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贈りもの

ちょっとしたもので
いいのだ

あなたのことを
想っているよ

そんな
しるしであれば
良いのだから
  

まだ寒さの残る春先に。

「氣持ちが華やぐようなお花でも贈りたいな。」

そんなことを思いながら時が過ぎてしまい、お花を贈るには季節が進みすぎてしまった。

少し寒いくらいの空氣の方が、花は長く楽しめるから。

そうだ!

綺麗なハンカチもいいね。

ちょっとしたものでも、なかなか自分のためには新しいものを買わなかったりもするものだから。

久しぶりに、百貨店のハンカチ売り場に足を運ぶ。

昔に比べて、選択肢がかなり少ないのは寂しいけれど。

これかな、いや、こっちかな。

長く悩んだ末、オーソドックスな定番が並ぶ棚の中から某社のワイルドストロベリー柄の、大判のハンカチとひとまわり小さいガーゼタイプのものを選んだ。

大胆な花柄よりも、野に咲く花のような可愛らしいさと上品さが義母ははには似合うだろう。

お花は贈りそびれてしまったけれど、ハンカチのこのワイルドストロベリーがまさにそのお花だわ。

そう思ったら、俄然嬉しくなる!

まだ、母の日に到着するよう送ることができるというので、それでお願いした。

包装紙とリボン、あるいはシールをいくつかの中から選ぶことができた。

薄ピンクのバラ柄に母の日用のシールを貼ってもらった。

"Thanks for mom!"

こんなことをするのは、どのくらいぶりだろう。

出かける時は、必ず綺麗にアイロンしたハンカチを欠かさないわたしの母にも同じものを贈っておいた。

新しいものがあっても困らないよね。

この上品な美しさは、母にも似合うだろう。

離れて暮らしているからこそ、こうした小さな印が大事なんだね。

ありがとう。ふたりのお母さん。
 
 


 






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