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週刊金融日記 第466号 日本はパワーアップした新コロ変異株の逆襲のターン、株式市場はアメリカ1人勝ち続く、レストラン紹介コーナーは自粛中、ノーガード派の主張、他

// 週刊金融日記
// 2021年4月15日 第466号
// 日本はパワーアップした新コロ変異株の逆襲のターン
// 株式市場はアメリカ1人勝ち続く
// レストラン紹介コーナーは自粛中
// ノーガード派の主張
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 コロナ禍はいっこうに終わりませんね。今週は今後のコロナ禍がどうなっていくのかいろいろ書きましたが、それにしても長丁場です。がんばりましょう。

★香港は気温が25℃ぐらいで、いまが一年で最も快適なシーズンですね。ハイキングはもう暑くて、ビーチの季節がやってきたました。

 東芝で、フィクションの半沢直樹やハゲタカのような、なかなかスケールの大きいお家騒動が勃発しております。

●東芝「車谷社長解任」は幻に終わった…!? 買収騒動で提出されなかった「取締役会の議案」
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/82157

●東芝、買収合戦の様相 CVC、ベインと連合 KKRも検討
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO71013940V10C21A4MM8000/

 ゲームストップ株ですが、僕がメルマガを書いた直後に、会社が1000億円規模の増資をぶっこんできました。僕はこのニュースが出るまでに売らなければいけない、と思っていたら、すぐに出てしまって、もうゲームストップ戦争もこれで終わりかな、と思ったら、このニュースでさえそれほど下げないので、アメリカのネット民はすごいな、と思いました。

週刊金融日記 第465号 またゲームストップ株を売りたいのだが……

★株価が割高水準なんだったら、増資するのが合理的です。逆に割安なら自社株買いが合理的です。

 世界中が注目していたスエズ運河を塞いだ座礁船が差し押さえられています。スーパームーンの月の引力を利用して離岸作業が成功して、めだたし、めだたしだったのですが、この船のオーナーは日本の会社で、エジプト政府のスエズ運河省からとんでもない請求書が届き、これに応じなかったため船ごと差し押さえられてしまいました。これは日本とエジプトの外交問題に発展しますね。

●スーパームーンが救ったスエズ運河の座礁船
https://jp.wsj.com/articles/how-a-supermoon-helped-free-the-giant-container-ship-from-the-suez-canal-11617091406

●スエズ座礁、愛媛の会社に1000億円賠償請求…裁判所がコンテナ船の差し押さえ命令
https://www.yomiuri.co.jp/world/20210414-OYT1T50231/

 史上最大の追証となったアルケゴスという韓国人のおっさんのファミリーオフィス(個人資産を運用するための会社)の破綻ですが、まだ、クレディ・スイスなどはポジション解消が終わっていなかったようです。

『週刊金融日記 第464号 5兆円で相場を張った米国在住の韓国人のおっさんが追証を払えず野村證券が年間収益をふっ飛ばすの巻』

★暴落したアルケゴス銘柄のリバーサルを狙ったのですが、失敗です。かなり痛いです。トホホ。

 任天堂創業家一族が、創業者が亡くなり一千億円以上の巨額の遺産を引き継いだのですが、それでファミリーオフィスをやっています。そして、このファミリーオフィスのWebページがかっこいいです。僕もがんばって金持ちになって、将来はファミリーオフィスやりたいです。

●Yamauchi-No.10 Family Office
https://y-n10.com/

 今週も読者から興味深い投稿がいくつもあります。見どころは以下のとおりです。

- 20代経営者ですが役員報酬の設定について質問です
- EV時代を見据えテスラ株組み入れ比率の高いETFに投資しようと思っています
- バフェットが日本の5大商社の株を買った狙いは
- 時短営業命令に対する国家賠償請求訴訟に我々ノーガード派の主張が集約されています

 それでは今週もよろしくお願いします。

1.日本はパワーアップした新コロ変異株の逆襲のターン

 かなりの確度で予測されていたことですが、大阪で新型コロナウイルス感染者増加が止まりません。昨年は世界の新型コロナウイルス禍のリサーチにずいぶんと力を入れてメルマガを書きましたし、僕はTwitterで現場で働いている医師や研究者の方々をフォローしているので、こうした状況はもちろん予想していました。最近は、それほど新型コロナウイルス禍の研究とSNSでの発信については、僕はそれほど時間を割いてはいないのですが、それはなぜかというと、日本における政策誘導合戦が良くも悪くも決着がついてしまったからです。僕のようなTwitter評論家風情が何か言ったところで、日本の政策決定への影響力は限りなくゼロに近いのですが、それでもわずかに影響を与えられるかもしれない、という希望があるのと、もうほぼゼロになった、というのでは、やはりやる気が変わってきます。

週刊金融日記 第446号 日本の第三波到来を踏まえてコロナバブルの行方や政策誘導合戦の勝敗を考察
週刊金融日記 第452号 残念ながら2021年もコロナを中心に世界は回る

 第447号を引用すると、日本の対コロナ戦略は次のようなものですね。

「……感染拡大したら、メディアが騒ぎ出し、国民が不安を感じ、政治家が自粛を呼びかける。日本人は真面目なので、こうした法的強制力がない呼びかけでも、かなりの効果を発揮して、またどこかで再生産数が1を下回り、新規感染者数は減少をはじめるでしょう。そしたら、また、すこしずつ外食などの個人消費が戻ります。そして、また、感染拡大して……、というのを繰り返していくと思われます。
 何事もはっきりさせず、なあなあでやり過ごしていくのが日本文化なので、今回もそうなるように思います。」
-- 週刊金融日記 第447号 3分でわかる新型コロナウイルス禍のこれまでの経緯とこれから何が起こるか

 感染者が増えて病院が溢れたら緊急事態宣言で自粛、減ったら緩める、というのを繰り返していくのが日本モデルです。
 現在、感染力が増したイギリスの変異株に置き換わりながら、感染者が急増しており、大阪などは病床が埋まり救急医療が提供できない、という意味での医療崩壊が始まっています。つまり、日本モデルに従い、国民みんなで自粛して抑え込もうというフェーズになりました。

●大阪府 重症患者数が病床数超える 医療提供体制 深刻な状況に
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210414/k10012974401000.html

●大阪 感染者1130人 大阪府「部活原則休止 大学オンラインで」
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210414/k10012973821000.html

●【詳しく】変異ウイルス 感染急拡大 “重症化スピード速い”
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210414/k10012973461000.html

 自分で言うのも何ですが、新型コロナウイルス禍に関しては、ほとんどの評論家よりも正確にこれまでの事態を予想してきました。いい機会ですので、これまでのコロナ禍の経緯や想定外だったこと、そして、いちばん大事なこれからのコロナ禍の予想を今週号ではまとめようと思います。

【一番の反省はコロナバブルに乗れなかったこと】

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