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週刊金融日記 第625号 ビザなし中国本土(Mainland)経由の海外旅行のすゝめ、神田財務官ゴールデンウイーク海外旅行応援介入、広州の食は香港の上位互換だった件、移民がいないと日本経済は回らないのか、他

// 週刊金融日記
// 2024年5月8日 第625号
// ビザなし中国本土(Mainland)経由の海外旅行のすゝめ
// 神田財務官ゴールデンウイーク海外旅行応援介入
// 広州の食は香港の上位互換だった件
// 移民がいないと日本経済は回らないのか
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 僕は自営業で旅行などは融通が効くのですが、同行する人たちがそうも言っていられないので、ちゃんとゴールデンウイークの始まりに日本を発ち、ゴールデンウイークの終わりに日本に帰ってくるチケットで海外旅行してきました。いろいろ面白い発見があったので、メルマガで順次報告します。

 このメルマガ原稿を書いている時に、恒例のApple製品発表会があったのですが、楽器や画材などを破壊して、すべてiPadで置き換えるんだ!という映像がドヤ顔で流されて、界隈から顰蹙を買っているようですね。

★ティム・クックさん自らその部分をポストしていたので、確信的にやっているんでしょうね。炎上マーケティングでしょうか。

 新潮新書の拙著2冊が期間限定でKindleのUnlimitedに加わっています。

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 今週も読者から興味深い投稿がいくつもあります。見どころは以下のとおりです。

-ビットコイン10億円購入したメタプラネットは大丈夫ですか
-子供が公立高校から阪大に現役合格した喜びをここで吐露させてください
-移民を受け入れないと社会が回らないというのは本当でしょうか
-結婚前にすでに持っていた非上場企業の株資産は財産分与の対象になりますか

 それでは今週もよろしくお願いします。

1.ビザなし中国本土(Mainland)経由で行く海外旅行のすゝめ

 日本の外交姿勢は、良く言えば日米同盟に基づき、悪く言えば米国の衛星国とか属国としての立場を軸としつつ、現在では日本の最大の貿易相手国である中国に対して、親中と反中の間で揺れています。
 中国のGDPが米国のGDPの7割ほどに達し、また、中国の外交姿勢もアグレッシブになってきたことなどから、米国はここ数年はあからさまな中国封じ込め戦略を展開しています。誰がこの地球を仕切るんか、という米中覇権争いですね。いまのところ仕切っているのは米国です。中国は少なくとも表向きには仕切りたいとは言っておりませんが(多極化や相互の繁栄を謳っています)、米国覇権が脅かされるかもしれない、とりわけ米国がアジアでの地域覇権はあきらめるかもしれない(中国がアジアの地域覇権を取るか?)、というのが今後10年ぐらいのスパンで見た時、明らかに最重要テーマですね。台湾リスクもありますね。

週刊金融日記 第605号 台湾有事について
週刊金融日記 第607号 リベラリズムが終わりリアリズムの世界到来

 これは岸田首相の考えなのか、世論を汲み取ったのか、あるいはもっと大きな国際政治の中で決まったことなのか知りませんが、日本政府は親米反中の旗幟(きし)を鮮明にしました。米国が先端半導体関連で中国に制裁をすると、日本の半導体関連メーカーもそれに従い輸出規制したり、コロナ禍の時は世論が盛り上がって中国からの入国に対して科学的とは言えない制限をしたりしました。それに対して、福島原発事故の処理水を海洋放出した際には、中国政府が難癖をつけてきて日本の水産物の輸入禁止などしました。こうした細々とした日中の報復合戦で、昔は観光なら日本人は中国本土はビザなしで行けたのですが、行けなくなったわけですね。
 僕はそんなこと知らずに、とうとうコロナ禍が終わって香港から深センに行けるようになり、香港人の知人と喜び勇んで高速鉄道のチケットを買って深センに向かったところ、人生初の国外退去処分を喰らいました(笑)。その後、某ボーダーでアライバルビザを発行していることを知り、無事に深センには行けたんですけどね。
 現在に至ってもなお日本人のビザ免除は復活しておりません。

週刊金融日記 第576号 AlipayHKをインストールして深センに行ったら新世界への扉が開いた

●中国のビザ免除、日本置き去り 「相互主義」の壁厚く
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM21BB60R21C23A2000000/

 香港に住んでいる香港人は基本的に「反中」です。僕の知り合いの香港人も口を開けば習近平さんの悪口を言っております。ちなみに、日本で有名な香港人と言えば、ジャッキー・チェンとアグネス・チャンですが、ジャッキーさんは親中派なんで、香港人に嫌われております。だから、香港人の前で、ジェッキー・チェンの話をしない方がいいです。アグネスさんは、香港ではそんなに有名ではないんですが、立ち位置としては子供を全員スタンフォード大学に入れたんで、日本でいう佐藤ママみたいな感じです。
 しかし、そんな香港人たちも、コロナ禍が明けて、検疫もなしに自由に中国に行けるようになってからというもの本当にみんなお隣の深センや広州にめちゃくちゃ行っております。口を開けば習近平さんの悪口を言っている知り合いの香港人も、毎週末深センに行っておりました。香港人は電子ゲートでピッピッとやって、割と簡単にボーダーを越えて深センに入れます。僕もアライバルビザを使って深センに数回行ったので、なぜ反中の香港人がこんなに深センなんかに行っているのかよくわかりました。
 中国本土って、飯は香港以上に美味く(香港も相当に美味いですし、さすがにフレンチや和食なら香港が上でしょう、高いけど)、何でも値段が半分から4分の1ぐらいで、ホテルに至っては2、3倍広くて内装が豪華なのに香港の半額以下なんですよ。あと、深センには中国と覇権争いをしている米国の大型小売店のコストコも進出してきて、そこに反中の香港人が押しかけて爆買いしていたりします。

●米コストコ、深セン市に華南地域初店舗をオープン
https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/01/eadbce76a5374fed.html

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