釣りというのは、とても恋愛工学に似ていますね。釣り師同士が、あそこでいい型のタイが釣れたとか、こういう仕掛けでやるとヒラメが釣れるとか、ワイワイやっております。何だか恋愛工学のコミュニティを見ているようでした。釣りも恋愛も、基本はポイント、仕掛け、タイミングですからね。

★まずは簡単なアジを釣ってから、カサゴやメバルを狙いにいきました。この辺の戦略も恋愛工学に似ていますね。

 経済誌のZAITENで拙著が紹介されました。見開き2ページになっております。

●ZAITEN 2017年6月号「結婚制度にもクーリングオフが必要だ」
http://amzn.to/2qVF9jp

 日刊SPA!で結婚制度が崩壊しつつある現状に対してコメントしました。また、今週はこの話題について、マクロ恋愛工学の視点から分析します。多夫一妻制に移行しつつある日本の恋愛・結婚市場の恐るべき実態が浮き彫りになります。

●モテない男のための救済政策だった結婚制度は崩壊しつつある
https://nikkan-spa.jp/1326031

 週末はフランスの大統領選挙が行われ、極右のルペン氏に大差をつけて、親EUでグローバル化に前向きなマクロン氏が当選しました。また、彼は高校生のときに、教師であり人妻だったブリジットさんと恋愛して、結婚しています。いかにもフランスらしいですね。マクロン仏大統領の活躍を期待したいです。

●仏大統領選 マクロン氏が大差で勝利 史上最年少39歳
https://mainichi.jp/articles/20170508/k00/00e/030/143000c

 その点、相変わらずプライベートなどうでもいいことで騒ぐ、日本人や日本のメディアの民度はなんと低いことでしょうかね。

●菊川怜の結婚相手は2人の女性と同時期に婚外子をつくっていた「週刊文春」編集部
http://blogos.com/article/222075/

 今週も興味深い投稿がいくつもありました。見どころは以下のとおりです。

―やっぱり女は傷つけようとしても傷つけることのできないものでした
―30代男が女子大生にモテる方法を知りたいです
―婚約解消のご報告
―ハイスペ恋愛工学生と相性の良い結婚相手はアラサーバツイチです
―結婚式ステナンプロトコル
―証券マンですが転職してM&Aの仕事がしたいです
―ドMの20歳キャバ嬢との変態セックスが良すぎて非モテコミットしてしまいました
―99連敗の僕が恋愛工学を使いアメリカで歴史的初勝利をおさめました

 それでは今週もよろしくお願いします。

1.日本社会で多夫一妻制が急激に進行していた

 僕は『損する結婚 儲かる離婚』を書いているとき、人類の配偶システムの歴史をいろいろと調べていた。そこでわかったことは、人類は概ね緩やかな一夫多妻だということだ。また、歴史上では、強大な権力を握った為政者が、ハーレムを形成する例がいくつもある。というか、強大な権力を握った支配層が、多くの女を孕ませなかったことのほうが例外的であるのだ。
 一方で、一夫多妻の反対の配偶システムである多夫一妻については、ほとんど例がない。拙著で紹介した中国の奥地やアマゾンなどに残っている母系制社会は多夫一妻と言えなくもないが、権力と富を持った女性が、多数の男を従える、という例はやはりほとんどない。一夫多妻の単に男女を入れ替えたバージョンの多夫一妻は、おそらくは非常に成り立ちにくいものなのだろう。
 生物学的に考えれば、これは当たり前のことである。進化生物学では、生物というのは自分の遺伝子のコピーをなるべく多く拡散するための乗り物に過ぎない。同種でこの遺伝子拡散競争をしており、そこで敗れた個体の遺伝子は途絶えるだけである。男性は、多くの女性を孕ませることでこの目的が達成されるので、権力を握った支配者が一夫多妻的になっていくのはあまりにも当然なのだ。一方で、女性は自分で子供を産まなければいけない。そして、その子供を作るための精子は、結局は、ひとりの男性から来るものだ。その意味で、男性的に多数の相手とセックスする利得はない。権力と富を握った女帝が、労働力の提供者として多数の奴隷を従えたり、自らの子どもたちが繁殖に成功するように権力を使うことはあるだろうが、女性が自ら多数のセックス相手を確保する意味はまったくないのだ。

 と、これまで考えてきたのだが、じつは多夫一妻は、人間社会において極めて普遍的なひとつの配偶システムであることがわかってきたのだ。第262号で、女性にとっての結婚とはセックスを一社に長期独占契約で売ることであり、売春とはセックスを多数の会社にバラ売りするいわゆるスポット契約である、という考察をした際に、人間社会の多夫一妻とは何か、について大きく理解が進み、新たに有力な仮説を導くことができた。
 また、マクロ恋愛工学では、男性の性欲の総量や、女性のセックス供給量は、全体ではほぼ一定であるという仮定がよく使われるが、この多夫一妻の考察からわかったことは、男性のコンスタント性欲モデルは依然として高い説明力を有するが、女性のセックス供給量が一定であるという前提でゼロサム的な恋愛市場を想定していたいくつかのマクロ恋愛工学モデルが破綻することである。そのことについても解説する。

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